一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

7  妻二タ夜あらず二タ夜の天の川  

2010年09月17日 | 

宇宙船から地球を見ると、夜の日本列島は煌々と輝いている。戦後の高度成長が進むに従い、次第に空が明かるくなり、今や日本から天の川を肉眼ではっきりと認識することは難しくなってしまった。全く残念でならない。温暖化や石油の高騰を云々するよりも、無駄な照明を消したらどうだろうか。

 さて掲句は、まだまだ日本が暗かっただろう時代の句だ。「妻が二晩留守だったが、その二晩素晴らしい天気で、天の川が良く見えた。」

 妻と一緒に見られなくて残念な気持ちと、どうしているのだろう、この天の川をかの地で見ているだろうか、という妻を思いやる気持ちもあるだろう。作者、中村草田男は、日野草城と共に愛妻俳句の名手。

 天の川と言えば、芭蕉の「荒海や佐渡に横たふ天の川」が有名だが、この愛妻俳句は平和と自由、男女平等など、時代が生んだ象徴と言えるかもしれない。


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