サイモン&ガーファンクル(以下S&G)が来日公演を行なうそうな。16年ぶりだそうだが、16年前といえば1993年。この年、来日してたっけ? 全然覚えてない^^; 1982年の来日公演の事は、見に行った友人がいたので記憶してるけど。
S&Gは、洋楽知り染めし頃、よく聴いてたので、思い出深いアーティストの一人(一組)である。きっかけは、やはり『卒業』。当時(小6から中一にかけて)映画及び映画音楽に興味を持っていて、その流れの中で『卒業』を知り、S&Gを知った。といっても、その頃は有名な「サウンド・オブ・サイレンス」「ミセス・ロビンソン」「スカボロー・フェア」くらいしか知らなかった^^;
その後、S&Gファンの友人が出来て、あれこれ聴かせて貰って、結構ハマっていた。名盤『明日に架ける橋』も、その友人に聴かせて貰った。LPを借りて録音させて貰ったりもした。『卒業』の曲以外にも、良い曲がたくさんある事を知った。「アイ・アム・ア・ロック」「早く家に帰りたい」「私の兄弟」「雨に負けぬ花」「59番街橋の歌」「フェイキン・イット」「アメリカ」「ボクサー」等々...中でも「アメリカ」が好きだった。『明日に架ける橋』は、タイトル曲以外の曲、たとえば「いとしのセシリア」「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」「ご機嫌いかが」「ニューヨークの少年」「ベイビー・ドライバー」「手紙が欲しい」といった曲の方が良いと思っていた。
「明日に架ける橋」といえば、“Sail on silver girl, sail on by, your time has come to shine(銀色の少女よ、漕ぎ出そう、君の輝く時が来たんだよ)”という歌詞があって、これが赤塚不二夫の『天才バカボン』に引用されているのを、小6くらいの頃に読んだ事がある。そこには、「明日に架ける橋」からの引用とは明記されておらず、当時は赤塚不二夫の創作と思っていた(笑)
てな訳で、なんとなくS&Gが聴きたくなり、久々にCD引っ張り出して聴いていた。『明日に架ける橋』ではなく『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』である。ギターのアルペジオと対比法によるハーモニーが、美しくも静謐な世界を醸し出す「スカボロー・フェア/詠唱」が白眉だが(そういや、この曲元々イギリスのトラッドなんだけど、ポール・サイモンがパクったという話)、「クラウディ」「エミリー・エミリー」のようにジンとくる曲もあるし、フォークロック調の「プレジャー・マシン」、ボブ・ディランのモノマネみたいな「簡単で散漫な演説」などもいい。「7時のニュース/きよしこの夜」なんて、発想がプログレッシブだ。「早く家に帰りたい」「雨に負けぬ花」も入ってるし、『明日に架ける橋』に負けず劣らずの一枚なのである。
S&Gって、ロックというよりフォークに分類されるアーティストだと思うが、その音楽性は幅広いし、ブラックジョークが強烈な曲もあったりする。でも、やはり記憶に残っているのは、繊細で瑞々しいフォーク調の曲だったりして、それらの曲がまた“青春”というキーワードがぴったりだったりする。ふと聞いてみると、ちょっと感傷的になってしまったりなんかするわけだ。そういう点では、カーペンターズと双璧を成すアーティストと言えよう(やや意味不明)。
S&Gの二人、実は仲悪いという話を聞いた事がある。『明日に架ける橋』を最後に活動停止してから、初めて公の場で二人が歌ったという映像を見た事があるが、ポールがアートに「映画の撮影はいいのか?」等々、結構辛辣な事を言っていた。実際、ちょっとしたきっかけで、また一緒にやろう、なんて話になって、ツアーしたりもするけど、すぐケンカ別れしてしまって、長続きしないらしい。『明日に架ける橋』以降、数回再結成してるみたいだけど、レコードとしては、シングルの「マイ・リトル・タウン」(名曲です)くらいしか出てないみたいだし。今回の再結成も、ポールのコンサートにアートが飛び入りしたことから始まったらしいけど、いつまで続くのか(苦笑)。7月の来日公演の前にケンカ別れしない事を祈る(笑)
という訳で、S&Gの来日公演である。僕はS&Gは見た事ないので(ポール・サイモンのソロ・コンサートは一度見た事あり)、一度は見ておきたい、という気持ちはあるが、チケット代もさることながら、会場は全てドームだもんなぁ...これでいつも萎えてしまうのだ(笑)
所で、「コンドルは飛んで行く」って、S&Gで有名になったのか、それとも元々有名な曲だったのか、どっちなんだろう?