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My-boomよ、永遠なれ。

熱しやすく、冷めやすいお調子者のマイブーム日記…
いよいよ人生は佳境に“ラスト・クオーター・サバイバル”へ

GR-Dで星空に挑戦する・CD-1+は使いモノになるか?その3

2008-11-24 11:18:10 | スターウォッチ
連休中日で天気もまずまずなので、琵琶湖・湖東に位置する大中町の湖岸で星撮りです。

方角別に適切な撮影データを取る為に、かなり開けた場所での遠景撮影になりました。
結論から言うと方角別には細かな調整をしてもそれ程効果はありません。

<琵琶湖・北向き>ISO100,F2.4,60s,1.0X倍速

画面中央右上が北極星、中央下にコカブ(こぐま座)があります。北極星の左上に微かにカシオペアが見える程度です。
天の川など欠片も見えません。
画面左下の宙に浮いた光の塊はおそらくびわ湖バレイだと思われます。

当然、画面中央あたりは極軸延長上なので固定撮影でも星像は点になっていますが、広角での画角端では流れて撮れます。

遠景物はブレていてもそれ程違和感が無いのは夜間の遠景そのものがブレていても感覚的に気にならないからでしょうか?(これは私だけ?)

<琵琶湖・東向き>ISO100,F2.4,60s,0.75X倍速

内陸方面の地上は明るいです。
右側にオリオンに一部があり、中央はアルヘナ(ふたご座)、左上がカペラ、地上すれすれに奇跡的にプロキオン(こいぬ座) が見えます。

<琵琶湖・南向き>ISO100,F2.4,30s,0.5X倍速

この時期・時間(22時)でこの方角には特に派手は恒星は少ないです。

<オリオン>ISO100,F2.4,30s,1.0X倍速

南東に位置するオリオンとシリウスです。もう少し南天に来て地上との間隔が広くなった時がいい感じになったかも。
この後は急に雲が出てきて撤収することになりました。結果、東向きの撮影は出来ませんでした。

今回の総括を…

GR-D関連では
今回殆どの撮影をF2.4で行ったが、やはり開放値は辛く画像周辺では星像の歪みやピンボケが顕著である。
固定や0.5X倍速では星像はブレて判りにくくなるが、1.0X倍速では如実に出てしまう。
やはりF3.2からF4.0くらいは使いたいものだ。

夜露対策は完璧でした。周りは急激に冷え込んで夜露でしっとりしていますが、保護フィルターには何の影響もありません。
GR-DオプションのGH-1に透明フィルター(37mm径)装着したものにKendrick社製のヒーターパッドを巻き付けコントローラーのレベルを最大にしました。
風を送るファンはセット不要です。
コンデジのオプションでこの手のオプションが無ければ、星空を長時間撮影するのは困難かもしれません。

バッテリーは寒さで衰弱が激しいです。一応予備バッテリーを買い足して4個のバッテリーで対処するつもりですが、GR-Dをその都度赤道儀から外さないとならないのは面倒です。
念のためオプションのACアダプターとDC-ACインバーターを持って行くかも。…かと思ったがバッテリー容量が心配なので止める。

デジタル水準器は重宝してます。

CD-1+関連では
本体には何の問題もありません。と言うかGR-Dでの撮り方では問題が判らないと言うのが正確か?
ただ極軸望遠鏡は使いにくいです。上手く使いこなせていないのか…北斗七星やカシオペアの位置がピッタリ合っているか判断付きにくいのです。
面倒なので結局ガイド鏡で極軸合せをする事にしました。
今回は最初に極軸に近いレベルまでセットしておいたので、追い込む作業は15分ほどで終わりました。

その他
遠景で尚且つ星野撮影をするなら、撮りたい星像や星座と地上の間隔を広くした方が(特に市街地上空を使う場合)光害の影響を少なく出来て良いかもしれません。
また、CD-1も30sで撮るなら1.0X倍速でも大丈夫でしょう。

