一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月21日のジャンジャンマンデー(前編)・連勝止まる

2011-02-24 01:07:31 | LPSAマンデーレッスン
21日(月)は、LPSAジャンジャンマンデーに出向いた。ジャンジャンマンデーとは、マンデーレッスンS講師の藤森奈津子女流四段、船戸陽子女流二段、松尾香織女流初段の発案による「LPSA将棋部」のことで、ひたすら実戦を積むことを目的とする。第1回は1月31日に行われ、15人前後の部員が集い、熱戦が繰り広げられた。21日は全3回(第1期)の2回目だった。
午後6時開講。藤森女流四段の挨拶のあと、私も指名を受ける。私は前回4戦全勝で、参加部員中、最もよい成績だった。よって「本日の一日部長」となり、部員を代表して、挨拶することになったのだ。
部長挨拶。
「2時間半ですが、濃密な将棋の時間を過ごしましょう。悔いのない将棋を指しましょう」
この日はHak氏が来席、めでたく入部を果たした。またIz氏も久しぶりに顔を見せ、講師陣から盛大な歓迎を受けていた。あれが私だったら、あんな歓迎を受けただろうか。答えは否、であろう。Iz氏がちょっと羨ましかった。まあそれはともかく、Iz氏も元気そうで、なによりだった。
松尾女流初段が対戦カードを読み上げる。私はサロン仲間のTat氏と。後で分かったのだが、私が連勝中なので、Tat氏がストッパーとして、名乗りを挙げたらしい。
振り駒の結果、私の先手。ジャンジャンマンデーでは、これで5局連続先手だ。☗7六歩☖3四歩☗4八銀。Tat氏はゴキゲン中飛車を得意としているので、今回は二枚銀を中央に集めて、手厚く指すつもりだった。
ところがTat氏は☖9四歩。以下☗5六歩☖9五歩☗6八玉に、Tat氏は☖4四歩から四間飛車に振った。
ゴキゲン中飛車に開眼する前のTat氏は純粋振り飛車を指していた記憶があるが、Tat氏のゴキゲン中飛車には手を焼いていただけに、四間飛車に振ってくれて、正直ホッとした。
右では松尾女流初段-Iz氏戦が行われている。ジャンジャンマンデーは棋力を問わず総平手・振り駒なので、下手にはかなりきつい。Iz氏も辛い手合いだが、Iz氏も最近は定跡書を読みこんでメキメキ上達しているという情報を得ている。このカードは好勝負だと思った。
「(Izクンに、私の)連勝止められちゃうかな」
と、私がIz氏に軽口を叩く。と、
「ちょっとー、あたしがいますけど~」
と松尾女流初段。何を勘違いしたら、この言葉が出てくるのか。よく分からぬが、その天然ぶりが松尾女流初段の大きな魅力であろう。
角交換のあと、Tat氏☖6五歩。これに私は☗7七桂~☗6五桂と二段跳びして、歩を食べる。
この桂を只取りしようと、Tat氏は☖1五歩から香を犠牲に☖6四歩と打ってきたが、私は☗5三桂成から☗1一香成とし、2歩得で指しやすくなった。
実戦も以下、私の攻めがつながり、制勝。感想戦でTat氏は、☖9五歩と端歩を取れたので、普通の振り飛車にスイッチしたと言った。作戦変更がアダになったわけで、Tat氏には不満の残る将棋だったと思う。
松尾-Iz戦は、松尾女流初段の貫禄勝ち。しかしIz氏も、終盤近くまで健闘していたようである。
私の2局目はTak氏と初対局。これも私の先手。☗7六歩に☖3二飛。こういうとき、私はふつうに指す。☗2六歩☖6二王☗2五歩☖3四歩に私は☗4八銀と指したが、角を換えて☗6五角はなかったか。
局後それを問うと、Tak氏は
「それには☖7四角があります」
と即答した。そんな手があったのか。自分の勉強不足を恥じるしかなかった。
「ヨホホホ」
という声がする。中倉宏美女流二段の声にそっくりだが、幻聴だろうか。この日の芝浦サロンは船戸女流二段の担当だし、中倉女流二段がいるわけがない。声がする受付の方を見る。あの後ろ姿は中倉女流二段に見える。幻覚だろうか。
将棋に戻る。Tak氏は穴熊を志向し、☖9一王と潜ったが、これが悪手だった。
私はこの瞬間角を換え、☗6五角。今度こそ角成りが受からず、これで私が優位に立った。
顔を上げると、中倉女流二段がこの将棋を見ていた。おお、これは間違いなく夜のナカクラヒロミだ。またちょっと艶やかである。最近の中倉女流二段はよりしっとりとして、和風美人にいっそう磨きがかかった感じだ。
私は得した桂を☗4七に打ち、☖3五の角を詰ます。と、Tak氏が突然の投了を告げた。
これで角損確定だから攻防ともに見込みがないとはいえ、ここで投了はなかなかできない。頭金で詰まされるまで指す女流将棋を見ている私には、この投了が新鮮に映ったものだった。
ともあれこれで6連勝である。今期のジャンジャンマンデーでは、「最多勝利」「最高勝率」「最多対局」の三賞が設けられている。この時点では三部門第1位だったはずで、ちょっと賞品がチラついてきた。
3局目は大庭美樹女流初段と。どうも、大庭女流初段も私の連勝阻止に自ら名乗りを挙げたようである。
最近は手合い係が板についてきた大庭女流初段と指すのは久しぶりだ。振り駒でまたも私の先手。☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖3五歩。最近はプロもアマも石田流が大流行だが、大庭女流初段もそれにならってきた。
私は☗4六歩~☗4七銀から天守閣美濃を目指したが、これは作戦がチグハグでよくなかった。美濃にするなら☗4六歩では☗5六歩とし、角の通りをよくするべきだった。
本譜は☗9八玉から銀冠にしたが、続けて☗6八金右だと☖3六歩~☖同飛~☖4六飛を狙われ、変化はあるものの居飛車が苦しい。そこで☗4七金と上がったが、これでは勝利が遠くなった。
ここで、中盤の一部分の駒の配置を記す。

