業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

リリーさん、家出する

2006年12月31日 | 業務日誌
このブログを見ている皆さんにお願いです。
どうかこの年末年始の新聞記事に、高齢者国際カップルの痴情のもつれ、という刃傷沙汰がないかどうか注意して見ていて下さいませんか。



「ハリケンさん、あの女狐が出て行くと言うんじゃい!またヘルパーさんを寄越してほしいんじゃい!!」

年が明けたら入籍するはずだったトシオさんから電話をもらったのは、12月21日のことでした。

ナマホのトシオさんは糖尿病性網膜症でほとんど視力がありません。
韓国人でオーバーステイのリリーさんと恋に落ち、来年早々入籍をひかえた身で、その幸せな同居生活での暴飲暴食がたたってか、透析しなくてはならない身体になって入院してしまいました。
しかし、ナマホは1ヶ月以上の入院でホゴ費が減額になる。
そのためトシオさんは、チッ、おとなしく30日入院していてくれれば加算が取れたものを20数日でムリヤリ退院してきてしまったのです。
私は慌てて病院から看護サマリーを取り寄せ、管理栄養士さんから栄養指導書をもらい、韓国語を読み書きできる方にお願いしてその指導書を訳してもらいました。
そうしてその栄養指導書ハングルバージョンをお渡ししたのが12月19日。
その内容の細かい部分について、リリーさんから電話で問い合わせがあったのが12月20日。
そして2人が破局(?)したのが12月21日
一体どんな不幸がトシオさんとリリーさんを襲ったのか.............

トシオさんはまるでヤ○ザのように、私に怒鳴る。

ハリケンさん、あんたは、せっかくワシが隠していたことをよくもペラペラとしゃべってくれたな!おかげでリリーは、ワシに『騙された』と言って荷物をまとめよるんじゃい!」

…ワケがわかりません。

「私が?トシオさんの隠し事をリリーさんにペラペラですって?どういうことなのかわかりません。トシオさんがただの胃炎といってごまかしていたのが、実は透析しなきゃならないほどの糖尿病ってことを私が説明したのは入院前のことですよね?他に何か隠していたことがあったんですか?」

するとトシオさんは、目いっぱいドスの利いた声で私を威嚇。

あんたはワシがナマホだということをリリーにバラしたんじゃい!
それでリリーが出て行くと言うんじゃい!



はァ?

「…ちょっと待って下さいよトシオさん。じゃ、リリーさんはトシオさんがナマカツホゴの受給者だということを知らなかったんですか?」
トシオ「そうじゃい!あんたがバラすまではな!」
「トシオさん、入院する直前の住宅改修の相談のとき、浴室にシャワーをつけたいと言われて、私はさんざん介護保険制度やら障害者福祉制度やらを検討して、結局どっちでもダメだったということがありましたよね?」
トシオ「だからなんなんじゃい!」
「それで結局、ホゴ課の相談員さんに相談したら、『ナマホではシャワーは自費で対応してもらうしかないと決められています』と言われて、そのことは私も説明しましたよね?」
トシオ「ああそうじゃい!」
「そもそもあのときのシャワーの件は、韓国人のリリーさんが、お国の入浴習慣との違い(※韓国では浴槽を使うことは少なく、朝夕シャワー浴をする)のために不自由しておられるということで、トシオさんが私に『なんとかしてほしい』と言われたことが発端でしたよね?」
トシオ「そうじゃい!ワシの親切心じゃい!」
「…私は介護保険の相談を仕事としている者ですが、障害者の支援制度もコーディネートしてその依頼に対応しようとしました。そして最後には、ホゴ課にも相談に行きました。結局どの制度も利用できなかったので、リリーさんに申し訳ない、トシオさんにもすまないと思って、『なんとかホゴ費をやりくりして改修費用を貯めて、シャワーをつけられるようにしましょうね』とおふたりにお話ししましたよね?これまでは言い出せなかったとしても、せめてそのときにトシオさんは、リリーさんにご自分の状況を説明しなきゃいけなくないですかね?」
トシオ「…」
「リリーさんはトシオさんの奥様になる方ですよね?当然食費や生活費、貯金をするなら貯金のことも含めて、トシオさんの生活全般のことを相談しなくてはならない立場の方ですよね?」
トシオ「…」
「しかもすでに生活を共にしておられ、同居家族ができたということでヘルパーの利用もとめましたよね?ホゴ課の相談員さんとは、ホゴ費の増額の相談もしましたよね?私ももう何度も相談に乗りましたよね?」
トシオ「…」
なのにリリーさんが、トシオさんがナマホだということをまだ知らなかった、トシオさんが隠していたということはどういうことですか?私が通訳の方にお願いして、ナマホの生活費の中で、いかにしてトシオさんの食事を管理していくかについて、奥様であるリリーさんに説明したり相談したりしたことについて、私がトシオさんにこうして電話ですごまれなくてはならない理由が一体どこにあるんですか!
トシオ「…」
「とにかく今からすぐに行きます。リリーさんはいま荷物を作っておられる最中なんですね?まだそのお宅におられるんですね?10分でそこに行きますから待ってて下さい!