GR-Dで星空に挑戦する・CD-1+は使いモノになるか?その2

2008-11-20 18:10:47 | スターウォッチ
月や惑星を除いて夜空で一番移動量(見掛け上)の大きいのが赤道座標による赤道付近にある恒星です。
逆に極軸延長上にある北天・北極星付近の星は移動量が微細ですよね。

つまり撮る方角によって星も風景もブレにくい星野撮影をするには工夫がいるかも知れません。
今回はオリオンの一部やシリウスを南天近くで捉えていますので一番日周運動による星跡が長く出るものと予想しています。
この方角を上手く撮りきれればメドが付くかもしれませんね。

赤道儀の恒星時追尾コントロールを0.0X倍速(固定)、0.5X倍速、1.0X倍速で見てみます。
露出設定はISO100、F3.2、60sで行います。
<0.0X倍速>


<0.5X倍速>


<1.0X倍速>


この0.5X倍速は微妙ですね。シリウスは赤道より比較的低い所にあるので我慢出来るかもしれませんが、オリオンはほぼ赤道上にあるのでツライかもしれません。
<0.5X倍速全景>

風景は少しピントが甘い画像ぽくなっていますが何とか行けるかも…

ここで一段開けて設定をISO100、F2.4、30sにすると…
<0.5X倍速全景30s>

何とか許容範囲に収まる可能性があります。

取説には28mm(35mm判換算)で限界露出が約90~140秒…とありましたが、GR-Dの場合では赤道付近を捉えるなら30秒が限界で、北天付近を捉えるなら60秒でも使えるかもしれません。
む~、この辺が限界になるのかな?

ならばと少し強引だがコントローラの操作で変速の倍速に挑戦してみます。
基本設定はISO100、F3.2、60sとして
0.5X倍速(30s)+1.0X倍速(30s)→0.75倍速では如何か?
秒読みは単純に時計を見ての手動です。
<0.75倍速全景>

空気も澄んできたせいか結構な星が写るようになりました。
1.0X倍速では右側ビル外観の縦ラインにブレが結構目立ちますが、この合成倍速では余り目立たなくなりました。

ここはやはり0.0X倍速(固定)、0.5X倍速、1.0X倍速に加えて0.25X倍速と0.75X倍速を追加してもらうとかなり使えるのではないでしょか?
もっともこの手の機械モノに精通している方なら自作しそうですね。

さて、次のステージは実践の撮影に出ることにします。次は光害を気にしなくてもいいので近所でいいかな?

GR-Dで星空に挑戦する・CD-1+は使いモノになるか?その1

2008-11-20 13:01:58 | スターウォッチ
今回は超手抜き、室内からの撮影でCD-1+のテストを行うことにしました。何せチョ~寒いもので…
CD-1+そのものの赤道儀としての基本的な性能や0.5倍速の使い勝手と限界露出を検証します。
また、基本的なGR-Dが星空を撮るのに最適なデータ探しをします。

セッティングと極軸合わせ
<ガイド鏡セット>

当初は雲台にマンフロット 410を載せる予定で調整しましたが結果却下しました。
ガイド鏡を使っての極軸合わせの時には中々使い勝手は良いのですが三脚との固定部分(ベースの微動マウント)から接眼部まで距離があり作業時にブレが発生します。
そして、カメラを任意のアングルで水平出しするのが大変です。小さなビデオ雲台と併用すると解消出来ますが更にブレ易くなる可能性があります。

そこでスリックバル雲台に戻し、ガイド鏡(ミニボーグ50)に小さな微動雲台を追加しました。この雲台は稼動範囲が狭いのと精度と造りがイマイチなのですがお手軽コンセプトには最適です。
更に三脚(ビクセンHAL-110)と微動マウントを繋ぐのに雲台アダプター(ビクセン)に変更しさらに安定性を出しました。

窓は南向きなのでコンパスグラスを使って北を探しますがどうやら室内ではこのコンパス精度は出ません。
それでも何とかガイド鏡を南天近くまで向け恒星追尾方式を始めます。
緯度の精度を高めるために東空を見たいのですがそれも出来ないのでレベルメーターで35度にします。

