滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0706/70:医療、毎日特集記事「湖国の人たち」】医療的ケアネットを設立した医師・杉本健郎さん

2007-06-20 00:31:42 | Weblog

◇重症障害児者支える活動通し「地域文化の発信地に」

日常生活を送るうえで、医療的なケアを必要とする人たちがいる。病院の入院期間短期化、施設入所から在宅介護など地域生活への移行の流れの中で、こうした人たちの社会参加や生活の質をどう確保していくかが課題になっている。小児神経科医で、重症心身障害児者施設「びわこ学園医療福祉センター」統括施設長の杉本健郎さん(58)は福祉、医療、教育関係者、保護者らでNPO法人「医療的ケアネット」を設立した。その狙いや活動内容などを聞いた。【森田真潮】

--医療的ケアとは。

典型的には、口の中のだ液やたん、鼻や気管内の吸引をはじめ、鼻や口、胃からの経管栄養。呼吸、栄養摂取という生きていくうえで基本的な事にかかわることだ。

未熟児や脳性まひで乳幼児から必要な人もいるし、筋ジストロフィーなど進行する病気、交通事故などの中途障害で必要になる人も。特に、二次障害が生じやすい小中高校時代や、老齢期にケアを必要とする人が増える傾向がある。全体の人数が増える背景には80年ごろの医療技術の進展で、在宅でも延命できる人が増えてきたこともある。

--何が問題ですか。

吸引や経管栄養は「医療行為」とされて、できる人が制限されてきた。ようやく、学校の先生や自宅を訪問するヘルパーにも認められるようになったが、実際には医師や看護師の免許を持っていても経験のある人は少なく、研修も十分ではない。医療的ケアは、必要とする人が安楽に過ごしていくための支援で、生活支援という面もある。医療職の免許を持つ人がやればいいということでは済まない。快適で、その人に合ったケアでないといけない。

これは、重い障害を持つ人が地域で自活するために誰の力を借りるか、という問題。これまでは事実上、違法性の問題に目をつぶる形で保護者に負担が押し付けられてきた。障害者の家族が私的に医療的ケアを学び、実施する負担を負うということでいいのか。

選択肢は二つ。看護師による訪問看護か、ヘルパーなど非医療職によるケアだ。現状では在宅の人への訪問看護は、医療保険の適用時間が制限されている。また、非医療職によるケアは個別契約で行うことになるが、事故があった場合に備える保険が整備されていないのが課題になっている。

--設立経緯は。

02年3月に当時、勤務していた関西医大小児神経グループの公開勉強会と、養護学校のスタッフの定期勉強会を合わせ、福祉関係者や保護者に呼びかけて、「保健・医療・教育・福祉ネットワーク大阪」を作り、事例検討などを始めた。04年5月には「ネットワーク近畿」に広げ、今年3月にNPO法人「医療的ケアネット」設立に至った。

本人の日常生活を支援していくというのが、すべての基本。今後、全国各地で主に非医療職向けの実践講習や、情報交換や相談ができるネットワーク作りをしていく。いろいろな関係者が集まることで、医療一般に見られる医者と患者との間の壁も壊していきたい。

--学園での展開は。

学園としても、入所施設の中だけでなく、地域に出ていこうと、05年に訪問看護ステーションを設け、活動を始めた。今、考えているのはステーションを核に、医療的ケアが付いた多機能の生活支援拠点を作ること。グループホームやケアホームの暮らす場所▽診療所や看護・介護ステーションの暮らしを支える場所▽織物や粘土・焼き物など物を作る場所▽喫茶店など働く場所・人が集まる場所……。こうした機能を合わせ持った拠点を目指している。

最終的な目的は、最も障害の重い人たちが、町なかに顔を出すこと。それを根っこにして、集まる人たちが励まされる場所ができるはず。新しい、温かな文化の発信地になる。「ひと」と「いのち」をキーワードに、地域文化の発信地を作っていきたいんです。

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■提言

障害が重く、医療的なサポートを必要としていても、当たり前に豊かで安全に暮らしていける地域社会を作りたい。そうした人たちに触れることで、周囲の人たちも励まされ、共に生きる温かい文化が育っていく。重症障害児者を支える活動を通して、地域の文化を積み上げていきたい。

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■人物略歴

◇すぎもと・たてお

1948年、兵庫県篠山市生まれ。関西医大小児科助教授などを経て04年、第二びわこ学園長。改組に伴い、07年4月から、びわこ学園医療福祉センター統括施設長。共編著書に「障害医学への招待」「医療的ケア研修テキスト」など。

