シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

浦山桐郎監督「青春の門」(1975年、189分)

2024-05-07 20:54:40 | 日本・1970年~


原作は五木寛之による同名長編小説(筑豊編)です。

主要舞台は筑豊炭鉱。大正後期から戦後に至る「激動」の歩み(関東大震災、満州事変、2・26事件、真珠湾攻撃、敗戦、朝鮮戦争、講和条約締結など)を背景に描かれます。

開巻、山本作兵衛の炭鉱画(後にユネスコ世界記憶遺産に認定)が数分、映し出されます。

吉永小百合さんが坑内で顔を真っ黒にして働き、汚れ役もこなしています。

大正7年。米騒動の嵐が筑豊に波及し、ダイナマイトをふりかざし軍隊に抵抗し男を上げた伊吹重蔵(仲代達矢)は坑夫たちの信望を集め頭領になります。

一人息子、幼ない信介を残して妻が他界した後、重蔵は天草生まれの女給タエ(吉永小百合)を嫁に迎えます。新しい母を迎えた信介、しかし炭鉱で水没事故が起こります。重蔵は坑内に閉じ込められた朝鮮人徴用工を秘かに救出しようと自らハッパをかけ爆死。みなの命を救います。

太平洋戦争が始まり、小学校4年になった信介。ある日、友だちと一人の朝鮮人少年をいじめ、来合せたタエに頬を張られ、叱られれます。この喧嘩を契機に、あの水没事故の時に重蔵に命を救われた朝鮮人、金朱烈(河原崎長一郎)がタエのところに出入りします。この事は当然、炭鉱内の噂になりますがタエは気にかけません。

その金も出征。やがて敗戦。男たちが戦場から帰って来ました。重蔵にタエ母子の事の面倒を見る、と約束していた竜五郎(小林旭)は、タエ、信介(田中健)を引き取ろうとしますが、金は猛烈に反対し自分と朝鮮へ行こう、と誘います。気丈なタエはこの二人の申し出を断わります。

この後、タエの病、信介の性の目覚め、高校進学、音楽の女教師、梓旗江(高橋恵子)への憧れ、と続き・・・。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山本薩夫監督「氷点」(1966... | トップ | 浦山桐郎監督「青春の門(自... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本・1970年~」カテゴリの最新記事