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【1004/105:県財政難】県立短大跡地 売却へ三度目の正直 /財源“切り札”景気不安

2010-04-14 17:36:50 | Weblog
【写真:旧県立短大農業部の跡地=草津市西渋川2丁目】

 180億円を超える財源不足に対応するため、県は今年度、「未利用の県有地では最も高額」とされる旧県立短大農業部の跡地(草津市西渋川2丁目)の売却に乗り出す。資産価値はこれだけで30億円程度とみられ、収入確保の切り札だ。ただ、県が売却をめざすのはこれが3度目。景気低迷が続く中、買い手探しには不安がつきまとう。(大高敦)

 県立短大農業部は1996年、前年の県立大(彦根市)のオープンに伴い閉学した。キャンパス跡地はJR草津駅に近い住宅地にあり、面積は4万8800平方メートル。阪神甲子園球場(3万8500平方メートル)がすっぽりと入る。

 県の財政担当者は「立地がよく広さもある。現在、処分できる県有地の中では最も資産価値が高い」と言う。今年3月の公示地価では、跡地から1キロ以内の場所にある同市内の住宅地が8年連続で県内の最高価格をつけた。

 しかし、好立地にもかかわらず、閉学から10年以上たっても跡地の活用法は定まらない。古びた校舎やグラウンドがそのまま残り、映画「パッチギ!」(05年公開)の撮影などロケ地として人気を博したこともあったが、管理上の問題から最近ではこうした貸し出しもやめてしまった。

 県は07年度、民間への売却をめざして跡地活用の企画提案を募った。短大キャンパスだったことから「高等教育機関や研究施設」という条件をつけたが、応募は1件だけ。その応募も条件を満たしていなかったという。

 翌08年度も売却を試みたが、「今度はリーマンショックに巻き込まれた」と担当者。最低価格を31億9千万円にした総合評価一般競争入札で応募は2者にとどまり、希望にかなう提案はなかった。県はこの年、跡地の売却収入を得られず、景気悪化で県税収入が落ち込んだことから126億円の減収補填(ほ・てん)債を発行した。

 「三度目の正直」をめざす今年度は、主に宅地開発を念頭に跡地の購入業者を探す方針だ。08年度の入札では、まちづくりの目標として「既存の緑地をいかす」「子どもや高齢者が安全・安心に暮らせる環境」などを掲げたが、担当者は「条件を大きく変えることはない」と言う。「地価が下落しているという情報もあるが、駅前立地をアピールして何とか売り込みたい」と話す。

〈キーワード・県の財源不足〉 景気悪化で企業からの法人税などが大きく減り、今年度の県税収入は過去20年間で最低の1202億円(対前年度比18.6%減)にとどまる見通し。県は今年度予算で187億円の財源不足が生じると試算。これら不足分を補うため、県有地の売却(34億円)や、県の貯金にあたる基金の取り崩し(29億円)、県債の発行(60億円)などのやりくりで歳入を確保する。歳出でも昨年度と比べて54億円分の事業を削るが、県有地売却が不調に終わったり、景気悪化が進んだりすれば、さらに対応を迫られる。

【関連ニュース番号:0904/98、09年4月12日;0902/60、09年2月7日;0808/83、8月13日など】

(4月14日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001004140004


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