<ガイド鏡アダプター・レチクル>画像拝借

ガイド許容範囲はミニボーグ50(f250mm)を使うとレチクルの一番小さい円を使用したときには約200mmの許容となるので今回は十分だと思われます。
約一時間かけて極軸を追い込んで10分間以上中心に捕捉していますのでガイド鏡とGR-Dを交換します。

<GR-Dをセット>

当初と比較してもかなりコンパクトになりました。レリーズも取り付けます。

<Action Level>

今回の撮影で何が一番重宝したかと言うとデジタル水準器です。GR-D2にはその機能があるのですが初代GR-Dでは水平インジケーターの代りになります。
赤道儀が動いている間、徐々に水平は失われて行きますので2~3カットの度にチェックし補正します。

ほぼ南に向けたカメラがシリウスを捉えたらいよいよテスト開始です。
今回は基本露出をISO100、F4.5、シャッタースピード120秒に設定しました。
<120s:F4.5:1.0X倍速>

当然、赤道儀動作中の風景は流れます。しかしこんな田舎の市街地でも明る過ぎです。

まずはISO感度別によるノイズと星解像度を比較します。(ピクセル等倍)
<ISO64>120s:F3.2


<ISO100>120s:F4.5


<ISO200>15s:F2.4

厳密な露出合わせをしていないので、明るさが異なります。
ほとんどノイズの差異はありません。
ISO64でも露出時間を長く取ればそれなりに写りそうです。

絞りによる星の見え方の変化(ISO100)
<F4.5>120s


<F3.2>60s


<F2.4>30s

やはりF2.4にすると星の形が歪になるようだ。出来ればF3.2以上で撮るのが良さそうだ。

基本的なテストが終わったのでいよいよ赤経軸コントローラーの倍速変化のテストです。

目指すモノは星野撮影か星景撮影か…

2008-11-18 21:01:40 | スターウォッチ
いままでは星空+風景は単純に星野撮影と言うものだと考えていましたが、実際には星景撮影というのも風景+星空であるとの記述を読みました。

あえて「星空」と「風景」を前後させたのには訳があります。
星野撮影とは赤道儀に載せて日周運動をキャンセルさせて撮ったもので、星景撮影は三脚で地上風景を固定撮影し、星空に日周跡を残したものだそうです。

ある意味、星景撮影とは夜景撮影の延長なのでしょうか?
カメラがフィルム全盛期の時代から存在していたようで、よく日周運動での星跡を撮るのに何十分もバルブ状態で撮影をされたものを見たことがあります。

現在のようにデジタルカメラが中心だとそんなに長い露出時間をかける訳には行きません。
冷却CCDのような冷却システムがあれば低ノイズ化も可能ですが、通常の一眼デジ(当然コンデジも)では数分~7・8分が限度でしょう。ISOも800~1600位が普通ですよね。
<M42>

これは星を撮り出して半年位した時に自宅ベランダから撮ったもので、EOS20a+ミニボーグ60EDでRAWにて3分×4枚、12分×4枚をコンポジットしデジタル処置したものです。
ノイズやCMOSゴミの除去にダーク減算やフラット補正処理もしていますがいずれにしても露出時間はこれが限度でしょう。

風景を撮るのに長時間かけると完全な露出オーバーになるのは明白です。露出を絞れば星は写りにくい状態になります。
現在、デジカメで星景撮影をするには短時間露出×複数枚=コンポジット処理というのが主流みたいです。撮る枚数も半端ではなく数百枚という方もおられます。

無理は承知で単純にコンデジで「流れない星」いっぱいと「風景」を収めたいのです。それも出来るだけお手軽に!

