MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
120位→101位
☆120位☆
Bridge Over Troubled Water/Simon & Garfunkel (1970)
明日に架ける橋/サイモン&ガーファンクル
タイトル曲ばかりが知られているが、他の収録曲も佳曲揃い、バラエティ豊かな名盤である。その後の二人のソロ活動を予見させたりもして興味深い面もある。「コンドルは飛んでいく」を取り上げていること、アートが一人で歌う曲が目立つこと等々。「ご機嫌いかが」「ベイビー・ドライバー」「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」など、今までありそうでなかった曲も素晴らしい。
☆119位☆
Magic The Very Best Of Olivia Newton John/Olivia Newton John (2001)
(日本未発売)
「Let Me Be There」から「Twist Of Fate」までのオリビアのシングル曲を年代順に並べた編集盤。悪かろうはずがない。アイドル然とした初期から、徐々にアダルトなシンガーに変貌していく様子が、実によく分かる。曲調どころか発声まで変わっているからね。それにしても、「そよ風の誘惑」「たそがれの恋」「マジック」等を書いたプロデューサーのジョン・ファーラーは凄い。
☆118位☆
Cracked Rear View/Hootie & The Blowfish (1994)
クラックド・リア・ビュー/フーティー&ザ・ブロウフィッシュ
本作(メジャーデビュー作)がいきなり全米で1000万枚以上の大ベスト・セラーとなったフーティー&ザ・ブロウフィッシュだが、特別な事をしている訳ではない。が、本作が他のアルバムと違うのは、圧倒的に曲の出来が良いこと。「Hannah Jane」「Hold My Hand」「Time」等々、どの曲もエバーグリーンと成りうる名曲ばかり。売れた要因はここにあるように思う。名盤。
☆117位☆
Homebelly Groove/Spin Doctors (1992)
ホームベリー・グルーブ/スピン・ドクターズ
この手のバンドの真骨頂はライブにあると思う。ファンキーさと泥臭さの二面性がスピン・ドクターズの特徴だが、その両方の良さが、本ライブ盤では十分に楽しめる。当時としても珍しく、長尺演奏が多いが、そのグルーブは素晴らしい。インプロビゼーションではなく、反復演奏がグルーブを生むスタイルで、こういう所も他のオルタナ系とは一線を画していた。
☆116位☆
Grave Dancers Union/Soul Asylum (1992)
グレイブ・ダンサーズ・ユニオン/ソウル・アサイラム
本作がベスト・セラーとなり、ソウル・アサイラムはミネアポリスのローカル・バンドからようやく脱却した。成功の要因は、デイブ・パーナーが良い曲をたくさん書いた事だろう。ヒットした「Runaway Train」をはじめ、「Black Gold」「Keep It Up」「Without A Trace」と名曲が並び、ソウル・アサイラム独特のグルーブ感溢れるサウンドとマッチして名盤を生み出した。
☆115位☆
Ten/Pearl Jam (1991)
ten/パール・ジャム
この1stの時点で、パール・ジャムの個性そして宿命は決まっていたように思う。オールドスタイルなバンド・サウンド、若者の気持ちを代弁する歌詞等々。本作でも、ハードなサウンドとボーカルが炸裂、ギターソロも弾きまくりで、ロック・バンドらしいロック・バンドの誕生だった。「Ocean」「Even Flow」「Black」あたりは今聴いてもカッコいい。
☆114位☆
Fantastic/Wham! (1983)
ファンタスティック/ワム!
この1stに「ラブ・マシーン」のカバーを収録している事からも察せられるように、ジョージとアンドリューのワム!は、ディスコ系ソウル路線で登場した。どの曲も素晴らしい出来映えで、傀儡説もあったくらい。「クラブ・トロピカーナ」は名曲だが、「サンシャイン・ビート」「初めての恋」といった曲も、只者ではないセンスと才能に満ちている。
☆113位☆
Night After Night/UK (1980)
ナイト・アフター・ナイト(ライブ・イン・ジャパン)/UK
名作が多いライブ・イン・ジャパンだが、本作も例外ではない。この時はエディ・ジョブソン、ジョン・ウェットン、テリー・ボジオの、ELPと同じキーボード・トリオだが、ELPより洗練されポップである。重厚長大のプログレがすたれて、コンパクトな作風に変化していく時期に活動したUKは、いわば最後のプログレ・バンドだった。タイトル曲のカッコ良さには言葉もない。
☆112位☆
Over The Top/Cozy Powell (1979)
オーバー・ザ・トップ/コージー・パウエル
コージー・パウエルの初ソロはロック・インスト・アルバムである。ジェフ・ベックのアルバムと似たような感触があり、難解ではなく非常に分かりやすく聴きやすい。コージーの柔軟なスタイルもなかなか。参加メンバー持ち寄りの収録曲も良い出来である。「キラー」「エル・シド」あたりが良いが、ハイライトはチャイコフスキーによるテーマとドラムソロを連動させたタイトル曲。コージーと言ったらこれ。
☆111位☆
TOTO/TOTO (1978)
宇宙の騎士/TOTO
TOTOはこのデビュー作で、都会的なロックを志向したが、決してAOR路線ではない。「ジョージー・ポーギー」や「ユー・アー・ザ・フラワー」はAORな雰囲気はあるものの、「愛する君に」「マヌエラ・ラン」は高度なテクニックを見せつけつつもポップだし、「ガール・グッドバイ」ではハード・ロック的方向性を見せている。当時としては新世代のロック。曲の出来も良い。
