

製造はタカラバイオ 中間体はAGC Biologics(米) ヒトへの新規投与デバイス提供はダイセル アンジェスと大阪大学DNAワクチン
2020年3月、アンジェスと大阪大学は新型コロナウイルスのDNAワクチン、「AG0301-COVID19」の開発を開始した。
アンジェス株式会社は、遺伝子医薬の開発を行う日本のバイオ製薬企業。大阪大学医学部森下竜一教授の研究成果を基に、1999年12月発足。2002年9月に大学発創薬型バイオベンチャーとして初めて東証マザーズに上場した。
このDNAワクチンは、大腸菌のDNA分子であるプラスミドをベクターとして利用するプラスミドDNA・ワクチンである。
アンジェスと大阪大学(臨床遺伝子治療学・健康発達医学)はプラスミドDNAを利用した慢性動脈閉塞症の開発実績があり、この技術を新型コロナウイルスのワクチン開発に応用する。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のゲノム配列を元に、ウイルスのスパイク・タンパク質の遺伝子を大腸菌のプラスミドのDNA(環状のDNA)に組み込む。この遺伝子組み換えプラスミドを大量に培養して、非臨床試験(GLP Good Laboratory Practice)に使用するDNAワクチンの原薬を製造する。
スパイク・タンパク質のDNAが組み込まれたプラスミドDNAを接種することで、スパイク・タンパク質をヒトの体内に発現させて、新型コロナウイルスに対する免疫抗体を作り上げる。
DNAワクチンは、病原体を弱毒化させて製造する弱毒化生ワクチンとは異なり、病原性を全く持たないため、安全性が高いワクチンであるとされている。また短期間で大量に製造できるというメリットがある。
ワクチンの製造はプラスミドDNAの製造技術と製造設備を保有するタカラバイオが担当する。タカラバイオは、AGC(旧称 旭硝子)のCDMO事業子会社であるAGC Biologics(米国)にDNAワクチン中間体の製造を委託した。
タカラバイオは、滋賀県草津市に本社を置く、宝ホールディングス傘下のバイオテクノロジー関連の研究開発型企業、遺伝子工学技術を中心としたバイオテクノロジーにで高い評価を受けている。
また化学品製造企業のダイセルが、新規投与デバイスによる皮内へのプラスミドDNAの導入を開発する。
ダイセルは、DNAワクチンを、針を使わず火薬の駆動力で皮膚内に送り込む技術を提供する。皮膚層は筋肉に比べて免疫に関わる細胞が多く、抗体の産生能力を高めることができるという。
この技術は火薬の燃焼エネルギーでノズルの先端から薬液を射出し、特定の組織内に送り込む技術で、動物実験では針による注射に比べて、正確に組織に薬液を送達でき、遺伝子発現効率や抗体産生力を高められるとしている。ダイセルは新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」として2019年に市場に投入した。

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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)
2020年6月30日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
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