そしてその妥協案として…
<CD-1C+>画像拝借

をチョイスしました。
この「0.5X」倍速がキモです。つまり許容範囲内で「星」も「風景」も流れているのだけれど分かり難い撮り方ということです。

逆に言えば使えないヤツになる可能性もあります。(涙)

取説には28mm(35mm判換算)で限界露出が約90~140秒とほぼ2分は行けそうです。またワイコンで21mmにすれば3分位まで行けそうなのです。

今度は「0.5X」倍速のテストも行うことになりそうです。

GR-Dで星空に挑戦する・赤ポタCD-1+に載せる

2008-11-15 00:42:51 | スターウォッチ
夜空を撮り始めた時に最初に購入したのがビクセンのGPガイドパックですが、いろいろ弄って行くと普通のGPになってしまいました。
それでもコンパクトな方だと思うのですが、GR-Dを載せるには余りに下太りと言うかゴッツイです。
今後の主な撮影スタイルを発展させても一眼デジ(EOS 20D改や35フルサイズ)に広角やせいぜい200mm望遠くらいまででの星空や星野構図になります。
そこで更なる軽量システムを構築することになり、幾つかメーカーのモノを比較した結果アイベルのCD-1+(プラス)に決まりました。
選択理由は価格面とモーターがビクセン製でGPとの共通面・規格が多くいろいろ融通が利くのです。
そして0.5倍速付コントローラー仕様と言うことで星野撮影には最適かもしれないと判断したからです。

アイベルで購入したものは…CD-1+(プラス)36,800円、アングルプレート3,980円、極軸望遠鏡9,800円です。
いろいろなセットアップを考えおおよそ決まりました。

持ち運びの基本形は拳銃やカメラ類に適任と言われる「PLANO社製Protector 1404」にしました。
<CD-1セットケース>

GR-Dに関連するものと、三脚以外ほとんど入っています。

システムをコンパクトにしても三脚の手抜きは厳禁です。
<三脚&アダプター>

ビクセンHAL-110にカメラネジ3/8インチネジ変換アダプターと1/4インチネジ変換アダプターを使用。
※変換アダプター類はどうも廃盤のようですが、別製品が対応していそうです。

大雑把に北に向けてセット。
<セット1>


CD-1自体を受け持つ微動マウントをほぼ真中にして…
<セット2>


アングルプレートに取り付けたレベルで三脚の水平を出します。
<レベル>


雲台はマンフロット 410を搭載。
<雲台セット>

前回までの撮影はスリックバル雲台(自由雲台)を使っていて問題ありませんでしたが、今後ガイド鏡も使う場面もあるかもしれないのでコレにしました。作りは頑丈ですが重いス。

これから極軸合わせの為の準備をします。

CD-1を大よそ正確な北に向けるために石神井計器製作所製のコンパスグラスを利用します。
このコンパスを極軸望遠鏡に取り付けるために少し削ったり、ボーグのパーツを利用しています。このツールはGPの極軸望遠鏡やガイド鏡に利用するために作りました。CD-1用の極軸望遠鏡に取り付けるためにビニールテープ(緑色)で太さを調整しています。
<コンパスグラス>

<コンパスグラス取り付け1>

微動マウントを使って0度に合せればかなり正確な北を向きます。
<コンパスグラス取り付け2>


レベルメーター(新潟精機)を使って極軸に緯度を大よそ向けます。
<レベルメーター>

撮影場所の緯度に合せればいいので、ここでは35度にしました。車にカーナビがあれば詳しい情報が得れますし、昭文社ツーリングマップルにも緯度が記載されていますので四捨五入の度単位で十分です。

ここまですると極軸望遠鏡(もちろんアライメント済み)の何処かには北極星が導入されているはずです。

CD-1の電源は「MyBattery PRO」でコントローラーCD-1C+と共にストーンバッグに入れる。
<コントローラー&バッテリー>


EOSや極望、ガイド鏡にはアングルファインダーがあると便利です。特に股関節や腰が悪い小生には必需品です。
<アングルファインダー>

光映舎のオリジナル(キヤノン純正のアングルファインダーを加工)でSP/GP赤道儀用を使用しました。これもいい値段しますが助かります。
<極軸望遠鏡に取り付け>


ガイド鏡をセット。
普段GR-Dで撮る分にはシビアな極軸合せは必要ありません。極端に言えば上述した内容でも十分だと思われます。
更に極望を使ってやれば標準レンズでも問題無いと考えています。
さすがに100~200mmレベルの望遠を使用するなら極軸合せを追い込む必要があると思います。
<ガイド鏡>