「私は騙されていた、この人(トシオさん)は私にウソばかりついていた」
涙目でそう訴えるリリーさんは、トシオさんから

・自分は大学を出て大きな企業に勤めていたので年金は月に25万円ある
⇒ほぼ無年金。ホゴ費は月額13万円。
・ある不幸な出来事がもとで両眼の視力を失った
⇒糖尿病性網膜症。
・日本国籍が欲しいのなら、自分が力になってあげられるので結婚しよう、何にもしなくていいから週に3回ほどワシの自宅に通ってくればいい
⇒料理洗濯掃除をすべてやらされている。

こと料理に関しては、リリーさんの作るものが口に合わないらしく、毎日厭味を言われてもう我慢できないのです、とリリーさん。
ケアマネさんのせいじゃない。
生活保護だからという理由だけで別れる訳じゃない。
この人が私と結婚するために、こんなにウソばかりついていたことがやっとわかって、それでもうやっていけないと思ったんです。

私はケアマネですから、おふたりの約束ごとや結婚についてとやかく言う権利はないし、そのつもりもまったくございません。
ですがトシオさん、あなたのやってることは立派な結婚詐欺ですよ。
そう言うとトシオさんは
「そんなことはない!男と女のことなんだから、こんなものはウソも方便というヤツじゃい!
などとホザくのです。

あ、そ。
わかりました。

とにかくもーこの年末に、ヘルパーさんなんか組めませんので、利用は来年からにして下さい。それまではなんとか、このリリーさんにおすがりしてもうしばらく滞在してもらうなり何なりして下さい。
(どうせ私が退出したあとで、女々しく泣き落とすとかどうとかするのはわかってますから)
あ、もとの事業所はもうヘルパーは出せないそうですので、また新しい事業所を探さなくてはなりませんが、トシオさんはこれまでもう5,6軒事業所を断ってこられたので、気に入るヘルパーさんが来るかどうかはわかりません。その点どうかご承知おき下さいね。

それと、今回のことはホゴ課の相談員さんに報告しておきます。
リリーさんから詐欺で訴えられないように、せいぜいご機嫌でも取っとくんですね。
それじゃトシオさん
良いお年をお迎え下さい。

いまここにある問題

2006年12月30日 | 重要事項説明書
画像は私のパソコンデスク。雑然。
今年はじめて購入したケアマネ手帳の上に座っているのは、おととい雑貨屋さんで見つけた、ブロンズのカエルくんです。
昔からカエルが大好きで、小物や雑貨や意味不明なカエルグッズを見るとつい買ってしまいます。家族さえ反対しなければリアルカエルくんも飼いたいのですが。



