滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0905/28:外国人労働者失職】狭き再就職、日本語壁に /滋賀で急増、「雇い止め」外国人

2009-05-04 21:35:14 | Weblog

【写真:県が設けた求職者総合支援センターで相談する外国籍住民ら。4カ国語の通訳が対応している(4月27日、大津市梅林1丁目)】

 昨秋以降の急激な景気悪化の影響を受け多くの失業者が出ているが、滋賀県内に多い外国籍住民たちの実情はとりわけ深刻だ。再就職先探しも日本語能力が壁となり、ハローワークでも外国人向けの求人は極めて少ない。支援者らは「派遣先の住居を退去させられ、住居問題への対応も必要になっている」と訴える。

 ■3月の求職 前年の10倍、決定は1けた

 「なかなか仕事が見つからない」。4月30日午後、ハローワーク草津に職業相談に訪れた50代のペルー人男性が嘆いた。

 同ハローワークでは3月、求職に訪れた外国人が前年同月の約10倍の約300人に増えた。うち就職できたのはわずか1けた。黒川晃輔所長は「雇用全体が縮小しており、仕事を紹介できないときもある」と話す。

 滋賀労働局の調査では、08年10月-09年3月に県内のハローワークを訪れた外国人の新規求職者は長期雇用に限っても3700人余りにのぼる。県内の外国人登録者は約3万2000人で離職者はかなりの高率になる。

 外国籍労働者は製造業の派遣や非正規雇用が多い。同労働局が行った県内事業所の聞き取り調査によると、08年10月-09年6月に実施済みか予定の非正規労働者の「雇い止め」は、近畿6府県で最多の5800人余りにのぼり、外国人の雇用環境の厳しさがうかがえる。

 ■景気悪化の影響深刻、住居の問題も

 外国籍住民は日本の製造業の足元を支えてきた。彼らを支援しようと、官民がそれぞれに支援に乗り出している。滋賀県は3月に求職者総合支援センターを開設。4月からスペイン語やポルトガル語、中国語などの通訳を配置し、外国人の相談にも応じている。

 派遣切りされ、家族で友人宅に身を寄せるペルー人女性(42)は同センターで相談し、事業所の面接を受けられるようになった。「スペイン語で話せて安心できた」と喜ぶ。

 日本語が話せず、仕事が見つからない外国人は依然として多い。県の緊急雇用創出事業は本年度、約500人の雇用を生み出す予定だが、一定レベルの会話や読み書きを必要とする職種がほとんどで、緊急雇用対策室は「日本語を話せないと受け皿になりにくい」と打ち明ける。

 民間33団体でつくる「しが外国籍住民支援ネットワーク」(事務局・草津市)は再就職の際、日本語能力が求められることから、ボランティアの協力で日本語教室を開設した。喜久川修事務局長(59)は「外国籍住民は集団で雇用されて、あまり日本語を必要としなかったが、今は状況が違う」と話し、日本語指導者の不足も課題に上げる。

 また「派遣先の住居を退去させられる人が相次いでいる。雇用と同時に住宅問題への対応が迫られている」と、住宅問題も深刻化していることを訴える。

【関連ニュース番号:0903/08、3月2日;0904/48、4月5日など】

(5月4日付け京都新聞・電子版)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009050400024&genre=C4&area=S00

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