コンパクトなミニボーグ50を使います。
CD-1に電源を入れ一倍速にして25mmアイピースで南天辺りの恒星を真中に導入します。

<ガイドアイピース>

次にガイドアイピース(アストロ光学 HE-Or4mmGE 24.5mm・廃盤)に入れ替えます。これは十字のレチクルがLEDで浮かび上がるのでその中心に恒星を導入します。
最初のアイピースとは焦点が異なっていますので素早く合焦させます。

ここから恒星追尾方式(正式な呼称は分かりません)で鏡軸合わせを追い込みます。
その方法は割愛しますが、この方法をマスターしておくと撮影時に北極星が使えない時、例えば南向きのベランダから撮るときに重宝します。
<ガイド状態>

この時マンフロット410は微動台としての能力を発揮します。

GR-Dをセットします。ガイド鏡と取り替える時には慎重にしましょう。マンフロット 410のカメラプレート・セット時のレバーショックはかなりのものなのでビビリます。

<GR-D搭載>

星野撮影時はなるべく構図が水平に近い方がいいのですが、この点だけだと自由雲台の方が操作しやすいかもしれません。

<GR-D搭載・縦位置>

この方が使い易いかもしれない。

夜露対策
前回のテスト撮影時にも問題になった夜露対策を幾つか考えたが、こればかりは実践で使わない限りその成果は何とも言えませんが取り合えず紹介します。
<夜露対策全貌>

夜露対策の切り札的な存在はヒーター・システムです。
これをGR-DオプションのGH-1に透明フィルター(37mm径)装着したものに巻き付ける。
そして、パソコンの冷却ファン「Spot Cool」をクリップ付き小型自由雲台に取り付け、更に電源をシガーソケット用に改造したものを取り付ける。

<夜露対策システム>

このファンには青LEDが光るようになっているのだが、迷惑な機能なので車用のリペイントで塗り潰すことにしました。

<ヒーター・コントローラー>

Kendrick社製のヒーターパッドとTHOUSAND OAKS OPTICAL社製コントローラー(いずれも国際光器)

電源はポータブル電源Meltec SG-1000。
<ポータブル電源>


大体、こんな感じで実践に突入しようと思っています。

最後に星空撮影の必需品としての逸品を紹介します。
<SUREFIRE>

シュアファイヤーは欧米の警察・SWAT・軍隊などで正式採用されている超ハイパワーフラッシュライトです。
この中でも小型で使い易いL2-HA-WH(左)とL1-HA-RD(右)を現場に持って行きます。
特にL1は赤色なのでカメラ周りや赤道儀の調整には便利です。これを口にくわえて作業すると微妙な所まで照らすことが出来しかも両手が使えます。

さ、この新システムでいつ出撃できるかな…。

GR-Dで星空に挑戦する・ISO比較

2008-11-05 20:44:50 | スターウォッチ
夜空の撮影場所が自宅から車で30分足らずということで、比較的気楽に現場に行けるのが助かります。
ま、酒を呑んでウダウダしていることを考えればリーズナブルでしょう。

月が完全に沈むのが10時過ぎなので、それから準備しはじめます。
今回はISOのテストと光害フィルターのテストを行いました。
撮影対象はオリオン座です。まだ東方から出て来たばかりで光害の影響を受けています。本当は深夜の2時くらいの南天に達した方が条件は良いのですが0時半頃には薄曇になってきましたので撤収しました。
露出はF2.4のみで、撮影後の画像処理は加えていません。

<オリオン・ISO200>

通常はこの感度をメインにしようと思っています。
地平線に近い(低高度)場所では光害の関係で使えませんが、天頂付近(高高度)では条件によっては十分でしょう。

<オリオン・ISO100>

撮れる星等級が少なくなりますが、場面によってはこちらもありか…。

<オリオン・ISO64>

当然ノイズが少なく漆黒さが一番あります。天の川とか星雲を撮るより大きな星座を抜き出す様な撮り方には良いかも。

<オリオン・ISO400>

一枚画像で見せるには余りにツライものがあります。画像処理を前提にするのであればこれでも使えないことも無いかも。
風景の影部分でも分かるようにノイズはISO400以上になると急激に酷くなります。