昨日、仕事納めの日、わが法人ひがし会内スタッフサロンで、毎年恒例の従業者お
食事会が開催されました。
この法人で唯一まともないい仕事をしている栄養課の計らいで、一年の労をねぎらって立食パーティー形式で昼食をとるのです。
お食事の前にはまずひがし一族の誰かがお言葉を下さるのですが、今年はそのお役目を院長婦人が果たされました。

ひがしクリニック院長婦人のお言葉。

わたくしから皆さんに言いたいことはただひとつ。
それは…ぶつかりあって、火花を散らしてもいいけれど、そのあとはスッキリわかり合えるような法人にいたしましょう、ということです(以下略)。


…こんな席でこんなことを(しかも開口一番)言う院長婦人の神経にも驚いたし、このお言葉の内容にも驚いた。しかしウラを返せば、院長婦人がこんな席でこんなことを(しかも開口一番)言わなきゃならんほど、この法人は荒れているということなのだ。

ひがしクリニックvsひがしケアプランセンター。
ひがしケアプランセンターvsひがしヘルステ。
ひがしヘルステvsひがし訪看。
もうどうしようもなく関係が悪い。
特にクリニックと居介は、先日のアイリン女史と森の神の対決以来、クリニックナースの大部分がアイリン女史に対し総攻撃を開始しています。
これが一部地域でも有名な(高ビーなことでも超有名)、医療系の雑誌にもたびたび(特大写真入りで)登場するような看護師のすることかと思うほどレベルの低い、陰湿ないじめが勃発しています。
いえいえあなた、挨拶をしないとかシカトするとか、それももちろんありますがね、たとえば、アイリン女史の母国の特性を引き合いに出して
『いくらお国柄とはいえ、すっぱいものばかり食べているものだから、本人も常にすっぱい匂いをさせている。ケアマネのように訪問の多い仕事をしているという自覚がないのではないか』
と、ヘタすれば国際問題になりかねないような発言が聞かれるらしい…。
仲のいいナースからその話を聞いた人権派のカニちゃんは怒りにうち震えてた。

ひがしヘルステと居介の仲はもうアレだし。
目くそはもう、アイリン女史の担当ケースへの派遣を極力受けない方向でいくことを秘かに決めているフゼイだし、私に対しては相変わらず“要注意ケアマネ”として回覧が回ってるみたいだし(笑)、なぜか(ホントになぜか理解できんが)まだいるメアリーは完全に私を避けているし。

訪看とヘルステはソレだし、ついでに言えば訪看とクリニックも仲が悪いし、デイケアのナースは森の神と顔を合わせないように裏口から出入りしているような有様だし。

もうダメだわこの法人。
なんとかしなければ、私自身もう耐えられない。
せめてヘルステとの関係だけでもなんとかならないものだろうか。

私たちのどこかにある、ヘルステとうまくやれない原因はなんだろう、と考えてみたら、1番最初に浮かんだのは、私たちひがしのケアマネはヘルパーを信頼していないということだった。
では、そのための努力はしているかと考えてみたら、まあひととおり思いつくことは全部やってる気がする。
報告をもらったり、細かく指示をしたり、必要なら家族と連絡をとってあげたり、後方支援はしていると思う。
でも、よくよく考えたら逆にそれがいけないんじゃないかということに気付きました。
報告は催促してでももらうけど、たとえば家族の話とかご本人の話とか、こっちから報告したことって少ないように思うし、細かく指示して「任せます」的なことがあまりないし、家族とも、ケアマネから連絡とってあげるのではなくヘルパーさんに直接してもらうことが大事なんじゃないかと思った。

うーんそーか。
そこに気付いたので少し前進。
他にも何か、私たちがヘルパーさんたちとの信頼関係をつくるために出来ることってないだろうか。
私が率先してそれをやっていれば、周りのケアマネさんたちも同じことをしてくれるようにならないだろうか。

