goo blog サービス終了のお知らせ 

学習障害と英語指導を考える

特別支援の視点から。
どの子もハッピーになるような指導を。

文脈依存度

2010年07月25日 | 英語教室でできること
日本は世界でも文脈依存度の最も高い国のひとつです。

「言わなくてもわかるでしょう」

という、説明の仕方。

しかも、受け手の理解力に責任を求めます。

「わからないのは、空気読めないから」

で、自分の説明力は問題ではありません。


一方、アメリカやドイツは、逆に文脈依存度の最も低い国です。

とことん説明します。

また、話者側の責任が大きく、
わからないのは相手にわからせる自分の説明が悪いからと考えます。

「わからない」といったら、喜んで(←でしょ?)、
相手がわかるまで、いろいろ言い換えたりしながら、
一生懸命説明します。(経験ありませんか?)


この“文脈依存度”を出してきたのは、
文脈を読めない、アスペルガーのお子さんや生徒さんがいた場合について、大切だからです。

アスペルガーの子は、アメリカの方が生活しやすい、と
ある専門の先生に言われたことがきっかけでした。


高機能広汎性発達障害(アスペルガー含む)の人には、

極力 文脈を読んでもらうことを期待しないで 会話をしてあげてください。


つねに、直球勝負です。

日本人はつい、「ここまで言うと相手が傷つくかも」などの遠慮が入り、
ストレートにモノを言わない人が多いのですが(私は女性に多いと思っています)、それは、言葉だけしか受け取れない相手には、大きな誤解をさせてしまうことがあります。

自閉症やアスペルガーの子は、言葉の意味はわかっていますが、
そこに「ふくまれている」意味は通じないことが多いのです。


「そういうことは、ちょっとよくないよ、、、みんなの気持ちは、どうかなあと思うのよ。」

というような言葉は、まったく 通じません。

「そういうこと」ってどういうこと?
「ちょっと」って、なにがちょっと?
「みんな」って、だれよ?
「どうかなあって思うって」、どういう意味なの?

と、あっというまにクエスチョンマークだらけになっちゃうかも。

こういう場合は、はっきりと説明してください。

「Aくん、○○は、XXっていう理由で、やめなさい。」

です。



広汎性発達障害の子は、言葉の説明で傷つくことはないのです。

むしろ、黙ってバカにされたり、
仲間はずれに知らないうちにされていたり、
いじめられる理由がわからないけど何故かいじめられていたり、

そういうことには、ちゃんと傷ついています。

一つ一つ、言葉で具体的に教えてあげることで
そうした社会的なルールへの、
「きづき」につなげることができます。


それでも、「わかりません」と言うことを教えてもらってない子は、
わかったような顔をすることがあります。
嘘をついている意識はありません。
(ちなみに、広汎性発達障害の子ども達は嘘をつくのがとても苦手です。思い込みは激しいですが)

「わからないときは、わからないって言ってくれると、先生は嬉しいよ」


と最初に伝えてあげてくださいね。

文脈依存度の高い文化だからこそ、気をつけて、依存度を低くしてあげてください。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。