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mRNA-1273 最先端の遺伝子技術を駆使

2020年07月03日 17時36分41秒 | 国際放送センター(IBC)


最先端の遺伝子技術を駆使 mRNA-1273
 モデルナ社のワクチン候補であるmRNA-1273は、メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれる遺伝子を使って生成する最新の遺伝子工学を駆使して作るワクチンである。
 新型コロナウイルスは、ウイルスの細胞の外郭に「突起」(スパイク)が付いている形状をしていて、この「突起」がヒトの細胞の受容体(外部の物質を細胞内入れる“入口”)に吸着して侵入する。「突起」は、スパイクたんぱく質で形成されている。スパイクたんぱく質はウイルスが胚細胞に侵入する際に、外部から細胞内に入る入口である受容体(Recptor)に吸着して、そのロックを解除する鍵として機能する。


mRNAワクチンのスキーム 出典 About mRNA-1273, Moderna

 このスパイクタンパク質を形成させる遺伝子、mRNAを人工的に作り上げて大量に培養して、無害化させた脂質ナノ粒子(脂肪の塊の粒子)組み入れ、疑似ウイルスを作り上げる。脂質ナノ粒子は、ウイルスベクターとして働く物質で、遺伝物質を細胞に送達させるようを作り上げた粒子である。このmRNA遺伝子が組み込まれたナノ粒子を凝縮してワクチンをつくる。
 mRNA-1273ワクチンをヒトに接種すると、新型コロナウイルスに感染した時と同じように、疑似ウイルス(ウイルスベクター)がヒトの細胞に侵入して、細胞のたんぱく質の生成・増殖システムを乗っ取り、細胞内にスパイクたんぱく質(新型コロナウイルスの「突起」[Spike]にあるたんぱく質)を増殖させる。スパイクたんぱく質は、外部の物質の細胞外にも進出するようになると、ヒトの免疫システムが反応し、これを撃退しようとキラーT細胞などの免疫抗体を総動員して対抗する。
 こうして免疫システムは、新型コロナウイルスの細胞への侵入の鍵となっているスパイクタンパク質の撃退法を学習して記憶をする。これを「免疫記憶」と呼ぶ。
 実際にヒトが新型コロナウイルスに遭遇して、ウイルスが胚細胞に侵入しようとした時には、免疫システムが記憶を呼び戻して体内の免疫抗体を総動員してウイルスの侵入をブロックして撃退する。ワクチンの接種で、免疫システムはスパイクタンパク質への対抗策を学習・記憶しているので、いち早くウイルス感染を撃退する体制を整えることが可能になっているのである。


新型コロナウイルスの侵入をブロックする免疫抗体(Y) 出典 About mRNA-1273, Moderna

 モデルナ社のワクチンは、こうした最新の遺伝子工学を利用して開発したワクチンのある。新型コロナウイルスの遺伝子構造はすでに中国が完全に解明して公開しているので、実際に新型コロナウイルスを持っていなくてもワクチン開発は可能である。
 モデルナ社は開発をスピードアップし、今年の夏には第3相(フェーズⅢ)臨床試験に向けて準備を進めており、「2021年までに」には新型コロナウイルスのワクチンとして承認を得たいとしている。
 5月7日、ニューヨーク証券取引所では、モデルナの株価は一時13%も急騰した。 今年の初め以来、同社の株式は150%以上も値上がりした。
 またワクチンを製造する世界のバイオテクノロジー企業は、いずれもワクチンの生産を急ピッチで進める体制を整えており、今年7月には備蓄の構築を開始できるとしている。 先週、モデルナ社はスイスの製薬企業であるロンザ(Lonza)との10年間の提携を発表した。
(出典 ニューヨークタイムズ 5月7日)





新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

モデルナ ワクチン、mRNA-1273の第2相(フェ―ズⅡ)臨床試験を開始

新型コロナウイルスは変異する 米英の研究者が確認

BARDA   NIH(米国立衛生研究所) NIAID(米国立アレルギー・感染症研究所) CDC(アメリカ疾病予防管理センター)




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モデルナ ワクチン mRNA-1273 第2相臨床試験を開始

2020年07月03日 17時08分44秒 | 新型コロナウイルス



モデルナ ワクチン、mRNA-1273の第2相(フェ―ズⅡ)臨床試験を開始
 5月7日、米モデルナ(Moderna)社は、米FDA(食品医薬品局)が約600人が参加する第2相(フェ―ズⅡ)臨床試験の申請を承認したと発表した。
 モデルナ社は、国立衛生研究所の資金協力を得て、第1相(フェーズⅠ)臨床試験をシアトルの45人の健康な成人のボランティアを対象に実施して、安全性や有効性について一定の成果を上げた。今回行われる第2相(フェ―ズⅡ)臨床試験では、臨床試験の対象をさらに大きなグループに拡大して、ワクチンの有効性や安全性を試験する。第2相臨床試験が成功した場合には、最終段階の第3相(フェーズⅢ)臨床試験に乗り出す。
ワクチンの開発には、ジョンソン&ジョンソンやサノフィなどの既存のワクチン製薬企業など12社以上の企業が、グローバルな競争を展開している。
 中国では、CanSino Biologics など4つの製薬企業が、4月上旬にワクチンの第2相試験を開始したと発表している。米製薬企業の大手、ファイザーはドイツの提携企業、BioNTechは、第1相と第2相の試験を組み合わせた臨床試験に向けてボランティアを登録を開始している。
 米生物医学先端研究開発局(BARDA)は、5億ドルの開発資金を提供、2021年には10億人分の製造を目指す。
 米国の感染症専門家であるAnthony Fauci博士は、ワクチンが広く普及するまでにはまだ12〜18か月かかるだろうと示唆している。新型コロナウイルスに対しては実績のある治療薬はなく、世界中の多くの研究者や企業がワクチンに加えて治療薬の開発を進めている。





新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

Mederna RNA-1273 最先端の遺伝子技術を駆使して開発するmRNAワクチン

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アストラ・ゼネカ 4億本のワクチンを欧州に提供

2020年07月03日 09時31分19秒 | 新型コロナウイルス



英アストラ・ゼネカ社 4億本のワクチンを欧州に提供  
 6月13日、英アストラ・ゼネカ(Astra Zeneca)社 は、オックスフォード大学が開発しているワクチン、「ChAdOx1 nCov-19」を
欧州各国に最大4億人分を提供する契約を締結した。ワクチンの提供は2020年末までに開始するとしている。
 今回の契約したのは、フランス、ドイツ、イタリア、オランダが結成した欧州包括的ワクチン同盟(IVA)で、アストラ・ゼネカ社との契約は欧州各国でワクチン接種をできるだけ早く実施できるように締結した最初の契約となった。
 ワクチン同盟は、「EU加盟国など欧州各国と協力体制を整備して、すべての人にワクチンが確実に供給されるようにしたい」とし、「ヨーロッパには十分なワクチンのサプライチェーンが整備されている」と述べ、オランダ、ドイツ、イタリア、イタリアなどには世界最高水準のワクチン製薬企業があることも指摘した。
 アストラ・ゼネカ社は、すでに英国に1億本、米国に3億本を供給する契約を結んでいるて、欧州への4億本を加えると、8億本の供給先が決まっていることになる。
 「ChAdOx1 nCov-19」は、6月中に第二相臨床試験を終えて、第三相臨床試験を開始する計画である。



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