はっきり言って、目くそは主任としての資質はない。
鼻くそよりも始末が悪い…ナゼなら目くそは、自分の嫌いな利用者宅には絶対に行かないという、信じられない主任なんです。
今ケアマネさんたちの中では、なんとかして目くそをヘルステ主任の座からおろそうとする動きがあるのですが、こればっかりはねえ、人事のやることだから…そこにまで口出ししていると、今度は私たちケアマネが、森の神と同じことをやっているという事態になってしまうしね。
しかし、ヘルステの人事をなんとかしてもらうなどということ以前に、一介のケアマネとして、ヘルパーとの関係のとり方みたいなものをはじめからやり直す必要があるように思うのです。

このブログをご覧の皆様は、他の事業者さんたちと“見ている方向”が同じですか?
同じ気持ちでひとりの利用者さんを支援しているという実感がわいたことってありませんか?
なにかいい方法をご存知の方、どうか教えて下さい。
助けて。

仕事納め

2006年12月29日 | 重要事項説明書
コムスンに関する報道は事実無根、法的措置検討中=グッドウィルG
12月28日10時38分配信 ロイター
グッドウィル・グループは27日、同社子会社「コムスン」が組織的に介護報酬を過大請求していた疑いがあるとして、東京都が都内にある事業所約50カ所を一斉に立ち入り監査したなどと報じた27日付読売新聞記事について「一切、事実無根であり、悪意に満ちた事実誤認内容の報道」とのコメントを発表した。また「速やかに抗議を行うと同時に、法的措置についても検討を開始した」としている。
同社は「東京都は、大手数社に対して、コムスンと同様の実地指導を行っており、介護報酬を過大請求していた疑いがあったわけでは一切ない」と説明。
実地指導についても「監査ではなく、今年12月15日付で東京都福祉保険局長名により、『実地指導の実施について(通知)』という書面を受け取っている。行政処分についても一切ないと聞いている」としている。


結局コレってなんなの。
讀賣のフライング?
「最近介護保険にニュースがないなあ。またコムスンでもいじっとくか」
って、女性週刊誌のトモカズ・モモエみたいなものなんでしょうか。
わからん。



仕事納めの昨日28日、私は朝からバタバタでした。
シャントopeのため入院していた利用者が退院するのでお迎えに行ったり、今日中に済ませておかなくてはならないことを済ませるのに必死で(でなければ冬季休暇をつぶすハメになるので)朝から飛び回っていました。
ケアマネさん全員がそうやって、明日から6日間のお休みのために必死で働いて、やっと終業となった17時頃。

…またしてものケアマネ・アイリン女史と、ひがしヘルステ・目くその戦いが勃発。
ここ数ヶ月にわたり、アイリン女史と目くそは、ある利用者宅のサービス内容のことで大モメにモメていたのでした。

アイリン女史担当のマチルダさん(仮名79歳女性・要介護2)は、無類のイヌ好き高齢者。
自宅にイヌを、なんと5匹も飼っています。
しかもこのマチルダさん、イヌは好きだが世話嫌いという、愛犬高齢者にありガチな無責任飼い主。
自宅はイヌの毛だらけ、毛ばかりか糞尿まみれ。
畳を歩けばイヌの尿がじんわり染み出してくるわ、こたつの中ではイヌの糞が適温に保たれているわで、とてもとても、イヌは住めても人は住めない有様です。
実はハリケン、以前このお宅のことで、鼻くそから相談されたことがありました。
鼻くそがまだ在職中、マチルダさん宅での掃除のサービスのことをさして、
「ねえハリケンさん、ハリケンさんがヘルパーだった頃は、ペットのトイレの片付けなんて仕事をやっていた?」
と聞かれたのでした。
私は
「え?ペットのトイレの世話はしませんよ。介護保険外でしょう?」
と答えたのですが、これがこの一連のバトルのそもそもの原因となってしまったのでした・・・・・。

