実に楽しい作品です。圧巻の約二時間。
ミュージカル映画で他社の追随を許さなかったMGM社(Metro-Goldwyn-Mayer)が、創立50周年を記念して製作した作品です。MGMの歴史は、さながら映画の発展のそれでもあり、この観点から鑑賞することができました。
この作品はジーン・ケリーが、かつて同社に所属していたスターに声をかけて出来あがったもの。フレッド・アステア、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、エリザベス・テイラー、ミッキー・ルーニーなどの往年の名優が出演しています。他に、エスター・ウィリアム、ジュディ・ガーランド、ライザ・ミネリなどなど。
内容は『ブロードウェイ・メロディー』(1929年)にはじまるMGMミュージカルから名シーンが抜粋され、プレゼンターがコメントをいれて紹介していきます。ミュージカルシーンで優れたものから名場面が採用され、この世界の歴史、魅力を学び、かつ愉しめます。
とくに関心をひいたのは、1920年代に入ってトーキーの時代に入り、いろいろなことが起きたこと、それまで訛りのある英語でも平気で俳優をきどっていられた時代が終わり、それゆえにこの世界を去っていた人が多数いたこと、また演技だけ出来ればよかった俳優が歌を歌わせられたり踊らされたり大変だったこと(クラーク・ゲーブルがダンスをしていました)、などでした。
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