日々の覚書

MFCオーナーのブログ

子供受難の時代

2007年10月27日 00時08分48秒 | 時事・社会ネタ

兵庫県加古川市で、小学校2年生の女の子が自宅前で刺殺された事件だが、発生から10日過ぎたが捜査は難航しているらしい。住宅街で児童が刺される、という実にショッキングな事件であるが、最初にこの事件の話を聞いた時、最近読んだ小説を思い出してしまった。大石圭の『人を殺す、という仕事』である。

この小説、主人公は正体不明の人間から送られてくる手紙の指示に従い、次々と人を殺していく。言う通りにしなければ大切な人を殺す、と脅されているからだ。実際、手紙の指示を無視したばかりに、彼は母と妻を失っている。で、その手紙には、ターゲットの外見、住所、行動パターンに加え、具体的な殺人方法まで書いてあり、手紙の通りにすれば、決してしくじることなく、また誰にも目撃されることなく、任務を遂行できるのだ。ターゲットは少女から老人まで様々で、5歳の少女を車の中で殺し、山中に捨てに行った時は、テレビでも大々的に取り上げられ、目撃証言もあったにもかかわらず、彼は捕まる事はない。そんな訳で、彼は愛する2人の娘を守るため、という大義名分で、言われるままに殺人を重ねていくのである。

実際に起きた事件が、この小説を連想させたのは、犯人がいくら人通りが少ないとはいえ、誰にも見られる事なく一瞬にして少女の命を奪い、そのまま逃走しているという点だ。新聞等の記事によると、悲鳴を聞いた母親が家から出てきた時には、少女は既に刺された後で、犯人の姿もなかったとか。正にピンポイントの犯行である。この状況が小説そのものなのだ。

あまりにもよく似ているので、どちらが小説なのか、区別がつかなくなるくらいだ。恐ろしい事である。事実は小説より奇なり、とはよく言うが、こういう事はあって欲しくない。決して、小説を真似た犯行ではない、と思うけど。ま、とにかく、早く犯人が捕まってくれないと、付近の人たちは心配で仕方ないだろう。お察しします。

しかし、このように子供が巻き込まれる事件が多いような気がするけど、こういう事件のたびに、昔は近所の大人たちが、常に子供たちを見ていて、○○さんちのA子ちゃんが公園で△△さんちのB子ちゃんと遊んでた、とか子供たちの行動を把握していたので、子供たちの安全が確保されていた、という話が出る。それも一理あるような気もする。『サザエさん』を見てると、カツオの行動は全て近所の人たちに見られていて、サザエやフネにその情報がすぐ伝わる、なんて場面もよくある。

確かに、昔は外に出れば子供大人問わず、知ってる人がたくさんいたような気がするし。最近は、なんとなくだけど、外に出ている人が少ないような気もする。子供も少なくなったのだろうけど、共働きとかが増えて、大人も昼間は家にいない、というのが多くなったのではなかろうか。近所付き合いも希薄になったろうし。地域ぐるみで子供を守る、なんてのは、期待できないのかもしれない。それで、何事もなければいいけど、昨今ヘンな事件が多いからね。子供も大変だけど、子を持つ親も心労が絶えないな、これでは。

コメント (4)
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