「命」が早い者勝ちで決めて良いのか

2021-05-02 11:19:47 | 日記

「コロナ禍」への不安はますます増大している。その意味でもワクチン接種への期待は大きい。そして高齢者向けのワクチン接種が、福島県内トップで郡山市において実施された。その対象者は9万人である。

しかも、その申し込みは電話とネットによって行われた。当然にしてネットによる申し込みは、電話によるそれよりも早いのは確実である。しかも高齢者にネットは馴染まない。そして4月12日970人分の申し込みが開始されたが、僅か50分後に予約終了となった。そして、その予約は電話回線によるものが全体の1割、残り9割がネットであったとも報じられている。

また福島県内の死亡率は全国1位である。その要因は医療施設あるいは高齢者介護施設におけるクラスターの発生にあることも明らかになっている。であれば「接種の的」は自ずと決まるのではないかとも提起した。

郡山市は第一回の反省から、第二回(4月26日)は電話回線2.5倍(50回線)に増やし、まず、最初の2日間の申し込み受付を電話のみ(4400人分)としたが電話が殺到。その入電数は20万9000件、一人が複数回電話をしたとしてもまさに異常な世界である。それだけ皆の不安は大きいということである。さらに3日目は、電話とネット申し込み(4385人分)としたが、電話予約が838件、ネット予約が3547件と、ネット予約が圧倒的であることがここでも証明されている。

まさに高齢者を「異常な世界」に巻き込んだことになるが、事、ワクチン接種となれば

命かかわる問題である。供給量の絶対的不足とは言え、そうであれば尚のこと人間の知恵を働かせないものだろうか。

勿論、重篤化しやすい高齢者には接種が必要である。しかし、冒頭でも述べている感染者の死亡率とその要因を考えれば、僅かな供給量を活かすという観点に立ち、その「的」は医療施設、介護施設であるとの決断があって良いとの指摘もした。現に、複数の自治体ではその方針をとっている。

 今般のコロナ禍に対しては「首長」の決断が重視されている。そのことも正しい。しかし、市民の生活要求と参加、それに伴う知恵と決断も必要であり、その市民の声を代弁する「議会」(議員)の場も重視しなければならないと思う。また、そのような報告も、市民からの発言も、そしてそれを受けての議員の動きを見ることができなかったことは残念である。

 しかも、今なお、過酷な医療体制の中で戦っている「医療従事者」においても、未だ接種を受けていないという実情を考えれば尚のことであろう。

 「命を守ることが、早い者勝ちで良いのか」。あらためて痛感をした今般のワクチン接種であった。

 

 


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