北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第94回 通州・太平庄(その二) またも見つけてしまいました!!

2016-05-11 17:02:29 | 通州・胡同散歩


情けないことにもとの場所に戻ってしまいましたが、気を取り直し、今度は写真右側、南方向に
向かって歩くことにしました。

間口が広く入りやすい。でも、奥に行くほど道幅が狭く、しかも見通しが悪くなっているようです。
どこに辿りつくのかわかりません。歩きとおすにはちょっとした勇気が必要です。歩けるところまで
歩いてみたいと思います。



目に映るものそれぞれが、一つの全体となって趣きある胡同の絶妙な雰囲気を造りだしていました。

右側にイス。やはりイスというのは、胡同には欠かすことの出来ないアイテムの一つなんですねぇ。



こんなにも胡同の住人に愛されるイス、さぞかしうれしいに違いありません。



落ち着きはらった様子、貫禄さえ感じられます。



目を左側に転じると、緑のパラダイス・胡同植物園。
急いで通り過ぎるのはもったいない。時間が許すかぎり、名だたる庭園を散策するように
じっくり歩きたいですね。





目の前の植物群だけを眺めていると、人間界から遠く離れた秘境を探検しているような気に
なってしまいます。





「植物の名前をはやく覚えなくちゃなー」と反省しながら、右側を見ると、イスの陰にワンちゃん。



その先には、イスと植木鉢。



上の写真を撮っていると、ワンちゃんが移動してきました。
写真奥の場所が、このワンちゃんの定位置なんですね。実にキマッてます。



初めて会った私がカメラを向けてもピクリともいたしません。
人間を信頼してるんですねぇ。胡同住民に常日頃愛されている証拠です、これは。

ワンちゃんから再び目を左側へ。



住人はいらっしゃるようですが、出入り口は他の場所のようです。
右側に、やはり植物たち。





そして、上の植物たちの隣の花壇。
ステキすぎますですね。



花壇の前から、振り返って。





勢いよく成長している植物たちを見ていると、お蔭さまで気持ちが清々しましたよ。
冬、乾燥していて、寒くて長い北京。こういう環境って、植物の生育にはどうなんだろうと
改めて考えさせられてしまいました。だからこそ胡同の住人たちは、植物に人一倍の愛情を
そそぐ。そして、季節がめぐってくると、いたる所が植物園に。胡同に住む人たちの心の中の
「古層」にある何かが植物たちを求めてやまない。わたし的には、そんな気がして仕方が
ないんですよ。

緑の楽園から体勢を戻して、さらに南方向に進みました。
やはり道幅が狭くなってきていました。



左を見ると路地があったのですが、今回はそのまま南方向へ。



道幅が狭くなっていたのですが、イスや緑やイヌが私を勇気付けてくれたようで、お蔭でさらに
進むことが出来ました。





左にニワトリ小屋。



ニワトリやウサギを見ると、小学生の時に飼育係をやったときのことを思い出すんですねぇ。
6年生の時には東京の上野動物園や附属の子供動物園でも飼育係の真似事を体験したんですよ。
夏休み、朝早い開園前の動物園。ゾウガメに乗せてもらったり、キツネやタヌキ小屋の清掃、
それから名前は忘れましたが、大きなヘビに触らせてもらったり。ヘビはヌルヌルして
ないんですねぇ。みんな可愛らしかったですよ。
・・・失礼いたしました。思い出を語っている場合ではありません。

右側に三輪車。後ろに「自用」と書かれた紙が貼ってあります。タクシーとまちがわれないための
策。



左側のお宅の前を通り過ぎようとしたら、ワンちゃんが飛び出してきました。



一瞬驚いたのですが、不思議そうな目をして私を見つめるだけで、見知らぬ私に向かって、まったく
吠える気配はありません。前に紹介したイヌと同じく、この界隈には危害を加えるような人はいないの
でしょうねぇ。



さらに歩きます。



道端に石臼の一部。



ついシャッターを切ってしまいました。





気が付くと、右側にこんな宅門。



おもしろいですねぇ。鉄製のドアと月亮門を連想させる飾り、新しいものと古いものとが
合体して、不思議な雰囲気を醸し出しています。こういう場所でこういう宅門に出会う
なんて、全くの予想外でしたね。

角度を変えて。やはり、植木鉢が並んでいました。



突然ですが、上の宅門をほぼ七ヵ月後の今年の4月に再び訪れると、こんなになっていました。



部屋として実際に使うのか、それとも単に採光をよくするためだけにガラスの部分が多いのか
分りません。今後も調査予定でございます。

突き当たり。道が左右に分かれていました。



進行方向左には、なんと、イス、石臼の一部、そして石臼の陰に隠れるようにして門枕石。



宅門。その前に置かれたイス、植木、そして背後のビーチ・パラソル。どれをとっても
ステキじゃありませんか。



思わず角度を変えて撮ってしまいましたね。



そして、感激したのは、このお宅に即して走る、なんともいい雰囲気をした魅力的な路地。



胡同の歩き始めに怖気づき、コース変更して良かったですよ、こんなステキな路地に出会えたん
ですから。
時に、不安や怖さに臆病になることもまんざらではありませんねぇ。今度こそは、この路地に
魅入られたように、何のためらいもなく一歩を踏み出していましたよ。

  
  
