正に飛ぶ鳥落とす勢い、去年のAKB48の活躍ぶりは凄かった。何しろ、オリコンの2010年の年間チャートTOP10を、嵐とAKB48とで独占してしまった訳で(嵐6曲、AKB4曲、但し1位と2位はAKB)、しかも大晦日のNHK紅白歌合戦では、第一部瞬間最高視聴率を記録したのはAKB48の出番の時だったそうで、ま、とにかく、AKB絶好調だったのである。
AKB48自体は、結成して5年になるそうで、紅白歌合戦には3年前から出ていた訳で、決して最近になって人気が爆発した訳ではないのだが、それにしても、去年のブレイクぶりは凄まじかったように思う。とにかく、以前より露出が増えた。テレビで、AKBのメンバーを見ない日はない、と言っていいほど、AKBは出まくっていた。元々人気グループだったのに、いきなり露出が増えた、という点ではAKBとEXILEは特筆すべきものがある(なんのこっちゃ)。ただ、それだけAKBの露出が多かったにもかかわらず、まだ全てのメンバーの顔と名前が一致しない、というのには悲しいものがあるが(笑)
という訳で、AKB48である。去年、縁あってAKB48の曲をあれこれと聴く機会に恵まれたのだが、個人的には「大声ダイヤモンド」という曲が好きだ。2008年10月に出ていた曲らしいのだが、当時は全く知らなかった。素晴らしい曲である。今まで知らなかったのが、残念で仕方ない。ま、今でも聴けるからいいけど(笑)
この「大声ダイヤモンド」、疾走感の中に切なさを封じ込めた、正に青春アイドル歌謡である。昭和の時代でも平成になっても、アイドル歌謡の本質は変わらない。青春という限りある季節の切なさ、大人になったら忘れてしまうかもしれない感情、こういったものを表現するのがアイドル歌謡であり、「大声ダイヤモンド」は正にそんな一曲なのである。切なさと疾走感、歌詞も曲調もアレンジも、それが全て。途中一箇所だけ、「荒野の七人」のフレーズを引用してるところに、オジサンはニンマリしたりする訳だが(爆)
と、そんな訳で、「大声ダイヤモンド」実に素晴らしい。皆さんご存知の通り、AKB48の仕掛け人は、おニャン子クラブでもお馴染みの秋元康であり、AKBの楽曲のほとんどの歌詞は、秋元康によるものであるのだが、狙ってるのかどうか、女の子が歌う曲であるにもかかわらず、男の視点で書かれた曲が多い。このやり方だと、男の子にも女の子にもアピール出来るのだろうか。よく分からないけど、秋元康が策士(作詞)であるのは間違いない。
AKB48の曲って、案外と昔のアイドル歌謡の雰囲気を再生してるようなのが多い。それも、80年代以降の主張するアイドルというか、そういったものに近いものを感じる。そこも狙っているのだろうか。実は一度、秋葉原のAKB劇場に行って、中には入らないまでもモニターでAKB研究生の公演というのを見た事があるが、そこで歌われていた楽曲はかなりコテコテのアイドル歌謡であり、AKB48の曲とはかなり違う路線だった。何を考えてるのか分からない。秋元康、恐るべし。
と、それはともかく、AKB48の「大声ダイヤモンド」、これは近年稀に見る名曲と言っていい。やっぱりアイドルってこうでなくては、という見本のような曲でもある。AKB48には、他にもそういう名曲があるが(「涙サプライズ」とか)、「大声ダイヤモンド」は突出した名曲である。