風鈴の起源は、中国から僧侶が持ち帰ったものが青銅製の大きな「風鐸」であり、ガランガランという鈍い音には厄除けの意味があったらしい。その後小型化した風鈴にも呪術的な意味もあった、という。風鈴は、法然が「ふうれい」と名付けたことに由来すると言われている。
風鈴は、おわん型の「本体」を糸で吊るし、内側に鳴らすための「舌(ぜつ)」を吊るし、風を受ける「短冊」を吊るす。構造的には3つの部品と糸の4つである。その短冊にどんな俳句を書こうか、と俳を作る私は考えた。
風鈴の俳句としては「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 蛇笏」を思い出すが、風鈴の句はふさわしくないだろう。
「やれ打つな蠅が手をすり足をする 一茶」
「閑さや岩にしみ入る蝉の声 芭蕉」
「滝の上に水現れて落ちにけり 夜半」
とっさに思いついた夏の句を3句。上げ出したら切りがないのでこれ以上やめておくが、この中では、やはり一茶の蠅が面白いかなと、私は思った。あなたならどんな俳句を選びますか。
風鈴ではないが、風によって鳴るチャイム