《おらぁ、日本一の天野アキになります》

2013-09-05 17:02:44 | 日記

《おらぁ、日本一の天野アキになります》

 

 

NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』をみている。

大友良英さんのオープニングテーマ曲も楽しいし、「じぇ じぇ じぇ」も楽しくて毎日みている。

ドラマのヒロイン天野アキが、3.11の震災に遭った地元に帰ることに決めたとき、薬師丸ひろ子演じる女優・鈴鹿ひろみが、アキへ言った言葉、

《今、日本で、天野アキをやらせたら、あんたの右に出る女優はいません》

《だから、続けなさい。向いてないけど続けなさい》

が、みている私の心に、じわっと沁みてきた。

アキは応える。

《おらぁ、日本一の天野アキになります》

★     BGMは「GMT47」の歌、“地元に帰ろう 地元で会おう”が流れている

 

さて、私の心に響いてきたモノ、沁みてきたモノはなんなのだろう。

 

大地震・大津波という天災に加えて、原発被害という災禍に遭った私たちのふるさと福島県。

強制的に避難させられた地域の人たち、そして避難区域には入ってなくても、放射線禍を避けて他県に出て行った人たち。

この地に留まって生きて行こうとしている人たち。

それぞれが、それぞれの思いで選び、暮らしていても、「ふるさと」と呼ばれる、「この地」への想いは、切なくもあり、懐かしい『地』なのです。

ふるさとの大地の『地』。そして、「地元」の『地』なのです。

山があり、川が流れ、桜の春も、紅葉の秋も……生きとし生けるものと共に生きてきた『地』。

【ふるさとの山に向かひて言うことなし ふるさとの山はありがたきかな】

と啄木が詠んだ大切な、ありがたい『地』なのです。

 

“地元に帰ろう 地元で会おう”の歌に、私は、失われた、ふるさとの大地の『地』を思い起こされたのでした。

《今、日本で、天野アキをやらせたら、あんたの右に出る女優はいません》

と言う言葉は、〈自分自身を生きよ〉ということのように私には聴こえました。

単に、一つの場所としての「地元」ではなく、自分自身に還る、自分の声に耳を傾けて生きる、他人の規範に従うことでは無く。

 

アキは応えます。

《おらぁ、日本一の天野アキになります》

この決意は、アキが、自分自身を生きようとの決意表明でもあったでしょうか。

アキの決意表明は、最近の政情や汚染水問題などで、少々、滅入りがちだった私の心をゆさぶってくれたようです。

私も、

《おらぁ、日本一の、「実(げ)に腹ふくるる心地のばーば」で行こう》

と決めました。

                                              「寄稿」 ≪実(げ)に腹ふくるる心地のばーば


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