天皇の生前退位有識者会議・保守派が反対表明
天皇陛下の生前退位に関する安倍晋三首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長・今井敬経団連名誉会長)は11月14日、首相官邸で第4回会合を開いた。歴史の専門家ら6人を招き2回目のヒアリングを実施したが、保守派の渡部昇一上智大名誉教授、ジャーナリストの桜井よしこ氏は生前退位に反対の表明をしたと報じられている。
そこで当日の発言要旨を読むことにする。
「昔から天皇の仕事の第一は国民のために祈ることだ。国民の目に触れるようなことは必要がない」(渡部昇一教授)
「天皇の役割は国家国民のために祭祀を行うことだ。何をなさらずとも、いて下さるだけでありがたい存在。それいがいを天皇であることの要件にする必要性も理由もない」(桜井よしこ氏)
そして両名とも「この間の被災地の訪問とか戦争犠牲地への追悼訪問などは天皇の行為としては不要、それは皇太子などが分担すればよい」と断じている。
つまり天皇の最も大事な役割を祭祀であり、その他の国事行為などは「皇室典範に規定にある『摂政』による代行が望ましい」と言い切っている。
では「祭祀」とは何かとなる。
ここからは専門家の出番となるのだろうが、あえて市民の知識と感覚で述べてみたい。
前記両名とも「祭祀」を取り上げそれが天皇の役割としている。そのことは次の「宮中祭祀」を意味しているのだろう。
【その起源は『日本書紀』に記されている天照大神(あまてらすおおみかみ)が天孫降臨(てんそんこうりん)にはじまり、天照大神が天孫に種籾(たねもみ)を授けられたことをもって宮中祭祀の第一は大嘗祭(だいじょうさい)、新嘗祭(にいなめさい)の神事とした。そのことは国家・国民の安寧幸福と世界平和を祈られることにあり、象徴天皇にふさわしい「公事」である】と解説をしている。(日本のこころ・日本文化興隆財団)
ここまで述べてくると、それは「国民の象徴」と言いつつも実は天皇の「神格化」を意味する事であり、天皇による「神の国」と結びつく。そして思い出す。森自民党元総裁をはじめとして、政治の場で幾度も語られてきた「神の国」発言のあることを忘れることはできない。
さらに思い出す一つの事件に対する長谷川三千子埼玉大名誉教授(日本会議代表委員・NHK経営委員)の次の言葉がある。それは右翼活動家の野村秋介が20年前朝日新聞東京本社で拳銃自殺をした右翼活動家の野村秋介をたたえた追悼の言葉である。「野村秋介は神に死をささげたのである御神であられる天皇陛下であった。『すめらみのこといやさか』と彼は三回唱えたとき、彼がそこに呼び出したのは、日本の神々の遠い子孫であられると同時に、自らも現御神であられる天皇陛下であった」と。・・後段省略・・
亡霊は今もって消えていないことを知るべきであろう。
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