一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

旭川冬まつり

2011-02-16 20:01:38 | 旅行記・北海道編
頻繁に特急列車が行来きする札幌-旭川間で、普通列車は誰が利用するのだろうと訝しく思ったが、高校生が通学列車として利用するのだった。そして不思議なことに、休日でも、制服姿の女子高生は列車に乗ってくるのである。
車両の前後から乗ってきた女子高生は10人前後におよび、車内がにぎやかになった。普通列車のもうひとつの楽しみは、地元の女子高生の会話が聞けることだ。キャピキャピした会話の中に方言が混じり、旅に出たことを実感させてくれる。
「ホントに!? いいよねー」
「千円札がいいって言ったんだよ。フフッ」
「○○に住んでるって言っても信じてくれないんだよ」
とかいう他愛もない話が飛び交う。
そのうち彼女らは、何かの歌を歌い始めた。オリジナル曲だろうか。女子高生のコーラスを聴きながら、車窓の景色を楽しむ。世の中にこれ以上の贅沢があろうか。
「いろんなことがあったなー」
と、ひとりの女子高生がしんみりと言う。彼女は今年卒業なのだろうか。「女子高生」のイノチは短い。室谷由紀女流1級、渡部愛ツアー女子プロは、残された高校生活を思う存分満喫してほしい。
17時11分、列車は定刻に旭川へ到着した。しかしどこか様子が変だ。プラットホームのエスカレーターを下ると、構内の様子も違っていた。木をふんだんに使った和風の造りになっており、まるで違う駅に来たようである。…あれ? そもそも旭川駅は、高架だったろうか…。
旭川駅は大々的な改装を行っていたのだ。旧改札口のあたりに出ると、店舗はすべて撤去され、廃線跡の駅舎を見るようだった。
私が降りたのは7番ホームだったが、7番線はかつて富良野線の専用ホームだった。函館本線、宗谷本線のホームとは大きく離れ、その間には広大な空き地があったから、そのスペースに線路を集約し、全線高架としたのだろう。
いずれにせよ来年には、新装旭川駅が拝めるに違いない。これで来年も旭川を訪れる楽しみが、またひとつ増えた。
駅前からまっすぐに伸びる平和通り買物公園が、氷彫刻世界大会の会場である。今年もさまざまな氷像が並んでいる。ただの氷から、よくこれだけ芸術的な作品が作れるものだと感心する。これも一種の才能であろう。
もう陽は暮れているので、氷像はライトアップされ、存在感を増している。雪像や氷像はライトアップされたものを見るのがよい。立体感と存在感が倍加する。
それにしても旭川は雪が少ない。買物公園のメインストリートも、路面が剥き出しになっている。小樽の雪が異常だっただけに、これは意外な感じがした。
常盤公園には、午後5時45分ごろに着いた。公園内には大氷像と「あさひかわ雪あかり」の小ドームがあったはずだが、今年は見当たらない。この先にある旭橋河畔会場に移動したのだろうか。
常盤公園を抜け、河畔会場に出る。正面に見える大雪像は、「北の花鳥風月」。旭川冬まつりの大雪像は文字通り大きく、かつてギネスブックに載ったこともある。今年もスケールが大きい。
その下のステージでは、地元民と思しき人たちが、何かのコーラスを始めていた。冬まつりでは雪像観賞のほかに、イベント観戦も大事な要素である。私が17時11分旭川着にこだわったのは、その次の18時37分着だと河畔公園のステージ企画が終わってしまい、味がわるいからだった。
会場内にあったパンフレットを手に取り、イベントスケジュールを確認すると、きょう11日(金・祝)は午後1時30分から、香田晋と柳ジュンのライブがあった。
柳ジュンは旭川出身の歌手で、同市の観光大使を務めている(余談だが、中井広恵女流六段は稚内の観光大使である)。ちょっと妖艶で、私もファンである。彼女の歌を聞き逃したのは失敗したが、さりとて余市行きを後回しにするわけにはいかず、これは仕方なかった。
きょうは朝ににぎりを食べただけで、かなりお腹がすいた。会場内にある出店で、味噌ラーメンを食べる。500円。麺が少なく、ハーフサイズかと思った。味はまずまずだが、ちょっと消化不良だった。
午後7時から、ステージで「音と光のファンタジックショー」が始まった。闇夜の中を、緑色のレーザー光線が場内を鮮やかに射る。辺りにはあらかじめスモークがかけられており、それだけで十分幻想的だ。
そこに久石譲を彷彿とさせる雄大なBGMが流れ、私は大いに感動した。私は音楽はあまり聴かないが、音楽の力は偉大だと思った。島井咲緒里女流初段の趣味は音楽鑑賞だというが、さすがにいいところをついている。

明けて12日(土)。午前8時20分に宿を出た私は、朝の平和通り買物公園を再び歩き、ブルー一色となった氷像を再び観賞した。その足で旭橋河畔会場へも向かう。しかし朝が早いので、人もあまりいない。澄んだ空気が気持ちいい。
会場内でスケジュール表を再び見ると、11日は12時から、「アニソンライブ」と称して、水木一郎、堀江美都子、ドリーミングのステージがあったらしい。旭川冬まつりは毎年ビッグゲストが登場するが、今年はこの3組だったか。いやこれは私も観たかったが、ここで悔やんでも仕方ない。ご縁がなかった、と割り切るしかない。
会場の一隅から、旭川駅前まで無料のシャトルバスが出ていたので、それに乗る。09時50分のバスで駅に向かうのは、私ひとりだった。どうも私は、ほかの観光客とは違う行動をとってしまうようである。
函館本線上り・10時24分旭川発。56分、深川に着いた。きょうはここからジェイアールバス深名線に乗り、名寄へ向かう。途中のルオント前で降り、温泉に入って、夜は名寄駅近くで行われる「なよろ雪質日本一フェスティバル」を楽しむ予定である。
深川駅前で、以前も入ったことがある軽食喫茶に入る。11時を過ぎたため、モーニングタイムからランチタイムに切り替わったので、しょうが焼き定食+コーヒーのセットをオーダーする。しかしこれが疑問手だった。
深川発のバスは11時45分だから、自分では余裕を持たせたつもりだったが、ランチがなかなか出てこないのだ。ここを乗り遅れたら、次のバスは14時25分である。これはもう、予定変更とかいう以前の問題だ。絶対に、11時45分のバスに乗らなければならない。
時は11時25分。かなりイライラしたころ、ようやくランチが出てきて、私はそれをかっ食らった。出されたコーヒーもふうふう言いながら飲み干す。店のおばちゃんには申し訳ないが、こっちにだって事情があるのだ。
駅前に戻ると、バスが入ってきたところだった。しかしバス停に高齢の客がかなりいる。バス深名線はかつてのJR深名線だが、これは日本を代表する超ローカル線だった。鉄道は1995年に廃止されたが、バス転換後も乗客減は止まらず、名寄着のバスは休日だと3本しかない。
だからこそ私は、鉄道で名寄には向かわず、わざわざ遠回りをしてでも、この超ローカルバスを利用したのだ。それにしても、この人数はなんだろう。私が最後に乗ると、2×2の座席は、どこかに人が座っていた。まあ、人が多いのはいいことである。
露骨に嫌悪感を見せるおじいさんの横に私は座り、28人乗りの小型バスに18人が乗って、バス深名線は発車した。
(つづく)
コメント (2)
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