オックスフォード大学 臨床試験を開始 5000人にボランティアが対象
4月22日、英国保健省のマット・ハンコック大臣は、COVID-19ワクチンがオックスフォード大学の科学者とロンドンのインペリアル・カレッジの2つのチームによって臨床試験を開始すると発表した。
この内、オックスフォード大学チームは、今週にヒトを対象としたワクチンの治験を開始する。治験に必要なワクチンの生産はすでに完了しているという。
ハンコック氏は記者会見で、「この2つのプロジェクトは、いずれも有望で、どちらも急速に開発が進んでいて、私は開発を牽引している科学者に、全力を上げてサポートすると伝えた」と述べ、両方のプロジェクトに約1億3100万ポンド(約170億円)の資金を投入することを明らかにした。
また「通常のワクチンの開発は、この段階に達するには1年間以上の期間が必要だ。短期間でこの段階に入れたことを誇りに思う」と述べ、「同時に、我々は世界のどの国より多くの資金をワクチン開発に投入する計画で、ワクチンが安全性が確認できれば、可能な限り素早く、英国のすべての人々が利用できるようにしたい」とした。
ハンコック氏は、まだ「科学的な不確性」があると認めたが、英国は「ワクチン開発で得たすべてのもの」を提供すると述べた。
しかし、政府の開発担当者は、「楽観視するのは禁物、開発には18カ月は必要だろう」と述べた。
4月23日、コロナウイルスワクチンのヨーロッパでの最初の臨床試験がオックスフォード大学で始まった。
この日は、2人のボランティアに注射が行われ、第一期の臨床試験の対象者には800人以上が採用された。
治験では半数にChAdOx1 nCov-19ワクチン、残りの半数にはコロナウイルスとは関係がない髄膜炎を防ぐがワクチン、プラセボが投与される。
治験の対象者は、どちらのワクチンが投与されたのかはわからない。
このワクチンは、オックスフォード大学のチームによって3か月足らずでで開発された。ワクチン開発チームを率いるジェンナー研究所のワクチン学教授のサラ・ギルバート氏は、「個人的に私はこのワクチンにかなりの自信を持っている」と述べた。
治験グループは、新型コロナウイルスにさらされるリスクが高い地元の医療関係者を対象として治験を優先するという。
合計約5,000人のボランティアによる大規模な試験が数か月以内に開始し、9月までに有効性の結果を得ることを目指すとしている。
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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)
2020年7月1日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
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