(6月19日付け毎日新聞の報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070619ddlk25070351000c.html

【0706/69:新幹線新駅問題】新駅推進の地権者らと知事が6月30日に面会

2007-06-20 00:22:56 | Weblog

栗東市の新幹線新駅問題で、県は6月18日、嘉田知事が6月30日午後に同市を訪れ、新駅推進を訴える土地区画整理事業の地権者らと面会することを明らかにしました。知事が新駅建設予定地の地元で地権者らと話し合うのは、昨年9月以来2度目です。県によると今回は、凍結後の地域振興策などについて、地権者らの思いや意見なども聞く意向とのことです。

この日の県議会総務・政策委員会で、委員から「対話と共感で円満な解決を図ってほしい」「弱い立場の地元をいじめないで」などの意見が出され、県の担当者は「精いっぱい対応する」と答えました。

地元の国松正一市長は6月7日に知事室で嘉田知事と対談し、新駅建設を凍結する場合、駅に代わる地域振興策を提示するよう要請しました。嘉田知事は開会中の県議会で、「すでに着手している土地区画整理事業への対応が大事」との認識を示し、近く地権者らと面会する意向を示していました。

(6月18日付け読売新聞が報道)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news003.htm

【0706/68:旅券発給問題】現姓での発給認められず、無戸籍の高校生、修学旅行断念

2007-06-20 00:11:59 | Weblog

母親の離婚調停中に生まれたため戸籍がなく、現在の姓でのパスポート発給が認められていない滋賀県内の高校2年の女子生徒(16)と両親が6月19日、海外への修学旅行への参加を断念する意向を明らかにしました(関連ニュース番号0705/72、5月29日など)。

母親は、前夫の暴力に悩まされ、別居中に別の男性との間に子どもをもうけ、離婚成立前に出産しました。母親が前夫の子として届けを拒んだため、無戸籍になりました。「300日規定」の改正要望が相次ぎ、今月から無戸籍で発給されるようになったものの、法律上の「前夫の姓」の記載などが条件で、女子生徒の場合、前夫の姓になる。このため、今月12日、約1万4600人分の署名を手に麻生太郎外相に要望し、外相から現在の姓の併記や署名欄への使用など譲歩案を示されましたが、現在の姓での発給は実現しませんでした。

19日に記者会見した女子生徒は「母に暴力を振るった人の名前では(修学旅行に)行きたくない。とても悲しく、悔しい気持ちでいまだに立ち直れない」と話しました。女子生徒と支援団体は今後、日本弁護士連合会に人権救済の申し立てをすることも検討しているとしています。

(6月20日付け京都新聞が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007061900140&genre=C4&area=S00

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070620ddlk25040550000c.html

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000706200001

http://www.sankei.co.jp/chiho/shiga/070620/shg070620000.htm



【0706/67:瀬田川洗堰全閉問題】知事、河川整備方針で国交省庁素案に「基本的に賛同」、

2007-06-20 00:03:51 | Weblog

県議会の琵琶湖淀川水系問題対策特別委員会が6月19日あり、国土交通省が5月に示した河川整備基本方針の素案について、嘉田由紀子知事は「基本的には賛同する」との見解を示しました(関連ニュース番号0705/73,5月29日など)。

嘉田知事は、素案で一部地域の犠牲を前提とせず、流域全体の安全度の向上を図る必要性が示された点について「上下流が対立するのではなく、互いに助け合う河川計画の理想が明確に示された」と評価しました。

その上で、素案に盛り込まれた瀬田川洗堰(大津市)の全閉操作の解消に向け「中下流部の安全を脅かすことになってはいけない。洪水時に洗堰設置前の自然流量が安全に流下できるような条件整備が必要」と述べました。

県議からは「全閉解消は(下流の整備が済んだ後という)条件付きの感じがする」との意見があり、知事は「実現に向けて、できるだけ速やかに下流の危険性をなくす整備を求めていく」と話しました。

また議員からは国などの丹生ダム(余呉町)や大戸川ダム(大津市)への知事の考えを問う質問もあったが、知事は「具体的な整備は、基本方針ではなく、整備計画(の案件)」などと明言を避けました。

(6月20日付け京都、毎日が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007061900154&genre=A2&area=S00

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070620ddlk25010534000c.html