シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

増村保造監督「動脈列島」(1975年、121分)

2024-06-09 19:49:35 | 日本・1970年~


原作は清水一行による同名小説。院生だった頃、修士論文執筆の合間に、面白くて一気に読んだ記憶があります。

映画上映されたことは知っていましたが、時間的精神的ゆとりがなく、まして映画を観に行くお金もなく、断念。それがいまになってU‐NEXT配信で観れるとは(>o<)。
舞台は東海道新幹線沿線、主として東京そして愛知。

本作品が製作された前年には映画の舞台の一つとなった名古屋市の新幹線沿線住民が名古屋地方裁判所に騒音公害に対する訴えを起こしています。

名古屋市熱田区。「ひかり」が住宅密集地を時速200キロ近い高速で疾駆。その音に苦しみながらひとりの老婆が亡くなります。医師、秋山宏(近藤正臣)と恋人である看護士、君原知子(関根恵子)の懸命の治療もむなしく。

老婆の死の遠因となった騒音に怒った秋山は新幹線転覆を計画します。秋山は君原に理由を語らず病院からニトログリセリンを盗み出すように依頼。そして、知子に欧州旅行をすると伝え、行方をくらませます。

翌日、「ひかり」の車内トイレから脅迫状が入った赤い缶が発見されました。

脅迫状の中身は国鉄に対する騒音対策の具体的実施要求、要求を受け入れられない場合には10日以内に新幹線を転覆させるというもの。翌日には豊橋駅でこだま号が脱線させられます。

警察庁は犯罪科学捜査研究所所長の滝川保(田宮二郎)を捜査本部長に任命、極秘捜査に入ります。滝川は脅迫状の内容が幹線騒音公害訴訟団の要求と同じであったので、訴訟団が主張の根拠とした論文の執筆者、秋山に狙いをつけますが・・・。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 江口カン監督「めんたいぴり... | トップ | 大森一樹監督「津軽百年食堂... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本・1970年~」カテゴリの最新記事