一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

ワイングラス

2011-02-14 01:06:04 | 旅行記・北海道編
10日(木)夜、飛行機を降りた私は、まずJR新千歳空港のみどりの窓口へ向かった。「三連休パス」は、前日までの購入が条件なのだ。これは事前に調べていたからよかったものの、当日(11日)になって「購入不可」と言われたら、パニックに陥るところだった。
切符の購入に時間を費やしたため、21時20分発のホテル日航千歳行き送迎バスには間に合わなかった。仕方なく21時40分発の路線バスを使う。210円の出費だが、ホテル日航千歳前に停まってくれるので、それで十分である。
22時すぎにチェックイン。翌朝も最寄り駅への無料送迎があり、フロント氏に11日(金・祝)の予定を訊かれたので、
「余市に8時半ごろに着く列車があるはず」
と答えたら、フロント氏が時刻表を調べてくれた。だが
「それには06時03分千歳発の列車に乗らなければなりません」
と言われ、ズッコケた。
千歳から札幌までは意外に距離がある。千歳宿泊は、利点ばかりではないのだった。とにかくここは計画を練り直す必要がある。私は07時10分の送迎バスに乗る旨を告げると、部屋に入った。

11日になった。今回の目的は冬まつりの雪像鑑賞だが、それにも優先順位がある。すなわち、
さっぽろ雪まつり>旭川冬まつり(世界氷像コンテスト)>名寄雪質日本一フェスティバル>小樽雪あかりの路
の順である。雪像や氷像はライトアップされたものを見るに限るので、3夜しかない今回の旅行では、小樽雪あかりの路を断念するしかない。
さらに冬まつりのほかにも、観光その他、いろいろやるべきことがある。その優先順位は、
余市ニッカウヰスキー工場でお土産を買う(できれば工場見学もする)>小樽・北一硝子でお土産を買う>JRバス深名線に乗る(その沿線にあるルオント温泉に入る)>JR札沼線(学園都市線)に乗る>小樽運河を見る>小樽の市内文学館・美術館に入る
…等である。冬まつり観光も含め、これらを都合3日でこなさなければならぬから、大変だ。しかし自分で選んだ日程だから、割り切るしかない。
送迎バスに乗り、南千歳で降りる。折りよく07時21分発の手稲行きが来たので、とりあえず乗った。終着手稲で乗り換えとなったので、ここでいったん改札を出て、キオスクで「道内時刻表」を買った。これでじっくり検討ができる。
次の列車に乗り、09時06分、終着小樽に着いた。しかし次の余市行きは、09時44分までない。旅では遠方の予定を先に済ますのが良策だが、ここで40分近くを無駄にするわけにはいかないから、小樽・北一硝子でのお土産購入を先にする。しかし北一硝子へ行くなら、小樽のひとつ手前の南小樽で降りたほうが近かったが、まあいい。
次の余市行きは11時21分である。約2時間あるから「お土産」と「小樽運河」は大丈夫だが、市内文学館と美術館はむずかしい。昨年美術館にお邪魔した際、出展していた大学から案内状をもらっていたのに、申し訳なく思う。
小樽駅前でもらった地図を片手に歩き、北一硝子がある堺町本通りに出た。その並びには寿司屋が早くも営業していたので、ふらふらと入る。何しろ前日の夜にコンビニ弁当を食してから、ここまで何も口にしていないのだ。
「おまかせにぎり・10貫」で1,000円。朝からにぎりとは、私も偉くなったものだ。しかし近辺に「吉野家」「松屋」の類がないのだから、仕方がない。
腹もくちて、北一硝子に向かう。ここは硝子の種類ごとに分館があるから分かりにくい。今回私が求めるのはワイングラスである。といっても船戸陽子女流二段に贈るものではない。ワインの専門家にワイングラスをプレゼントするなど、棋士に将棋の駒をプレゼントするようなもので、感心しない。
任意の店舗に入り、店員さんから、ワイングラスの専門館を教えていただいた。
ヒトへのプレゼントを選ぶとき、自分が使うわけでもないのに、ウキウキしてしまうのはなぜだろう。こんなに神経を遣ってしまうのはなぜだろう。きっと、プレゼントする相手の喜ぶ笑顔を見るのが楽しみだからだろう。
ワイングラス売り場に行き、「彼女」のイメージに合ったグラスを選ぶ。
レジに持っていくと、店員さんが同じ商品を並べだした。これは手作りなので、微妙に形が違うらしい。そう言われて見てみると、並べられた4つの商品は、確かに違う。
私は熟考の末、中倉宏美女流二段の輪郭に最も似ているものを選んだ。
このあとは、行かずもがなの小樽運河へ挨拶に行く。決して綺麗とはいえないこの運河が、なぜ人気があるのか。運河というなら東京・芝浦にも運河は流れているが、そこに観光客が押し寄せたという話は聞かない。…とか文句を言っている自分も小樽運河を訪れているのだから、何をかいわんや、だ。強いて理由を挙げれば、観光地小樽にあること、運河のカーブが官能的なこと、バックの倉庫群にノスタルジーがあること、雄大な山々が見えること、などがあろうか。
それにしても今年の小樽は雪が多い。私は冬の北海道の同時期に定点調査をしているようなものだから分かるのだが、今年は運河脇の歩道の雪の盛り上がりが、尋常ではない。小樽でこの調子だと、これから訪ねる旭川や幌加内、そして札幌はどんな事態になっているのだろう、と心配になってしまう。いや、ますます楽しみになってくる。
小樽は12年前から「雪あかりの路」というイベントを始めている。年々規模が大きくなり、今年も盛大になること必至だが、前述のように、小樽の夜は断念しなければならない。私は浅草橋から中央橋までの運河沿いを歩くと、そのまま小樽駅へ向かった。
駅に着く。と、列車案内板に私が乗るべき11時21分発・余市方面行きの表示がなく、12時20分発・長万部行きの表示が出ていた。
……? 怪訝に思っていると、改札口上にあるモニターに、「小樽発11時21分発の倶知安行きは、大雪の影響で運休になりました」との断りがあり、私は唖然とした。
バ、バカな…!! こっちは普通列車の利用でギチギチの予定を組んでいるのだ。ここで列車を1本飛ばされたら、あとの予定がメチャクチャになる。私は口を開けたまま、そのまま立ちすくんだ。
(つづく)
コメント (4)
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