先手・一公:☗5五銀☗6四歩☗7五銀☗7六歩☗7八金☗8六歩☗8七銀☗8八角☗8九桂☗9六歩☗9八玉☗9九香
後手・大庭女流初段:☖5六馬☖8三歩☖8四飛☖9一香☖9四歩 持駒:銀、歩…

ここで大庭女流初段は☖9五歩。私は普通に☗同歩と取ったが、☖9六歩とタラされて焦った。☗9六同銀は☗7八の金がタダ。捨ておけば次の☖9五香が厳しい。ここで私は秒読みの声にせかされ☗7七金と上がったが、これが意味不明の大悪手。当然☖9五香と走られ、☖9七銀から角を取られた上に☖5五馬と銀も取られ、完敗となった。
戻って☗7七金では☗8四銀と飛車を取り、☗7七角と上がるのがよかった。次☖9五香には☗8八玉と寄って耐える。これでも先手が悪いが、こうやって勝負を長引かせるしかなかった。
ついに連勝がストップ!
「うおあー!! やっぱり米長玉にしたのがよくなかったなあー!! ☗4七銀型と天守閣美濃の組み合わせはよくないよ。分かってたんだけどなー、失敗した」
私は負けた腹いせに吠えまくる。対して大庭女流初段はニコニコ顔だ。
「やったー!!」
とバンザイをされた。む~、プロがアマに勝って喜ぶとはあべこべだが、本日3人目の刺客として任務を遂行したから、喜びもひとしおなのだろう。
私も悔しがっているヒマはない。ジャンジャンマンデーだから、ジャンジャン対局がつく。4局目はきょう2月24日誕生日のKun氏と(おめでとうございます)。しかしこの対局が、忘れられない将棋になろうとは、このときは夢にも思わなかった。
(つづく)
コメント (2)
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