◇「財政悪化」「医療改善まだ」--自民、共産
◇「実現への努力、県民評価」--民主など
県知事選の告示(24日)を2週間後に控えた6月定例県議会で、嘉田由紀子知事が掲げたマニフェスト(公約)を巡る論戦が展開されている。自民、共産の両会派が未達成の公約を追及する一方、知事与党の対話の会・びわこねっと、民主の両会派は実現した公約を前向きに評価し、次期公約にエールを送る。一般質問は6月11日まで行われる。【安部拓輝、南文枝】
自民党・真政会は嘉田知事の財政再建策について「結果的に借金が増え、逆に悪化している」として公約の課題をただす立場。生田邦夫議員は医療政策について「救急医療も看護師不足も改善されていないのにA評価はおかしい」と指摘。ダムや新幹線新駅の建設をストップさせたことは「中止後の具体策を示さなかったため、地域の対立をあおった」と批判した。共産党の森茂樹議員は、県教委が県立高校の統廃合を検討していることに触れ「知事は『再編はしない』と言っていたのに、公約はうそだったのか」と問いただした。
一方、民主党・県民ネットワークは「公約実現のため努力する姿勢は多くの県民が認めている」と評価。知事の公約を支援する対話の会・びわこねっとの沢田享子議員も次期公約について「もったいない公約から県民の声を聞く公約に方針を変えた。期待している」と述べた。
嘉田知事は5月末に自身の公約を自己評価。大型公共事業の見直しや財政再建、産業・雇用、教育・福祉などの達成度をA~Dで示し、ホームページで公開している。
知事選には前衆院議員の上野賢一郎氏と、共産党県委員会などでつくる「明るい滋賀県政をつくる会」が推す前県労連議長、丸岡英明氏が立候補を表明している。
(6月11日付け毎日新聞・電子版:同日付け京都・電子版なども報道)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100611ddlk25010504000c.html
【知事マニフェスト自己達成度で論戦 / 県会、議員側は評価UPに疑問】
【写真:嘉田知事のマニフェスト自己評価について論戦した滋賀県議会の一般質問(大津市・県議会本会議場)】
滋賀県議会は6月11日、3日間の一般質問を終え、嘉田由紀子知事が5月末に公表した1期目4年間のマニフェスト(公約集)達成度の自己評価をめぐり論戦を繰り広げた。議員側は自己評価を前年より引き上げたことについて疑問や矛盾を指摘、嘉田知事は「総合的に勘案している」などと主張した。
自己評価は嘉田知事自らが、マニフェストに盛り込んだ3項目の緊急提言と40項目の政策提案について、達成度の高い順にA~Dで評価。一定の成果が出たとする「B」以上が計33項目に上った。
11日の一般質問では、清水鉄次議員(対話の会・びわこねっと)が総合的な自己評価を質問。嘉田知事は「一定、皆さんとの約束を果たせた。すべての項目で十分な結果が残せなかったことは真摯(しんし)におわびする」と述べた。
同日までの一般質問では、知事が実施困難と認めた「全小中学校での35人学級実現」の項目を「B」としたことに、家森茂樹議員(自民党・真政会)が「明らかに未達成だ。おかしい」と指摘。嘉田知事は「少人数学級の学年数を拡大した。財政難の中で(教育の)質を高める工夫をした」と反論した。
「高校の統廃合は行わない」とした県立高の体制整備をCと評価したことについては、森茂樹議員(共産党県議団)が、県教委がまとめる再編計画に統廃合が盛り込まれる可能性を挙げ、「明確なマニフェスト違反だ」と追及した。知事は「教委の検討結果を受け、知事として必要な判断をする」と述べるにとどまった。
新規の企業誘致が目標の100社を超えたなどとしてA評価とした「企業誘致と雇用の増」では、生田邦夫議員(自民党・真政会)が「倒産件数は立地件数を上回っている。Aは納得できない」と疑問を示したが、嘉田知事は「経済情勢や雇用環境が厳しいのは認めるが、評価はあくまで数値が達成できたかどうか」と理解を求めた。
(6月11日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100611000167&genre=A2&area=S00
