酔狂にも、休暇を取って砂漠までやって来た若い男がいる。が、砂漠の真ん中で車がエンコして動けない。水も食料も尽きかけている。そこへ商人風の男が現れる。
商人風「どうしたんだ? 大丈夫か?」
若い男「ああ、疲れた。水も食べ物もなくなりそうだ。何か持ってたら譲ってくれないか。金ならあるよ。」
商人風「水や食料はないが、オレはネクタイ売りだから、ネクタイならいくらでもある。ひとつどうだい。これなんか、イタリア製だぜ」
若い男「結構だ。消えてくれ」
商人風の男が立ち去ってからしばらくすると、別の男が通りかかった。こちらも商人風だ。
商人風「どうした?かなり疲れているようだな」
若い男「ああ、くたくただ。何しろ水も食べ物もないからね。君は商人か?水か食べ物売ってくれないか?金ならあるよ」
商人風「腹減ってるなら、そこの丘の向こうのオアシスのそばにレストランがあるから、そこに行けばいい。ただ、ひとつ問題がある。」
若い男「問題って?」
商人風「そこのオーナーが偏屈で、ネクタイ着用じゃないと、店に入れてくれないんだ。」
若い男「そうなのか...」
商人風「...オレ、ネクタイ売りなんだ。ひとつどうだい?安くとしくよ」
なんと、この男、砂漠でネクタイを売る、というあり得ない商談を成立させてしまったのである。こいつは一体何者だ?
これは一体何の話なのかというと、実はEラーニングなんである。
うちの会社では、社員がEラーニングを受講している。Eラーニングって何なのか、というと、簡単に言えばネット上で色々な講座を受講するシステムである。日本能率協会とかがやってるアレだ。我が社が、このEラーニングを導入したのは5年くらい前からで、最初は中堅社員や中間管理職が主に受講していたのだが、年々範囲が広がり、今では役員以外は(契約社員でも新入社員でも)ほとんどが受講しており、コースの内容も様々で、専門知識・スキルを習得する為のものはもちろん、コンプライアンス・ビジネスマナー・メンタルヘルスケア・人材育成、評価等々多岐に渡っている。前述のエピソードは、『ソリューション提案コース【顧客分析編】』というコースに登場するものだ。
このコースの主眼は、早い話、いくら優れた商品を持っていても、それが顧客のニーズと合致しなければ売れない。商品を売る為には、顧客の状況を調べるというか、問題点を洗い出し、それを解消させる事の出来る商品を売り込まなければならない、という事だ。ただ売り込むだけじゃダメ、この商品を買えば御社にこれだけのメリットがあります、という点を強調しなればならない。その為には、顧客の業務内容・経営状態も知っておく必要がある。という訳だね。
確かに、顧客のニーズを的確に把握するのは大切だ。前述のネクタイ売りなんていい例である。ま、言い方を変えれば、弱みにつけ込む、という事にもなるが(笑)
このEラーニング、会社からは年間4~6コースを受講するように義務付けられていて、もちろん自分がやりたければ、いくらでも受講出来る。金かかるから、これ以上受講したらダメ、んて事は言わないのだ(笑) 受講数等は、全て会社に筒抜けだから、誰が向上心があって誰がないか、しっかりと会社も把握してる訳で、もちろん査定にも影響してるんだろうね(笑) ま、僕も向上心のない社員に分類されてる気がする(爆)
コースのほとんどは、画面を見ながら進めていき、途中と最後にテストを受けて、合格ラインに達すれば、終了証明書が貰える、というものだ。コースの内容にもよるけど、僕なんか合格点取るだけでも汲々としていて、100点なんて記憶にないのだが、会社で聞いてみると毎回100点なんてのも結構いて、意外とこいつ凄いなぁ、なんて感心したりするのだが、よくよく聞いたらテキストを見ながらテスト受けてるのもいるみたいで、それってカンニングじゃないの? 前述したように、受講内容等々全て会社には知られている訳で、つまりテストの点数も、不合格の回数もバレている訳で、それこそ査定に影響するのであれば、良い点を取っておきたいというのは人情なんだけど、でもカンニングはまずいでしょう。カンニングして良い点取った奴より、カンニングせずにそこそこの点だった僕の方が評価低くなる、というのもおかしいし(笑) 今度チクってやろうか(爆)
という訳で、役に立つのかどうか疑問な(笑)Eラーニングだが、今受講しているのは『心の健康を守る組織のコミュニケーション』というヤツで、いわゆるメンタルヘルスケア物だ(なんのこっちゃ)。出来ない(=仕事しない)部下は叱り飛ばしていれば良かった昔と違い、今は部下の健康面・精神面から私生活にまでさりげなく気を配り、決して無理はさせず文句は言わず、常に部下の話(=不平不満)をうんうんと聞いて(決して反論したりしてはいけない)やらなければ、職場は上手く機能しないのだそうな。面倒な時代なのである(笑) ほんと、近頃の若い奴らは、子供の頃から大人たちに気を遣って貰ってていいよな、と思う。やはり中間管理職のある友人は、今は部下に頑張れって言っちゃいけないんだよな、やりにくいよな、とこぼしていた。同感である。と、同時に、部下のメンタルヘルスのケアはいいけど、自分のメンタルヘルスのケアは誰がしてくれるんだろう、と不安に思う今日この頃(笑)
商人風「どうしたんだ? 大丈夫か?」
若い男「ああ、疲れた。水も食べ物もなくなりそうだ。何か持ってたら譲ってくれないか。金ならあるよ。」
商人風「水や食料はないが、オレはネクタイ売りだから、ネクタイならいくらでもある。ひとつどうだい。これなんか、イタリア製だぜ」
若い男「結構だ。消えてくれ」
商人風の男が立ち去ってからしばらくすると、別の男が通りかかった。こちらも商人風だ。
商人風「どうした?かなり疲れているようだな」
若い男「ああ、くたくただ。何しろ水も食べ物もないからね。君は商人か?水か食べ物売ってくれないか?金ならあるよ」
商人風「腹減ってるなら、そこの丘の向こうのオアシスのそばにレストランがあるから、そこに行けばいい。ただ、ひとつ問題がある。」
若い男「問題って?」
商人風「そこのオーナーが偏屈で、ネクタイ着用じゃないと、店に入れてくれないんだ。」
若い男「そうなのか...」
商人風「...オレ、ネクタイ売りなんだ。ひとつどうだい?安くとしくよ」
なんと、この男、砂漠でネクタイを売る、というあり得ない商談を成立させてしまったのである。こいつは一体何者だ?
