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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第65期王位戦第2局・2日目

2024-07-19 19:29:34 | 男性棋戦
伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦第2局(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)2日目、渡辺明九段の封じ手は、やはり角を取る手だった。そのあと飛車を走り、先手が気持ちいい。
先手を取った藤井聡太王位だが、いったん銀を出て引いたあと、3筋に歩を垂らした。大山康晴十五世名人が対居飛車戦でこのマス目に歩を垂らしたことがあるが、双方の意味合いは微妙に違いそうだ。ただこの手は、藤井王位らしからぬ手に思えた。
渡辺九段は攻めを再開する。藤井王位は垂らした歩を成ってはじめて狙いが実現するわけで、この瞬間は渡辺九段が攻め放題だ。そしてどの変化も、渡辺九段が十分になっている。持ち時間も渡辺九段が多く残しており、もはや動かしがたい「渡辺九段有利」である。
渡辺九段、飛車と角を刺し違えて、敵陣に角を打つ。これも、どの変化も先手がよくなる。そして中段に馬を作れては、渡辺九段が大優勢になった。
もっとも相手は藤井王位だからこの先どうなるか分からない。だが第1局と違い、本局の渡辺陣は金銀3枚の堅陣で守られており、読みを攻めのみに専念できるのが大きい。
渡辺九段。また銀取りに歩を利かし、角で王手。ここで3筋に歩が利けばなんでもないが、現在は二歩で打てない。悪いときはそんなもので、どこまでも先の垂らし歩が邪魔をしている。
藤井王位、玉をよろけるかと思ったが、金を寄って受けた。ここでABEMA解説の金井恒太六段は、桂を打って駒得を図る指し方を解説していたが、それは「-25%」になる。AIが推奨しているのは桂成りで、あらかた寄り。注目していると、果たして渡辺九段も桂を成った。さすがに対局者はよく読んでいる。
以下、いくばくもなく藤井王位の投了となった。
いやはや、渡辺九段のこの勝利には驚いた。第1局を負けたときは、このショックが尾を引いて、第2局も惨敗すると思っていた。ところがフタを開けるとかくのごとしで、対藤井戦でこれだけの快勝劇は初めてではなかろうか。
反対に、藤井王位の完敗も相当久しぶりに見た。もっとも本局は、完敗ゆえに反省点も少ないのではないか。ヘンに悪あがきをせずバッサリ斬られるあたり、全盛時の羽生善治九段を思わせる。
第3局に渡辺九段が勝てば、相当面白い展開になる。第3局は30日、31日。
コメント (6)
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