神戸の中学校はもうすぐ夏休み。
明日が終業式の所も多いのではないでしょうか。
さて、夏休みと言えば、宿題ですね・・・
英語とは関係ないのですが、
チャレンジ教室では、不定期ですが、休みの前に「予定を立てる」日を設けています。
そもそも、
・自分の宿題がどの程度の量があるのか感覚的に把握していない
・夏休みが何日あって、自分の予定(旅行など)がどうなっているのかわかっていない
・宿題1つ、1ページにつき、どれくらい時間がかかるのか把握していない
ことから、なかなか予定を立てるのは難しいだろうなと思っています。
ですが、中学校では定期テスト前もそうですが、課題を予定通りにこなしていくスキルは求められますし、
それができなければ、いつまでも「もうやったの?まだなの?」「いつやるの?」といった
保護者からの叱咤から逃れることはできません・・・・(-_-)
わたしは叱るのが嫌で・・・
「親に言われてできる」のは、自立とはほど遠いわけで、
やはり「自分で計画を立ててできる」ようになってほしい。
それには、最初から上記のような条件を踏まえた上で予定が立てられる子などほとんどいない、ということを理解しておかないと、
「予定立てたのに、なんで守れないの?」となってしまうだろうなあと思います。
ときどき「やんなさいって言ったのに、やらない」とか、「予定たてたのにやらない」と悩んでる保護者には、
「えーと、言っただけでできたら偉すぎるくらい偉いわけですよ・・・」と思っています。
それは大人側の理解というか配慮不足というもので・・・
子どもは、「さまざまな条件を考慮した予定」など、できなくて当然じゃないでしょうか。
やり方をしらなければ、できないでしょう。
やり方を誰かが教えなくては。
だから、小学校のうちは、大人と一緒に立てるのが大切じゃないのかな。
そしてもっと大切なのは、
「予定というのは、なかなか予定通りにいかないものだ」
という当たり前の事を、ちゃんと教えること!
予定を立てて終わり!
じゃないのです。
予定は・・・・・崩れます。
天気が良かったから急に海に行くことになった。
おばあちゃんが突然来た。
熱が出た。体調が悪くなった。
気分が乗らなかった。
いとこのAくんが遊びに来た。
そんなこと、いくらでもあるじゃないですか。
それを「予定通りにやんなさい!」というのは、これも柔軟性が欠けているわけで・・・・
(そもそも私が予定通りに仕事なんてこなせていたら今頃論文を何本書けているか・・・)
「予定を守ること」が目標になってはいけないのです。
・・・・そんなおそろしい予定、立てるのも嫌になってしまいますよ。
もっと大切なのは、
現実に合わせて柔軟に軌道修正をしながら、目標に到達することじゃないでしょうか。
ゴールに辿り着けばいいんですよ!
夏休みの宿題は、「全部終われば良い」んですよね!
別に今日やらなかったからって、全て崩れるなんてものじゃないですから、
予定は、
「崩れたら、見直せばいいんだよ」
ということも教えながら作ります。
そういう試行錯誤を繰り返すウチに、数年たてば、
自分の仕事スピードや、許容量、はかどる時間帯などもわかってくるので、
無理のない現実的な予定が立てられるようになります。
(たとえば「食後は頭が動かないから、思考しなくても良い作業ワークを入れる」など、
求められる仕事の質と自分の体の調子などと相談しながら宿題ができるようになります)
後で楽をするために、早めにがんばる、ということも覚えていきます。
自分のペースもつかめてきます。
子どもが将来、いろんな計画を実行するときに、
それを実現するために見通しを持って進めることができるようになってほしいな・・・・
そのために、夏休みの宿題を利用させてもらいましょう。
良い機会です。
具体的には、
① 夏休みの課題を1つずつ、子どもと一緒に見る
② 大変そうなもの(作文など仕上げに時間がかかるもの)、そうじゃないもの、になんとなく大別
③ カレンダーに既に決まっている予定を書き込む
④ 一日何時間くらい、課題に費やせそうか考えさせる(考えるだけで十分)
⑤ 各課題のページ数を確認する (国語ワーク36ページ、算数30ページ、ワーク40ページ・・・)
⑥ どのように振り分けたいか考える(科目ごとに順番に仕上げたいのか、全科目を満遍なく仕上げていきたいのか)
⑦ 課題ができる日に、課題のページ数を具体的に振り分けていく (「〜日までに算数仕上げよう!」など早めに仕上げる目標を立てても良い)
⑧ 1日分ごとに課題に「ふせん」を貼っていく(これが面倒ですが、1日分ずつやるか、1週間分ずつにするかはおまかせ。できたらはがす)
⑨ 課題に取り組む時間帯を決める
⑩ 課題がちゃんとこなせた場合の、ごほうびを考えておく(アイスクリームなど好きなモノ)
⑪ 課題がこなせなかった場合、どう対処するか考えておく(翌日仕切り直す、週に1日くらい調整日(何もない日)を作っておくなど)
スケジュールは、「絶対にこの通りにしなくてはいけない」わけじゃない。
でも、できたらえらいよね!
できなくても大丈夫、
「自分に合わせて調整していくもの」とし、仕切り直し、見直しを小まめに行います。
ここまでしておけば、
保護者は、「今日の分、できたあ?」と声をかけるくらいでOKです。
「まだ」という返事がかえってきたら、
「ふーん、いつするのん?」と、本人に尋ね、
「明日」とか「これから」などという返事をとりあえず「そうなのね。がんばって!」と引っ込みます。
だって自立させたいじゃないですか。
ただ、
明日になってもやっていない、その次の日もやっていない、
となったときは、SOSだと思って
「どうしてできなかったのかなあ・・・。」と尋ねます。
「やってないじゃない!怒」なんて言う必要ありません。
やっていないのは本人が一番よくわかっていますから。
ここで自己肯定感を下げさせてどうするんですか。
「できる男・女」になってもらいたければ、できるようになるまで伴走ですよ!
責めるだけ責めて、手を離してはだめです。
まだ応援が必要、というだけのことです。
「どうしたらできるようになるのか」の相談役に徹するだけです。
決めるのは本人です。
「うーん、わかんない」となったら、
「量がおおかったのかな」「しんどかったのかな」
など相談して、「これならできる」というところまで話します。
そこで、予定が毎日できれば誉めてはげまし、
修正できたらさらにはげまし、
ちょっとでもできたら「がんばったやん」とはげまし、
ごほうび(「えらかったね」の一言でも十分です)で努力に報います。
「自分でできる」ようになるまで、もうすこーし手を貸すのです。
「甘やかし」は、保護者がすべて管理してしまうことですが
(たとえば毎日のワークの量やスケジュールを親が指定してしまう)
そうではなく、「君ができるようになるのを信じてるよ。応援してるよ」という姿勢でホントに応援です。
子どもだから失敗していいのです。
子どものうちに失敗しましょう。
失敗したら、見直せばいいだけのことですよ。
数年後には、必ず手を離れて、自分で予定をたてるようになっていきます。
必ず育ちますから、目の前の失敗を見て不安にならないでほしい。
楽しみにしましょう!
【下:チャレンジ教室の子用の予定カレンダー】
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