◇「実現への努力、県民評価」--民主など
県知事選の告示(24日)を2週間後に控えた6月定例県議会で、嘉田由紀子知事が掲げたマニフェスト(公約)を巡る論戦が展開されている。自民、共産の両会派が未達成の公約を追及する一方、知事与党の対話の会・びわこねっと、民主の両会派は実現した公約を前向きに評価し、次期公約にエールを送る。一般質問は6月11日まで行われる。【安部拓輝、南文枝】
自民党・真政会は嘉田知事の財政再建策について「結果的に借金が増え、逆に悪化している」として公約の課題をただす立場。生田邦夫議員は医療政策について「救急医療も看護師不足も改善されていないのにA評価はおかしい」と指摘。ダムや新幹線新駅の建設をストップさせたことは「中止後の具体策を示さなかったため、地域の対立をあおった」と批判した。共産党の森茂樹議員は、県教委が県立高校の統廃合を検討していることに触れ「知事は『再編はしない』と言っていたのに、公約はうそだったのか」と問いただした。
一方、民主党・県民ネットワークは「公約実現のため努力する姿勢は多くの県民が認めている」と評価。知事の公約を支援する対話の会・びわこねっとの沢田享子議員も次期公約について「もったいない公約から県民の声を聞く公約に方針を変えた。期待している」と述べた。
嘉田知事は5月末に自身の公約を自己評価。大型公共事業の見直しや財政再建、産業・雇用、教育・福祉などの達成度をA~Dで示し、ホームページで公開している。
知事選には前衆院議員の上野賢一郎氏と、共産党県委員会などでつくる「明るい滋賀県政をつくる会」が推す前県労連議長、丸岡英明氏が立候補を表明している。
(6月11日付け毎日新聞・電子版:同日付け京都・電子版なども報道)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100611ddlk25010504000c.html
【知事マニフェスト自己達成度で論戦 / 県会、議員側は評価UPに疑問】
【写真:嘉田知事のマニフェスト自己評価について論戦した滋賀県議会の一般質問(大津市・県議会本会議場)】
滋賀県議会は6月11日、3日間の一般質問を終え、嘉田由紀子知事が5月末に公表した1期目4年間のマニフェスト(公約集)達成度の自己評価をめぐり論戦を繰り広げた。議員側は自己評価を前年より引き上げたことについて疑問や矛盾を指摘、嘉田知事は「総合的に勘案している」などと主張した。
自己評価は嘉田知事自らが、マニフェストに盛り込んだ3項目の緊急提言と40項目の政策提案について、達成度の高い順にA~Dで評価。一定の成果が出たとする「B」以上が計33項目に上った。
11日の一般質問では、清水鉄次議員(対話の会・びわこねっと)が総合的な自己評価を質問。嘉田知事は「一定、皆さんとの約束を果たせた。すべての項目で十分な結果が残せなかったことは真摯(しんし)におわびする」と述べた。
同日までの一般質問では、知事が実施困難と認めた「全小中学校での35人学級実現」の項目を「B」としたことに、家森茂樹議員(自民党・真政会)が「明らかに未達成だ。おかしい」と指摘。嘉田知事は「少人数学級の学年数を拡大した。財政難の中で(教育の)質を高める工夫をした」と反論した。
「高校の統廃合は行わない」とした県立高の体制整備をCと評価したことについては、森茂樹議員(共産党県議団)が、県教委がまとめる再編計画に統廃合が盛り込まれる可能性を挙げ、「明確なマニフェスト違反だ」と追及した。知事は「教委の検討結果を受け、知事として必要な判断をする」と述べるにとどまった。
新規の企業誘致が目標の100社を超えたなどとしてA評価とした「企業誘致と雇用の増」では、生田邦夫議員(自民党・真政会)が「倒産件数は立地件数を上回っている。Aは納得できない」と疑問を示したが、嘉田知事は「経済情勢や雇用環境が厳しいのは認めるが、評価はあくまで数値が達成できたかどうか」と理解を求めた。
(6月11日付け京都新聞・電子版)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100611000167&genre=A2&area=S00