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第93回 通州・太平庄 (その一) 風 吹き抜ける

2016-05-08 10:25:01 | 通州・胡同散歩


今回から数回に分け、この「太平庄・甲1号」の宅門前から太平庄(胡同)を歩きます。

早速ですが、この宅門前に出来た木陰には、ママさんと子供さんがいました。
ママさんは、なにやら美味しそうに飲んでいて、私も椅子に腰掛け、飲みたかったですよ。



お二人の左斜め前には、緑がいっぱいです。
そのため、この外壁に貼られた「太平庄」と書かれたプレートが見えません。
ちなみに、右側の通りは「紫竹庵胡同」。



緑がない時は、ご覧の通りでございます。
矢印が「あっちに行くと太平庄」と教えてくれます。親切ですね。



ママさんと子供さんに見送られ、門前から矢印の指す南方向に歩き出しました。
次の写真奥が本格的に太平庄。

今まで、写真左に見えるトイレ辺りまでは行ったことがあるのですが、それ以上は
進んだことがありません。ちょっと緊張してます。



クルマが三台停まっていますが、ここ数年の間にこの界隈の胡同内にも
自動車が増えているように感じます。
ちなみに、三年前に撮った写真をアップしておきます。



いよいよ前進。



左側に道。
男性が、電動三輪車でお出かけのようです。



よく見ると、ヘチマがぶら下がっています。ヘチマはどこかひょうきんで、それでいてどことなく
風格があります。
そのヘチマに惹きつけられるようにこの道を歩き始めてしまいました。









左側の家の玄関前を過ぎ、さらに奥へ。



植え込み。胡同にお住まいの方たちは、ホント、植物のお好きな方が多くていらっしゃる。



さらに進み、奥の家。
窓のところや道端にプランター。



上の家の前を過ぎ、左側をみると行き止まり。
ちなみに、突き当りのお宅は「太平庄26号」。



右側には素敵な路地がありました。



見通しがききません。このまま歩いて行くと、途中で行き止まりになっていそうなのですが、
なんとなくさらに奥へ行けそうな気配もあります。その場合、いったい何があるのか、いったい
どこへ通じているのか、さっぱり分りません。いい雰囲気なのです。

この路地に入ってみたいという気持ちはあったものの、「どうしようかなぁ」とその場に佇んで
いると、心の中を突然一陣の風がヒューッと吹き抜けていきました。
臆病風に吹かれるって、こういうことですかね、気がつくと、
「こういうこともあるんだ。無理は禁物。それが胡同歩きの鉄則だな」、
そんな言い訳をつぶやきながら、もと来た場所に戻っていました。初めての体験でしたね。



初めての太平庄(胡同)歩き。実に情けないスタートになってしまいましたよ。


 
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第92回 北京・司馬台長城脚下『古北水鎮』 (行きたくても行けなかった場所) 

2016-05-03 12:23:39 | 旅行
みなさんは、労働節の連休をいかがお過ごしになられましたか。
気温が急上昇したり、天候が不順であったりして、思うように屋外を出歩くことは
しなかったのですが、それでも地元の胡同を歩いたり、大運河森林公園で遊んだり
しました。また、自宅では映画「我這一輩子」(原作・老舎)や「城南旧事」(原作・林海音)
を久しぶりに観ることができ、お蔭さまでなかなか有意義に過ごすことができました。
今挙げた両作品はかつての北京の歴史や胡同の様子を知るのに最適な作品だとわたし的には
思って観ているのですが、淡々としたストーリー展開でありながら、毎回グイグイと引き込
まれてしまいます。私にとっては傑作なんですね。

前置きが長くなってしまい申し訳ありません。
話しは変わって、みなさんにも行きたくても行けなかった場所っておありではありませんか。
私の場合、司馬台長城の近くの「古北水鎮」がそれ。
先月4月のこと、我が家のかしましい美魔女奥さんが旅行好きな友人たちとこの
「古北水鎮」に出かけたのですが、私はというと、当日残念ながらちょっとした用事があり、
一緒に行くことができずに悔しい思いをしました。
この「古北水鎮」、まるでテーマパークのような村。あまりにも整いすぎていて、何かと抵抗
を感じるところもあるのですが、それとは別に、できればこんな運河のある、こじんまりとし
た村に住んでみたいという憧れ心が私の中にあるんですよ。一度は訪れ、運河で舟に乗って
みたいなぁ。まぁ、だからこそ現在、北京の運河の街・通州に住んでいるのですが・・・。

そこで、今回紹介するのは、その行きたくても行けなかった場所「古北水鎮」ということに
なるのですが、以下の写真は行けなかった私のために土産代わりにせめて写真だけでもと
奥さんが撮ってきてくれたもののほんの一部。写真だけになってしまいますが、ご覧いた
だければ幸いです。







































いかがでしたでしょうか。江南地方を髣髴とさせる村全体の雰囲気や村を流れる運河や舟、
実にこじんまりとした教会が素敵ですよね。奥さんによれば、レストラン、宿泊施設もあり、
時間に余裕のおありの方は泊まりで出かけることもでき、日帰り旅行も可能だそうです。
友人知人たちとワイワイガヤガヤと運河沿いを散策、小さな舟の旅を楽しむのもよろしいの
ではないでしょうか。



次回は奥さんが私を案内してくれるそうです。その時には奥さんのお尻にくっついて行きたいと
思います。今から楽しみにしています。



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