天頂付近での比較
<ペルセウスISO200>

明るさやコントラストを調整すれば良い感じに仕上がりそうです。
M31の渦巻きを若干ながら捉えています。

<ペルセウスISO100>

天の川を識別するには辛いかもしれません。
カシオペアやペルセウスを見れば分かり易いですが、3~4等星は十分に撮ることが出来ます。

光害フィルターについて
光害の基となる水銀灯やナトリウム灯の輝線をカットし、その他天体からの光は極力透過する特性を持っているのが光害カットフィルターと言われるものです。
これらは干渉フィルターとも言われカメラへの光の入り角度によって効果どころかカラーバランスを壊してしまうこともあるのです。
従って広角レンズでは使えないことはある程度わかっていましたがテストしてみました。
<IDAS LPS-P2フィルター>


<Astronomik CLSフィルター>

二点ともものの見事に周辺のバランスが壊れています。

日本は温暖湿潤な気候のため、年を通じて諸外国と比べて湿度が高く、夜間の天体撮影では夜露のいろいろな弊害が出てきてしまいます。
今回も夜露でしっとりとやられました。撮影以外の時はカバーをかけたり、ブロー・スプレーでこまめに吹き飛ばすのですが180秒ではやはり曇ります。
撮影画像の周辺部が少しぼんやりとピントが合って無いように見えるのが夜露による曇りだと思います。
望遠ならフードがあるとある程度防ぐことが出来ますが、広角のフードでは殆ど役に立ちません。
これの対処としては幾つか方法があるのですが、これを考えると装備が増えてお手軽星野撮影にならないのですが…。
次回は夜露対策を講じて参ります。

GR-Dで星空に挑戦する

2008-11-03 19:47:58 | スターウォッチ
最近少し遠のいている夜空の撮影ですが、今回久々に挑戦することにしました。
9月に奈良の大台ケ原近くにある和佐又山キャンプ場では三脚にカメラを固定させただけの簡単な撮影でしたので、今回は星野赤道儀(ビクセンGPガイドパック改)に載せることにしました。

赤道儀を簡単に説明すると地球は極軸(南北軸)回転しているので、夜空は北極星を中心にして回っているように見えますよね。
これを同じように極軸に向けてゆっくり回転させて搭載したカメラで星を追尾させるのです。
夜空を撮影するには長時間の露出が必要ですが、赤道儀に搭載されたカメラはずーと同じ星空を撮影することが出来るのです。
実際には細かな設定や準備が必要なのですが、広角レンズでの星野撮影ではそれ程シビアになる必要はありません。

GR-Dで星野撮影を挑戦する訳は、最近ではツーリングやキャンプでの撮影のメインがGR-Dであり、かなり優れたコンデジであることが大きいです。
これと比較的コンパクトな赤道儀を合わせて風景と夜空を気楽に撮りたいと考えているのです。
本格的な撮影であればEOS-20a改と天体画像専用ソフトでかなりのモノが撮れる可能性はあるのですが、機材の準備や労力が大変ですので最近では気が重いのが現状です。

撮影場所は車で30分くらいの所にある某ダム湖の畔です。
夜空は完全なピーカンとは言えませんが、薄雲が流れている間げきを狙っての撮影ですが11時頃からは完全に曇り空になってしまいました。
2、300mm以上の望遠で天空の一部分を切り取るように撮影する場合では多少の光害でも何とかなります(フィルタ操作など)が、GR-Dの様な広角26mmでは光害の影響をもろに受けてしまいます。
撮影場所の西方の市街地上空は使えません。この時期、天の川は東西に跨いでいるので実際に撮影に使える空は北~南東くらいまで天頂付近となります。

