シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督「グレート・ワルツ(原題:The Great Waltz)」(アメリカ、1938年、102分)☆☆☆☆

2023-07-24 20:36:16 | アメリカ・戦前


デュヴィヴィエは古典フランス映画のビッグ5のひとりです(他の4人は、ジャック・フェデー、ジャン・ルノワール、ルネ・クレール、マルセル・カルネ)。

デュヴィヴィエは1919年に映画監督としてデビュー。1930年代から多くの名作を製作しました(「舞踏家の手帖」など)。

第二次世界大戦中は、アメリカ合衆国に亡命。しかし、ハリウッドの文化と肌があわず、戦後フランスにもどり作品を撮りました。
本作品はヨハン・シュトラウス二世(ルイゼ・ライナー)の半生を描いた「音楽映画」です。

かなり脚色され、ストーリーがあるとすれば彼とオペラ歌手カーラ(ミリッツァ・コリウス)とパン屋の娘だった妻のポルディ(ルイーズ・レイナー)の間で揺れる心境と行動(この部分はかなり事実と異なります)、名曲が生まれた背景、周囲の彼の音楽に対する評価と確執、です。

本作品から知ることが出来たのは、若きシュトラウスがウィーンの銀行に勤めていたこと、仕事そっちのけで作曲していてクビになったこと、この時代ワルツが評価されなかったにもかかわらず、その作曲に励んだこと、帝室オペラ劇場の歌姫カーラが果たした役割、当時のウィーンでの貴族政治反対の民衆運動を支持したこと、など。

シュトラウスが作曲した歌曲を歌うミリッツァ・コリウスは素晴らしい、のひと言。
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