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ワープ・スピード作戦 BARDA NIH NIAID トランプ政権 

2020年07月20日 16時03分20秒 | 新型コロナウイルス



米ワクチン開発の名は「ワープ・スピード作戦」…トランプ氏、年内実用化目指す
 5月17日、トランプ米大統領は記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン開発を加速させ、年内の実用化を目指す考えを表明した。「(第2次世界大戦中に原爆を開発した)マンハッタン計画以来の大規模な試みだ」と語り、政府と民間の力を結集して対応するとその意気込みを強調した。
 トランプ氏は、「できるだけ早く開発、製造し、供給したい。できれば年内に実現したい」と述べ、「ワープ・スピード作戦」(Operation Warp Speed 超高速作戦)と名付けたワクチン開発計画を開始すると発表した、開発計画には国立衛生研究所(NIH)や国防総省、製薬会社などを参画させ、総額100億ドル(約1兆700億円)規模の関連予算を確保したという。
 計画では、対象のワクチン候補を少数の有望に絞り込んで、集中的に開発を進め、政府の認可手続きも迅速化する。また、通常は薬事承認後となる製造ラインの整備を開発段階から行い、供給までの時間短縮を図る。今年の年末までにワクチンを接種する「可能性を最大化」するとしている。
 「ワープ・スピード作戦」は、第2次大戦時の原子爆弾開発プロジェクト「マンハッタン計画」になぞらえて名付けられた。まさに米国の威信をかけて官民を総動員する国家プロジェクトになった。
 その背景には、新型コロナウイルスのワクチン開発を巡って、急ピッチで大規模な開発を進める中国の製薬企業の大攻勢がある。反中国の姿勢を強めるトランプ政権はワクチンの開発で中国に後れをとるわけにはいかないだろう。
 トランプ政権は、すでに米生物医学先端研究開発局(BARDA)を通して、開発中の4つのワクチンに20億ドル以上の開発資金を投入すると発表している。対象はOxford University/Astra Zeneca(最大12億ドル)、Moderna Inc(4億8600万ドル)、Johnson&Johnson(4億5600万ドル)、Novavax(16億ドル)の4つのワクチン開発グループである。
 これとは別に、BARDA はMerck&CoとSanofiに対しても、ワクチン開発資金として、それぞれ3,000万ドル以上を提供する。
 また、「ワープ・スピード作戦」の一環として、ワクチン開発を支援するために、NIH(米国立衛生研究所)が主導して、Moderna/NIAID、Oxford/ Astra Zeneca 、Johnson & Johnson が開発する3つのワクチン候補の大規模な第3相臨床試験を7月26日頃に開始に実施すると発表している。
 大規模臨床試験に参加するワクチン候補は、第1/2相臨床試験で安全性が確認されていることが条件である。
 この大規模臨床試験は承認に向けての最終段階の治験で、約3万人規模の治験者を対象にした3つの臨床試験が30州と首都ワシントンの全米87カ所にテストサイトを設置して行われる。うち半数程度は感染者が多いテキサス、カリフォルニア、フロリダなどで行われる。総合計10~15万人の被験者を募る大規模な臨床試験である。
 複数の専門家によると、上記のワクチンメーカーは、お互いに治験データを共有し、自社開発が失敗した場合は治験ネットワークの利用を他社に認めることなどで合意しているという。
 7月15日、NIAID(米国立アレルギー感染症研究所)のファウチ所長は、国は年末までに新型コロナウイルスワクチンを開発する目標を達成できると自信を示し、中国に先を越される可能性があるとの観測には動じない姿勢を示した。
 トランプ政権は、「ワープ・スピード作戦」でワクチンの開発を成功させることで、歯止めのかからない感染拡大を阻止しようする戦略である。米国がコロナ禍を克服することができるかどうか、まさにワクチン開発の成否にかかっている。



新型コロナウイルス 治療薬・ワクチン 開発最前線 ~レムデシベル アビガン モデルナ オックスフォード大学/アストラ・ゼネカ Johnson & Johnson臨床試験 勝者は誰が?~

ワクチンの種類 遺伝子ワクチン ウイルス・ベクター・ワクチン プロテイン・ベース・ワクチン 不活性化ワクチン

BARDA   NIH(米国立衛生研究所) NIAID(米国立アレルギー・感染症研究所) CDC(アメリカ疾病予防管理センター)




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2020年7月10.日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute(IMSSR)
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