☆110位☆
The Definitive Collection/Bay City Rollers (2001)
ザ・ベスト・オブ・ベイ・シティ・ローラーズ/ベイ・シティ・ローラーズ
特定の世代にとっては、BCRは青春である。「サタデイ・ナイト」をはじめとするヒット曲たちは、分かりやすく尚且つ哀愁も感じられるメロディが秀逸で、今聴いても正に胸キュンだ。「ロックンロール・ラブ・レター」「夢の中の恋」「想い出に口づけ」「ふたりの純愛」等々、曲名を挙げればきりがない。やはり、本作のようなBCRのベスト盤は一家に一枚である。
☆109位☆
Just Go Ahead Now : A Retrospective/Spin Doctors (2000)
(日本未発売)
90年代に4枚のスタジオ作を残して解散したスピン・ドクターズだが、このベスト盤はそのうちの3枚から、均等に選曲されている。が、やはりベスト・セラーとなった1stの曲が良いと思えてしまうのは仕方ないところか。単なる印象ではあるが。こうしてまとめて聴いてみると、曲も良いし、オールドなロックを新しい感覚で、というバンドの方向性もよく分かる。
☆108位☆
Sheryl Crow/Sheryl Crow (1996)
シェリル・クロウ/シェリル・クロウ
1stのヒットを受けての2ndで、シェリル・クロウは自身の名前をタイトルにし、かなりロック寄りのスタイルを打ち出してきた。それはジャケットにも顕著。ほぼ彼女の代表曲となった長いタイトルの2曲もいいが、それ以外の曲も良い出来である。たまにルーツを覗かせる曲もあるが、全体としてロッカーとしてのスタイルを貫いているのは潔い。
☆107位☆
Hits/Joni Mitchell (1996)
永遠の愛の歌-ジョニ・ミッチェル・ベスト1/ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェルにとって、キャリア初のベスト盤ではなかったか。タイトル通り、シングル等で有名な曲を収録している。初期の「チェルシー・モーニング」「ビッグ・イエロー・タクシー」といったアコギ弾き語りから、「陽気な泥棒」「パリの自由人」あたりでポップな作風に変化していく様子がよく分かる。正に女性ロッカーのパイオニアである。
☆106位☆
Let Your Dim Light Shine/Soul Asylum (1995)
レット・ユア・ディム・ライト・シャイン/ソウル・アサイラム
名曲「Misery」のおかげで、ソウル・アサイラムは安定したポジションを獲得したのではなかろうか。本作もデイブ・パーナーの作風自体に大きな変化はないが、曲調に幅が出てきたように思われる。「Promises Broken」「To My Own Devices」あたりではルーツ的雰囲気も見られ、「String Of Pearls」「Caged Cat」は新たな世界。暖かみのあるバンド・サウンドは変わらず。
☆105位☆
If I Were A Carpenter (1994)
イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター~カーペンターズに捧ぐ
90年代はトリビュート・アルバムが一種のトレンドだったが、本作はちょっと凄い。アメリカのグランジ(オルタナ)系アーティストによるカーペンターズのトリビュート・アルバムだが、ソニック・ユース、アメリカン・ミュージック・クラブなど、ややアングラなイメージのアーティスト達が、カーペンターズの影の世界を抽出しているような感じ。新鮮かつ衝撃的なアプローチだった。
☆104位☆
VS/Pearl Jam (1993)
VS/パール・ジャム
ベスト・セラーとなった1stと比べると、印象的なリフをメインにしたハードロックという基本路線は変わらないが、パンキッシュな曲が増えた印象。曲作りはこなれてきたようで、良い曲が並ぶ。この頃既に人気バンドで、それ故の葛藤や軋轢もあったようで、そういったものは歌詞にも反映されているのだろう。アルバム自体はコンパクトにまとめており聴きやすい。
☆103位☆
Two Rooms Celebrating The Songs Of Elton John & Bernie Taupin (1991)
トゥー・ルームス~エルトン・ジョン・ソングス
エルトン&バーニーのコンビのトリビュート・アルバムは、ベテラン勢が顔を揃え、それぞれの持ち味を生かしたトリビュート作となった。ビーチ・ボーイズの「クロコダイル・ロック」、ザ・フーの「土曜の夜は僕の生きがい」、ウィルソン・フィリップスの「ダニエル」あたりが出色の出来。衝撃は少ないが、原曲の素晴らしさとカバーする側の個性の両方を再認識出来る名盤。
☆102位☆
Intuition/TNT (1989)
インテュイション~直感/TNT
ドラマティックなハード・ロックからポップな方向にシフトしてきたTNTは、通算4作目の本作でそのスタイルを完成させた。メロディアスでポップなハード・ロックが美しく構築されたサウンドを纏って、もう完璧としか言いようのない世界。名曲「トゥナイト・アイム・フォーリング」を筆頭に、「フォーエバー・シャイニン・オン」「インテュイション」等、実に素晴らしい。
☆101位☆
Blue Murder/Blue Murder (1989)
ブルー・マーダー/ブルー・マーダー
ジョン・サイクス、カーマイン・アピス、トニー・フランクリンの3人で結成された、いわゆるスーパー・グループ。HR系では70年代回帰を標榜する動きが当時あったようだが、このブルー・マーダーも実にオーソドックスでドラマティックなハード・ロックである。ボーカルや曲作りも一手に引き受けるジョン・サイクスが素晴らしい。久々に大きな音で聴きたいハード・ロックの登場だった。
次回は、いよいよ100位→81位です^^