シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

実相寺昭夫監督「哥(うた)」(1972年、119分)

2024-06-01 20:48:35 | 日本・1970年~


旧家の3人の息子、書生たちの人間関係の軋轢がついに一家を崩壊させいく様を描いた作品。人間の心の動きと行動の原点をえぐる作品世界。

ヴィヴァルディの「四季」がこの旧家の運命を煽るかのように流れます。

舞台は丹波篠山の山あいに豪荘な邸宅を構える森山家。

70歳を過ぎた当主伊兵衛(嵐寛寿郎)は妻ヒサノ(毛利菊枝)、召使、浜(荒木道子)と静かに暮しています。

伊兵衛には三人の息子がいます。

長男、康(岸田森)は本家を離れて法律事務所を開業しています。妻、夏子(八並映子)は27歳。夫婦関係に欲求不満。

次男、徹(東野孝彦)は将来を嘱望された新進の画家でしたが、挫折、出奔。以来、消息不明。

三男、淳(篠田三郎)は実は伊兵衛と浜の子でしたが、この秘密は知るのは伊兵衛夫婦、浜そして淳自身のみ。

淳は、浜から森山家を護るよう言われ、康の家に書生見習として住み込んでいました。

康の家には他に司法官試験合格を目指す青年、和田(田村亮)と肉感的な女中藤野(桜井浩子)が同居しています。二人は、日夜、情事におぼれています。

ある夜、夏子はいつものように夜廻りをしている淳の懐中電灯の先に見えた和田と藤野の情交の現場を目撃。昂奮した夏子は、若い淳にせまります。

森山家の財産を狙う康と徹。淳はこの家を護ろうと立ちはだかりますが・・・。
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