これは一体何の話なのかというと、実はEラーニングなんである。
うちの会社では、社員がEラーニングを受講している。Eラーニングって何なのか、というと、簡単に言えばネット上で色々な講座を受講するシステムである。日本能率協会とかがやってるアレだ。我が社が、このEラーニングを導入したのは5年くらい前からで、最初は中堅社員や中間管理職が主に受講していたのだが、年々範囲が広がり、今では役員以外は(契約社員でも新入社員でも)ほとんどが受講しており、コースの内容も様々で、専門知識・スキルを習得する為のものはもちろん、コンプライアンス・ビジネスマナー・メンタルヘルスケア・人材育成、評価等々多岐に渡っている。前述のエピソードは、『ソリューション提案コース【顧客分析編】』というコースに登場するものだ。
このコースの主眼は、早い話、いくら優れた商品を持っていても、それが顧客のニーズと合致しなければ売れない。商品を売る為には、顧客の状況を調べるというか、問題点を洗い出し、それを解消させる事の出来る商品を売り込まなければならない、という事だ。ただ売り込むだけじゃダメ、この商品を買えば御社にこれだけのメリットがあります、という点を強調しなればならない。その為には、顧客の業務内容・経営状態も知っておく必要がある。という訳だね。
確かに、顧客のニーズを的確に把握するのは大切だ。前述のネクタイ売りなんていい例である。ま、言い方を変えれば、弱みにつけ込む、という事にもなるが(笑)
このEラーニング、会社からは年間4~6コースを受講するように義務付けられていて、もちろん自分がやりたければ、いくらでも受講出来る。金かかるから、これ以上受講したらダメ、んて事は言わないのだ(笑) 受講数等は、全て会社に筒抜けだから、誰が向上心があって誰がないか、しっかりと会社も把握してる訳で、もちろん査定にも影響してるんだろうね(笑) ま、僕も向上心のない社員に分類されてる気がする(爆)
コースのほとんどは、画面を見ながら進めていき、途中と最後にテストを受けて、合格ラインに達すれば、終了証明書が貰える、というものだ。コースの内容にもよるけど、僕なんか合格点取るだけでも汲々としていて、100点なんて記憶にないのだが、会社で聞いてみると毎回100点なんてのも結構いて、意外とこいつ凄いなぁ、なんて感心したりするのだが、よくよく聞いたらテキストを見ながらテスト受けてるのもいるみたいで、それってカンニングじゃないの? 前述したように、受講内容等々全て会社には知られている訳で、つまりテストの点数も、不合格の回数もバレている訳で、それこそ査定に影響するのであれば、良い点を取っておきたいというのは人情なんだけど、でもカンニングはまずいでしょう。カンニングして良い点取った奴より、カンニングせずにそこそこの点だった僕の方が評価低くなる、というのもおかしいし(笑) 今度チクってやろうか(爆)
という訳で、役に立つのかどうか疑問な(笑)Eラーニングだが、今受講しているのは『心の健康を守る組織のコミュニケーション』というヤツで、いわゆるメンタルヘルスケア物だ(なんのこっちゃ)。出来ない(=仕事しない)部下は叱り飛ばしていれば良かった昔と違い、今は部下の健康面・精神面から私生活にまでさりげなく気を配り、決して無理はさせず文句は言わず、常に部下の話(=不平不満)をうんうんと聞いて(決して反論したりしてはいけない)やらなければ、職場は上手く機能しないのだそうな。面倒な時代なのである(笑) ほんと、近頃の若い奴らは、子供の頃から大人たちに気を遣って貰ってていいよな、と思う。やはり中間管理職のある友人は、今は部下に頑張れって言っちゃいけないんだよな、やりにくいよな、とこぼしていた。同感である。と、同時に、部下のメンタルヘルスのケアはいいけど、自分のメンタルヘルスのケアは誰がしてくれるんだろう、と不安に思う今日この頃(笑)