おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
「勇気づけとモチベーション3.0」シリーズの3回目です。
まずは『モチベーション3.0ー持続する「やる気!」をいかに引き出すか』(ダニエル・ピンク著、大前 研一訳、講談社+α文庫、820円+税)の本の肝心な部分を紹介しておきます。
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モチベーション3.0 持続する「やる気!」を いかに引き出すか (講談社+α文庫)
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ダニエル・ピンク著、大前 研一訳 |
講談社 |
信賞必罰(アメとムチ)に基づいて与えられる外発的な〈モチベーション2.0〉は、次の理由で致命的な欠陥が指摘されます。
1.内発的動機づけを失わせる。
2.かえって成果が上がらなくなる。
3.創造性を蝕む。
4.好ましい言動への意欲を失わせる。
5.ごまかしや近道、倫理に反する行為を助長する。
6.依存性がある。
7.短絡的思考を助長する。
このところは、表現の仕方は違っても 「愛と勇気づけの親子関係セミナー(SMILE)」に書かれている「賞と罰の問題点」とほぼ同じことにお気づきでしょうか。
〈モチベーション2.0〉に代わる自分の内面から湧き出る「やる気(ドライブ)」に基づく内発的な〈モチベーション3.0〉には、次の3つの重要な要素があります。
(1)自律性・・・自分の人生を自ら導きたいという欲求
(2)マスタリー(熟達)・・・自分にとって意味のあることを上達させたいという衝動
(3)目的・・・自分よりも大きいこと、自分の利益を超えたことのために活動したい、という切なる思い
そして著者のピンクは、それぞれの要素について豊富な文献と理論化へのインタビューによって事細かに書いています。
読み終わったところで、ルーティンワークへの〈モチベーション2.0〉の適用についてはやむなしと思ったとしても、創造性を要求される仕事には〈モチベーション3.0〉へのアップグレードに賛同することでしょう。
<お目休めコーナー>11月の花(11)