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アストラゼネカ 治験再開 治験中断 副作用

2020年11月24日 06時43分39秒 | 新型コロナウイルス


英アストラゼネカ、米でコロナワクチン治験再開
 
 10月23日、英製薬大手アストラゼネカ社は、米国内で中断している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)について、米食品医薬品局(FDA)から承認が得られたとして再開したことを明らかにした。
 アストラゼネカは9月、オックスフォード大学と共同開発しているワクチン候補、「ChAdOx1 nCov-19」の最終臨床試験で、被験者1人に説明できない疾患が生じたことから治験を世界的に中断した。その後、9月12日、英国、ブラジル、南アフリカで再開、10月2日、日本でも治験を再開した。しかし同社は守秘義務を理由に、参加者にどのような有害事象が出たのか情報を開示していない。
 アストラゼネカ社とオックスフォード大学と共同開発しているワクチン候補、「ChAdOx1 nCov-19」の最終段階に入っていた臨床試験(治験)の一時中断を明らかにしたのは、9月8日、これまで順調に開発が進んでいた中での中断で衝撃を与えた。 
 アストラゼネカ社の発表によると、最終臨床試験で、被験者に説明できない疾患が発生したため、臨床試験を中断するとした。規制当局が独立した調査により安全性データを検討して、再開可能かどうかを決定するまでの間、世界中で行われているすべての臨床試験は一時停止した。
 New York Times紙によると、英国の治験で脊髄に炎症が起きる横断性脊髄炎が被験者の女性、一人に確認されたという。横断性脊髄炎はウイルスの感染によってき引き起こされる場合が多いとされる。この疾患がワクチンと関係がわるかどうかは不明という。
 アストラゼネカ社は「原因不明の病気」の場合の「日常的な」休止と説明し、オックスフォード大学の広報担当者は、「大規模な治験では、偶然に病気が発生することが日常的に起きるが、これを個別に検討して慎重にチェックする必要がある」と語った。
 BBCによれば、オックスフォード大のコロナウイルスワクチンの治験が保留されるのは2回目。 大規模な臨床試験は日常的に行われ、接種者の病気の原因がすぐに明らかにならない場合には、接種者が病院に入院することが発生した場合に治験は停止される。
 関係者によると、臨床試験は数日で再開できるとしている。
 このニュースを最初に伝えた医療情報ウェブサイトのSTATによると、症状が出たのは英国で治験に参加していた女性で、「横断性脊髄炎」という神経疾患が見られたが改善傾向にあり、早ければ9日に退院する見込みだという。7月にも治験参加者に神経症状が出たために一度中断したが、検査した結果、多発性硬化症が原因でワクチンとは無関係だったという。
 英FT誌は、治験は来週前半にも再開される見通しだと報じた。

 9月10日、世界保健機関(WHO)の主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は「治験の過程では浮き沈みがあるもので、備えをしなければならないということに気付かせる警鐘だ」と述べ、「落胆する必要はない。こうしたことは起こるものだ」との見方を示した。

 一方、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、10月12日に中断したコロナワクチンの治験について、データ安全性モニタリング委員会(DSMB)からの勧告を受け、早ければ来週にも再開する方向で準備を進めていると明らかにした。(Reuters 10月23日)
 また米Pfizer と独BioNTechは、10月中旬から11月上旬までに、ワクチン候補のBNT162の承認を得ることが可能だと確信しているとCNNの独占インタビューで語り、「BNT162は優れたプロファイルを備えており、ほぼ完全なワクチンと考えている」と自信を示した。
 両社は、年末までにBNT162を1億回、2021年には最大13億回の投与を計画していると述べている。

 こうした中で、9月8日、米ファイザーや英アストラゼネカなど欧米の製薬会社9社は、それぞれ開発を進める新型コロナウイルスのワクチンに関し、「高い倫理的、科学的基準に基づく開発や治験を継続する」との共同声明を発表した。トランプ米政権が、大統領選前に、臨床試験(治験)終了前に例外的にワクチン投与を認める「緊急使用許可」に踏み切る可能性が取り沙汰される中、拙速な使用に懸念を示した格好で、ライバル企業同士が結束するのは異例。「当局が求める大規模な最終治験を通じ、安全性と有効性が示された後に、承認や緊急使用を申請する」と明言し、治験終了前の申請を否定した。



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2020年10月1日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
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