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警官の血

2017年05月23日 | 雑感
佐々木 譲(ささき じょう)著の『警官の血』が新聞に紹介されたので読んでみた。
序盤の戦後の混乱期に食べるために警官になった”いきさつ”を読み、長年読み継がれてきた小説という印象を抱く。
ところが、早々に主人公が死に、トーンが違ってくるに及び、なるほどタイトルから警官の血筋をいっているのだと遅く気づかされた。
「三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ」という触れ込みになっていた。

しかも、2007年に日本冒険小説協会大賞を受賞したというからまだ新しい小説だった。
また、第138回直木三十五賞にノミネートされ、2008年版の「このミステリーがすごい!」では第1位になったという。
更にテレビ朝日・開局50周年番組として、テレビドラマ化され2009年に二夜連続で放映されたことは読後に知る。

谷中の天王寺駐在所に配属された隣には、幸田露伴の小説『五重塔』のモデルにもなった五重塔があり、五重の塔が火災に遭った事件をからめ、主人公は謎の死を遂げる。
露伴が向島に暮らした跡地を歩いたことがあり、自分の家を「蝸牛庵」と名づけた露伴邸は、いまは明治村に移築されている。

長男も父の跡を追い警察学校に進むが、連合赤軍の密偵を命じられ過酷な運命を背負う。この二代目がiinaと同年なので、学園紛争を巧くからめたと思わせる。
この二代目も父の死の謎に迫った直後に殉死する。

その子も三代目警官になり、知るや知らずの内に祖父の死の謎を追うことになる。この謎が柱になっている。

次の「人物相関図」を必要とするほど人間関係は複雑ではないものの、参考にするには読後にご覧ください。
三代目直属上司が刑事小説によく登場するタイプの凄腕刑事で続編「警官の条件」にも続投し正義の見つめ方を問うらしい。巨悪を摘発するための必要悪はどこまで許されるか・・・。



次のテレビ版は初めに犯人を明かす手法を採っているいるから、個人的にはおすすめしない。
      
 

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6 コメント

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警官の血 (らいちゃん)
2017-05-23 08:54:59
親、子、孫の三代に亘って警察官に勤めていると言うことは、正に警察の血筋を引いている一家のようです。
市民の安全を守る職業だけに常に危険と向かい合い、時に命を落とす事もあるかもしれません。

今、国会ではテロ等準備罪新設の法案が審議されています。
警察官の命を守るためにも、テロの準備を行っている集団には早めに処罰をしなければならないような気がします。

>都からみて向日(むこう)と名づけたように、例えば「大和三道」として、上ツ道(かみつみち)、中ツ道(なかつみち)、下ツ道(しもつみち)を整備して名づけたようなものですね
そのようですね。
中国地方出身の私も、その謂れについては今回初めて知りました。
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記憶が~! (テイタイムryo)
2017-05-23 21:52:36
「警官の血」ずいぶん前に見た記憶があるんですが
内容邸には記憶薄です。

親子3代にわたって事件に対して追及という・・・
youtubeが張ってあるので見せていただきます。

有名俳優が多数出演されていましたね。

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らいちゃん  へ (iina)
2017-05-24 08:25:03
> 「肉じゃが発祥の地」 ・・・ 発祥の地を巡って二つの市が火花を散らしている
日露戦争でバルチック艦隊を打ち破った東郷平八郎がビーフシチューを注文したのがキッカケでしたか。 φ(..)メモメモ

料理長は、ビーフシチューを 「憎ぃじゃが・・・」 と思ったわけではないでしょうが、おかげで おいして肉じゃがを食べることができます。

「警官の血」は上下の2巻ありますが、イッキに詠めました。

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 (テイタイムryo) さん へ (iina)
2017-05-24 08:52:52
サボテンをずいぶんと集めたものです。

iina宅の少ないサボテン鉢でも、お花を咲かせていました。
そうですね、いまごろにサボテンはお花を咲かせていました。神奈川県立相模原公園にある植物公園に咲いたのもいまごろでした。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/c62b132e38dcf08df20602b9109b603a


テレビ版「警官の血」は、祖父の形見のホイッスルを効果的に使い、また五重の塔が燃える場面なども視覚的にも巧く表現していました。
こちらも一夜と二夜の2部作でしたね。肝心な個所をYouTubeで はしょって観ました。

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「警官の血」のテレビ放映 (更家)
2017-05-25 16:33:10
テレビでの「警官の血」は、2009年に2夜連続放映でしたか、知りませんでした。
見たかったなあ~。

私は、「警官の血」の上下2巻とも一息に読んでしまいました。
非常に面白かったので、舞台となった谷中の天王寺駐在所や、幸田露伴ののモデルになった五重塔を見に行きました。

時代背景として、戦後の混乱期や、学園紛争を巧く絡めていたので、重厚な時代小説になっていました。

掲載して頂いた「人物相関図」、分かり易くて、私の頭の中の整理が出来ました。
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 (更家) さん  へ (iina)
2017-05-26 10:38:38
「鉢石(はついし)」を、おハツ (初) に識りました。 φ(..)メモメモ
「鉢石(はついし)宿」が、日光街道 最後21番目の宿場ということは、終点の日光宿はないということでしょうか ?

日光の名物が「ゆば」だとは最近に知りましたが、とてもおいしかったです。 「ゆば膳」で湯葉を食べ比べてきました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/63c5c267103d3d947ccbf25c06cb9690

冤罪で殺された者を供養するために 「竜蔵寺」を建てたのでした。
いまでも 「鬼の首取ったつもりが俺の首」 なんて政治劇もありました。 馘の後には追い詰められて自殺してしまいました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/4525af0decc206f3e3aa1828d53cf03a


> テレビでの「警官の血」は、2009年に2夜連続放映でしたか、知りませんでした。 見たかったなあ~。
テレビ版はYouTubeに残ってますから、お暇なときにでも ご覧ください。 iinaも 小説「警官の血」上下をイッキに読みました。

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