チャレンジ英語教室、国語教室では、
多感覚学習法を心がけています。
なにそれ!何か新しい教授法!?
と思った方、
心配ご無用です。
児童英語の先生でしたら、おそらくどなたも当たり前にされていること。
五感を使った指導のことです。
これまでの研究でも人の認知には、
大きな個人差があることがわかってきています。
もし、学習者にとって苦手なやり方やメソッドで指導をすると、
スムーズにはいきません。
弱い面を補えるように、強い面を使うような指導であれば、
課題をこなすことができます。
ですから、多感覚学習法は学習に障碍やつまづきのある子どもにとって
とても有効なのです。
学習に躓きを抱えている子どもの多くは、
聴覚情報の処理
または
視覚情報の処理
あるいは
その両方に弱さを抱えています。
ですから、強い処理法によって理解を補えるよう、
すべての感覚を使えるように教えます。
(感じること・ 見ること ・ 匂いを感じること
話すこと ・ 触れること ・聞くこと
動くこと ・ 味を見ること・・・)
中でも、視覚、聴覚、運動(Visual, Auditory, Kinaesthetic:VAK)は
情報を取り込む3つの基本的なルートです。
Representional System (rep system)や,NLPで検索すると
自分がどの情報処理タイプを得意としているか(好んで使っているか)
またどの情報処理タイプが苦手(あるいはあまり使わない) の
チェックリストがたくさんあります。
(ちなみに私は、視覚+デジタル(ロジック)タイプだそうです。
どうりで、何でも一度図形にしたほうがわかりやすい訳ですね・・・。)
ですから、
最も良い方法は、それら3つの刺激をすべて使って指導すること。
少しその前に、自分のレッスンを振り返って見るのも良いと思います。
自分が今行っているこの指導は、
聴覚、視覚、運動のどの部分を刺激しているのか考えて見て下さい。
例えば伝統的な中高での英語の授業は、
先生の話を聞く、
問題や教科書を読む、
という、聴覚と視覚の情報処理のみに偏っていました。
ですが、視覚だけとってみても、
グラフ、絵、色、マッピング手法、映像など、色々なバラエティがありますね。
聴覚ですと、
話す、聞く、テープの音を聞く、音楽を聴く、ディスカッションをするなどなど。
感覚は、2Dだけでなく3Dのものを作る・触る・・・
動きは、なぞる、書く、大きく体を動かして表現する・・・
例えば単語を覚えるやり方にしても、
上の感覚をいくつか組み合わせてみることができます。
書く → 動き+視覚
書きながら 言う → 動き+聴覚
ここに、色などをつけてみるとさらに子どもの感覚を刺激します。
イメージ化の得意な子は、意味をイメージ(絵)にして表してみるといいかもしれません。
言うときに、リズムをつけてみる、音楽に合わせてみる、
動きも、先生によっては「書く」だけではなく、大きく腕を使って空中に書く、
机の上に書く、といった方法を使われていることがありますが、
それは、その方が子どもの感覚により刺激を与え、
情報のインプットを促進してくれるからです。
私のゼミで、「単語の覚え方」だけに絞って
さまざまな刺激を自分に加えて、どの刺激を使った学び方が
一番自分にとって合っているかという実験を5週間かけて取り組みました。
そのうち3週間は、毎週異なるインプット方法を試すことにしていました。
大人の場合でも、自分が「良い」と思い込んでいる勉強法が
実は先生や学校、友達や参考書が勧めていたから、という理由である場合
そのやり方が紹介者や作者の認知情報処理には合っていても、
それが「自分」「私」に合っているかはわかりません。
つまり、
「点数の良いあの人がやっている方法だからいいんだ」が、
全然効果がない場合、あるいは苦痛なだけということも多々あるのです。
ですから「自分に本当に合っている」勉強方法というのを
しっかりと自分で”感じ”ながら、探さなくてはいけません。
なぜなら、自分の情報処理認識法は、
自分の感覚だけが教えてくれるからです。
「いやだ」と思う方法ではなく、「楽しい」と感じる方法を探すのです。
私のゼミ生の場合、「どうしても単語が覚えられない」という学生が
最終的に「単語のイメージを自分で描く」方法が一番覚えやすい、と発見していました。
5週間、毎週単語テストをするので、
自分がどのやり方で取り組んだときに一番点数が良かったかも見ることができ、
納得していました。
これは子どもの場合も同じです。
小学校低学年までであれば、
先生がさまざまな刺激を使った指導を与えるのが良いと思いますが、
高学年以上になると、自分で勉強することも学んでいかなくてはいけません。
覚えること、理解しなくてはいけないことは、
たくさんあります。
そのときに、自分がどうやったら覚えられるのか、わかりやすいのか、
自分でわかっていることが、最強の自習学習につながっていきます。
「100回書けば覚える」「それは○○でやればよい」
と先生が断言することが、
いかに無茶なことかわかるでしょうか。
学びは、その人の個人的な”体験”そのものです。
その人がどう感じるかを最優先することこそが、
長じては、その子の「生きる力」につながっていくのではないでしょうか。
話がまた飛んでしまった。
多感覚を取り入れることは、子どもが自分の苦手な+得意な感覚で
学ぶ機会を与えることです。
そこをスタートにして、子どもたちが自分に合った勉強方法を
自分で選べるように育てて行く。
それが一番取り組んで行きたいことです。
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