海も悩むが、陸も悩む・人間の知恵と判断にも悩みが。でも乗り切った行政

2013-09-04 17:33:42 | 日記

    海も悩むが、陸も悩む・人間の知恵と判断にも悩みが。でも乗り切った行政

はじめから尾篭の話で恐縮であるが、「遷都」の理由の一つに「糞尿の処理」があったということを聞いたことがある。二枚の板にまたがり用を足すのであるが至る所に穴を掘った。その無数の穴が飽和状態になり、耐え切れなくなって「都を移した」という話である。どの教科書にも載っていないがあり得たことだろう。

幾度となく述べてきたことであるが「トイレなきマンションという名」の原発が、今「汚染水」によって脅かされている。

「政府の責任において対処する」と安部首相も述べ、膨大な対策費を計上した。

どうしようもない問題である。対策の目途がたつのか。その一つに遮水壁をつくり地下水の流れ込みを防ぐというが、これとて効果は未知と言われている。二つが浄化装置の「アルプス」の増設と機能強化の開発である。この件については前のブログにも書いたことだが、現在停止している装置の原因究明が明らかになっていない現在、増設や開発の先が見えないとするのは素人の考えであろうか。

そこで、海から陸へ目を転じたい。それは「仮置き場」の問題である。

とりわけ中通り地区の除せんとその汚染物の保管である。当初は一般住宅の除せんを急ぐとして、早急に仮置き場」の設置が求められた。しかし、その仮置き場が決まらないのである。候補地をあげては地域住民の反対により実現できない。そこで「宅地内埋設」を基本として除せんが始まった。

その中で、顕著な実績をあげたのが伊達市(県都福島市の隣に位置する)である。隣接するのが飯館村で避難区域である。当然にして市内も線量の高い地域が存在する。そこになんと80箇所の仮置き場をつくったのである。しかも、そのすべての土地は民有地である。

他市町村においては、公有地を候補に上げながらも実現できないでいる。

その伊達市の仮置き場を見学した。現地に到着、仮置き場から10メートル離れた地点の線量は0.56マイクロシーベルトであった。(以下μとする)。周囲をアルミ塀で囲まれた仮置き場に入る。おおよそ50世帯分といわれる処理物が、フレキシブルコンテナ(以下フレコンとする)に入れられ3段積みとなっている。その上をゴムシートで覆っているだけである。一寸した小山である。そこから5メートル離れたところで計測した線量は0.3μであった。この謎解きは簡単である。10μのフレコンを100個集めれば1000μになるだろう。それが許せないというのが住民感情であった。しかし、実証試験の結果、フレコンの表面が10μであるのを100個集めようが、1000個集めようが表面は10μである。このことを承知の上で、その一つ一つを計測し、高い線量のフレコンは中心部に、低いフレコンを外側にして積重ねて管理をする。それが答えである。高いところを放置しない。それを集めて管理をした場所も以前より低下した。高いところも無くなった。すべてが「良し」ということである。それでも0.3μは許せないとなれば、もはや行政は手をつけられないということであろう。

この理解をしてもらうのにかなりの時間と労力を要したと責任者は説明していた。ある説明会場でのことである。若い母親が手を上げ「わかった。帰って婆ちゃんを説得する」と。その発言者の家はその候補地に一番近いところにあったと言う。一気に話が進んだと報告していた。

線量を減らせ、除せんをしろと言う。

そのためには「仮置き場」が、そして「中間貯蔵施設」がとなると答えは「ノー」。仮に「イェス」となっても持ってくるのは俺らの地域だけのもの、よそからは持ち込ませないとなる。

人間が、自ら生み出したもので、どうしようもない「世界」をつくってしまった。大昔の「遷都」ではないが福島県をそっくりどこかに持っていくか。

 

 

 


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