一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

4月の将棋ペンクラブ将棋会(前編)・7人目の人物

2013-04-26 14:41:49 | 将棋ペンクラブ
20日(土)は「将棋ペンクラブ将棋会」があった。
同会は将棋ペンクラブ幹事有志で構成され、社団戦のない時期に月に1度集まり、将棋と酒を楽しむものである。私は幹事ではないが、A幹事に気に入られ、2月から誘われるようになった。私は将棋はともかく酒はダメなので、参加資格はないのだが、だましだましお邪魔している。今回もそうだった。
場所はいつもの「魚百」。神保町某所にある居酒屋である。現在準備中だが、ここで開店まで将棋を指し、そのあとは同所で酒を愉しむのだ。
午後1時27分、「魚百」に入るが、誰もいない。2月に参加したときとは様子が違う。席に着くが、開店は5時ながら、いくつかのテーブルにはすでに、「予約席」の札が置かれていた。
しばらくすると、将棋古書店「アカシヤ書店」店主のH氏が盤駒を携えて来た。とりあえずほっとする。
きょうの参加は5~6人とのこと。仕込みの都合があるので人数は確定しなければいけないが、そこがハッキリしないのが将棋ペンクラブである。
H氏とは将棋を指す間柄ではないのだが、「せっかくなので指しましょうか」ということで、指し始めた。
H氏の先手で、四間飛車穴熊。H氏はこれしか指さない。私は急戦策を採る。H氏は向かい飛車に振り直し、▲8六歩△同歩▲同飛の決戦だが、これには強く△同飛と取る手があった。
以下▲同角△8七飛▲8二飛△7三桂で後手指し易い。後手は△5三歩-△6四銀型なので、先手からの▲4二角成~▲8七飛成の素抜きのスジがないのだ。
H氏が長考していると、Na氏が来た。Na氏も将棋ペンクラブの会員で、関東交流会はもとより、年末の将棋寄席でも見かけている。将棋+文学の香りが漂う紳士である。
局面は、H氏が無理攻めに走り、私はそれを丁寧に受けて制勝した。
感想戦をやっていると、Oh氏が来た。対戦カードを組み換え、H-Na戦、Oh-一公戦で再び開始。
Oh氏は将棋駒に造詣が深く、まずは掘り駒の逸品を出してくれた。Oh氏の先手で、四間飛車。私はダサイ囲いで、どうもはっきりしない。▲5五角の局面で▲5六歩と突いたのがOh氏の失着で、△5四銀▲4六角△4五銀となれば歩得が確定し、私が指し易かった。それを逃して、仕切り直し。
ここでKun氏が来た。来るべく人が来ている感じだが、私を誘ったA氏の姿がまだない。
Oh氏は▲8九飛と引いて▲7五歩と突いたが、毛を吹いて傷を求めた結果となった。
ここでA氏が現われた。これで6人だが、のちにもうひとり来るらしい。
A氏はKun氏と対局。Kun氏の角落ちだ。Oh-一公戦は私の勝ち。Oh氏は力を出し切れなかった。
「穴熊を指したかったんだけど、大沢さんが(穴熊相手は)嫌いだしなあ」
とOh氏がいう。何だか意味深な発言だが、対穴熊好きという人もあまりいないだろう。
私が
「Ohさんの好きなように指してよかったのに」
というと、
「もう一局お願いできますか」
の声で、Oh氏と再戦となった。
今度はOh氏の四間飛車穴熊。私は銀冠に組む。Oh氏は袖飛車に振り直し、▲3五歩△同歩▲同飛。ここをチャンスと見て、私は△8六歩▲同角△8八歩としたが、よくなかった。この手の攻めでうまくいった試しがないのだが、つい手が動いてしまう。
Oh氏は▲5三角成(と銀を取る)△同金▲3三飛成(と角を取る)△同桂▲7一角(飛車金取り)とし、十分手になっている。私は自陣に飛車を打ち粘るが、これでは苦しいと思っていた。
しかしそこからOh氏が攻めあぐね、形勢は私に好転した。
Oh氏:▲1七歩、1八香、1九玉、2七歩、2八銀、2九桂、3六桂、3七飛、3九金、4七金、5七歩… 持駒:銀、桂
私:△1一香、1五歩、2二玉、2五歩、3二金、3三歩、3四香、3五香、4二飛、5二金、5六歩、6九角… 持駒:銀
で、Oh氏は▲2四桂ハネ。以下△3七香成▲3二桂成△同玉▲3七金△同香成▲同銀と進んだが、これは▲2四桂と打つ傷が残り、後手おもしろくなかった。
▲2四桂ハネには△2三銀と受けるのだった。いきおい▲3二桂成△同玉となろうが、このあと先手は指しようがない。飛車が動けば△4七角成があり、先手は収拾がつかないのである。
実戦はこの後▲2四桂の王手からが左右挟撃となり、私の投了となった。
こちらが2局終わったとき、H-Na氏の一局がようやく終わった。どちらも熟考型のようだ。
もう、どんどん指す。今度はNa-一公戦である。私の先手で、私の横歩取り。Na氏は深く△8二飛と引いた。こうなると手探りの戦いで、よく分からない。先にも書いたとおりNa氏は熟考型だが、指し手は本筋で正確だ。
飛車角交換になり、私は▲7二角と打つ。Na氏は△8二飛(打)の自陣飛車。以下▲6三角引成(王手)△同銀▲同角成と進んだが、これは馬ができても駒損で、先手芳しくない。
しかしここからNa氏が乱れる。秒読みでもないのにスットコドッコイの手を連発し、Na氏自滅の形となった。
隣のKun-A戦はKun氏が勝ち、2局目に突入。今度はA氏が勝勢だ。Kun氏の激しい追い込みをA氏がかわし、うれしい勝ち名乗りとなった。
というところで時刻は4時半だが、早くも予約の客が来た。私たちは予約席で指していたので、移動を余儀なくされる。店内の端に移動して、少し早いが飲み会の時間となった。
とりあえず飲み物を頼んで一息ついていると、7人目の棋客が現われた。…女性? 黒いハットを被った、妙齢の女性だった。
この彼女が、当将棋会に旋風を巻き起こす存在になろうとは、このときは夢にも思わなかった。
(つづく)
コメント (2)
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