■独自取り組みに意欲 /滋賀
高島市立今津図書館(坂川道雄主監)が利用者向けの蔵書案内パンフレット「闘病記リスト」を作成し、「ガン編」と「生活習慣病・認知症・エイズなど編」の2種類をロビーに置いている。無料。高齢化が進み、健康や病気への関心が高まっていることから、同図書館が独自に取り組んだ。公立図書館の「闘病記リスト」作成はまだ多くなく、今津図書館のサービスは注目される。
今津図書館は体育館を思わせる建物で、蔵書は約12万8000冊。人口規模を考えると充実しているという。坂川主監によると、鳥取県立図書館(鳥取市)が06年に「闘病記文庫」(1100冊)を館内のコーナーとして設置したことを知ったのがきっかけ。今津図書館は「コーナー設置まではできないが、リストアップなら」と、一昨年秋に取り組んだ。
「闘病記リスト」はがん49冊、認知症17冊、うつ病9冊など36分野(病気)に分けて計176冊を掲載している。リストアップされている本はすべて職員が目を通し、極端に主観的な内容のものは外しているという。
今春には、“五月病”を意識して「心がふっと軽くなる本」を数冊紹介するパンフレットも作った。リストアップした本が並ぶ書架は、本の“乱れ具合”から、閲覧が増えたと判断できるという。
坂川主監は「地域の保健センターに重い病気を患う人の家族から相談もある。図書館は本を集めるだけでなく、利用者のニーズを意識することも重要。住民の心の支えとなり、1人でも多くの人の力になれれば」と意欲的だ。リストの残部も減ってきたため、同図書館はリストを改訂して新著も盛り込みたい考えだ。問い合わせは同図書館(0740・22・3827)、木曜休館。【塚原和俊】
【関連ニュース番号:0905/220、5月27日;0902/111、2月13日】
(5月27日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090527ddlk25040462000c.html