東の空にはぼんやりとした星雲がスバルです。
画面左上からアルデバランにかけて天の川を薄っすら捉えています。

180秒バルブなので風景は流れています。
<スバル拡大>

ピクセル等倍

ほぼ天頂に向けて。画面の左右にカシオペアを跨いで天の川がこれも薄っすらと見えます。

撮影現場ではアンドロメダ大銀河が写っているとは思いませんでしたがさすがGR-Dです。
<アンドロメダ拡大>

ピクセル等倍

撮影を切り上げる時には東の空にオリオン座やM42が見え初めてきました。今度はその辺りの南天を綺麗に撮れれば最高ですね。

もともとGR-Dによる夜空の撮影は向いていないように思います。
今回はISO200で撮っていますがこれ以上に上げるとノイズが酷くなります。出来れば開放F2.4を使わず一段くらい絞れれば星が更に丸く取れるのですが判断が難しいですね。

もっとロケーションが良くてピーカンであれば天の川が重厚に写るはずです。次回に期待しましょう。
フォトショップで少し明るさとコントラストを調整しています。(ピクセル等倍は無加工)

GR-Dはシャッタースピード(今回180秒)と同じ時間をかけてノイズリダクションをしています。そしてメモリへの書き込みと結構ヘビーに電力を消耗しています。
バッテリーの消耗が激しいので予備バッテリー1個では厳しいかもしれません。

もっと手間ひまかけてRAWで撮影し、数枚の画像をコンポジットしたりダークノイズ減算処理などすればそれなりの作品は出来ると思いますが、GR-D星野撮影のスタイルは出来るだけ手抜きで手軽な撮影を目指していますのでしばらくはこんな感じですね。

新しい撮影基地は見つかったが…

2006-06-25 01:56:08 | スターウォッチ
車で30分の撮影基地として日野の蔵王ダム駐車場は広角レンズで狙うには光害が気になる。特に南から西にかけては辛いものがある。
そこで、ここ1ヶ月位かけて三重との県境にある甲賀の山中、岩尾山キャンプ場の近くで最適地を発見。車で1時間で行けるのでここ3回ほどカメラを持って行くが雲が出てきてNGである。
もうダメもとでEX-P600で感じだけ掴むことにした。木星とアンタレスでこんな感じ。もう少し東側に振れば天の川があったのだろうけどそこまで持たなかった。
蛍が飛んでいたので狙ったがこれも不発である。

ちょっと話題を替えて

2006-06-16 20:30:54 | スターウォッチ
望遠鏡でもカメラレンズでもピント合わせという作業は避けて通れない。特にデジタルカメラを使うとシビアになる。
現在は電動フォーカサーという機械でその作業を行う訳で0.05mm単位で焦点距離を変化させる。実際にはもっと小刻みに動かすことは可能だが効率と効果を考えると余り意味がない。
このフォーカサーをPCソフトでコントロールして自動的にピントを合わせる。

3ヶ月ほど前に米国JMI社製の電動フォーカサーをPCでコントロール出来るように改造をした。その経過でどうもネジを締め過ぎ中の重要な部品を壊してしまった。
米国への製品の注文は何回か直接したことがあるが、修理部品の注文は初めてで困った。
そこで写真付きのメールで注文、通じるかどうか不安だったが何とか一ヵ月後に無事にその修理部品は届いたのである。熱意があれば通じるのだ。
大層なハナシではありません。

梅雨の合間にプチ遠征

2006-06-15 22:58:34 | スターウォッチ
ここ二日ほど雨模様だが、その前一日だけ晴れ間が覗いた。でも月夜である。ステナビのシュミレーションでは22時ごろに月が顔を出すらしい。

さあ機材を車に積んでいつもの蔵王ダム(日野町)へ出撃だ。
今回のテーマ10日後位に出てくる天の川を撮るための事前練習。そのため北極星の少し上、りゅう座あたりを狙う。目印に画面右端にベガを入れた。もう少し左端まで入るとミザールまで入ったのだがそれは無理であった。

カメラレンズはSIGMA 20mm F1.8 EXをF2.8で撮った。F4まで絞らないと周辺像は使えないのは分っていたが明るさを優先した。
そして長時間露出をやめて短時間(1分)多枚数で合成現像をするつもりだが…撮り始めて20分もすると東方から明るくなり始めた。
無理して30数枚撮ったがおそらく最初あたりしか使えないと思った。そして23時に撤収。駐車場にはアベックらしき車が二台あったが大人しくしてくれていたので助かった。