あとでアイリンさんから話を聞くと、マチルダさん宅はそこいらじゅうにイヌの糞が落ちている有様だというので、私は
「それだったら『居室に落ちているイヌの糞の片付け』となり、『ペットのトイレの始末』とはニュアンスが違う。程度の問題でもあるが、利用者がイヌの糞の中で生活している状況にあるのに、ペットの世話の是非という話にしてしまうのは論点のすり替え。」
と言い換えたのですが、鼻くそは私の答えの一部だけを取り上げて
「アイリンさんは他のケアマネさんとは違い、介護保険外のことを私たちヘルパーに強要する」
とか
「本来は飼い主である利用者がすべきペットの世話を、解釈を曲げてもすべきと無茶を言う」
とか言い出し、上層部の同情票を集めていたのです。
現在は、アイリンさんは訪問のたびに自らマチルダ宅の掃除を手伝ったり、ときにはヘルパーさんを連れて環境整備(という名の大掃除)に入ったりしていたのですが、必死で片付ける側からイヌがクソを垂れやがるものですから、一向に状況はよくならない。それこそイヌならぬイタチごっこ。
さすがのアイリンさんも、私が言った
「今度マチルダさんが留守のときに、こっそり居室でバルサンでも焚いたらどうですか」
という冗談に笑わなくなっていました。

さて、マチルダさんには、週に2回の近所の銭湯での入浴介助の派遣(※マチルダ宅には浴室がない)が組んであるのですが、肝心カナメの生活援助つまり掃除のサービスが組めないらしい。
マチルダさん本人が保健衛生に関心が薄いせいもありますが、経済的にも余裕がなく、掃除のためのヘルパーを利用する意思がない。
「もうええわ、どんなに片付けてもイヌがいるかぎりウンコで散らかるんだから…イヌは一匹たりとも捨てる気はないし」とヤル気もない。
それでも、確かにこのお宅はなんとかしなければならない不衛生アラーム・レッド・レベルのお宅。いくら本人が入浴して清潔になっても、居宅がイヌ屋敷では意味がない。
そこでアイリンさんは、マチルダさんの入浴が、雨が降ったり寒かったりしてときどき中止になるのを利用して、
「入浴がなかった日には掃除にスイッチする」
という計画をたて、マチルダさんの同意も得、その旨ヘルステに申し送っていたのですが…。

ひがしのヘルパーはこのお宅を掃除するのがどうしてもイヤらしく、
・訪問し、「入浴しない」といわれてキャンセルになった日にも通常通りに実績報告していた(身体2生活1)
・「風邪気味だから入浴しない」と言われてもムリヤリ清拭していた
ために、トラブルが絶えなかったのです。
私が担当ヘルパーだとしても、イヌのうんこの片付けなんてゴメンですが、だからといって
「利用者が『イヌのうんこのことは気にしなくてもいい』と言うので掃除はしません」
というワケにはいかないでしょう。
支援を拒否したり、サービスを受け入れない利用者はたくさんいますが、はたしてその人は本当にその状態を望んでいるのか、利用者の承諾を得る以外になにかできるはたらきかけはないのかを探ってみるべきだと思います。
支援者の価値観を利用者に押し付けてはならないけれど、マチルダさんのお宅の状態は、誰が見ても人間のくらしではありません。
ケアマネとしてそれをどうするか。
ヘルパーとしてそれをどうするか。
この事例は本当に難しい問題だと思う。
アイリンさんは、鼻くそや目くそに「そんなにいうならケアマネが掃除してやればいい」と言われ、実際に自分で何度も掃除しにいきました。
そんなアイリンさんをみて嬉しくなり、とうとう「フロに入らない日になら掃除してもらおう」とマチルダさんも思ったのです。
鼻くそと目くそはそれがどうしても気に入らない。
そこで、なんとかしてマチルダさんに「今日は掃除しなくてもいいわ」と言わせるように仕向けているんです。

アイリンさんと目くその話し合いは決裂し、結局アイリンさんはマチルダさん宅のヘルパー事業所をかえることにしました(私もそれを強くすすめました)が、何が1番許せなかったかというと、目くそが勝ったつもりでいることです。
イヤなお宅の派遣から外されるように仕向けるような事業所に、介護保険から給料を払わなくてはならないなんて..............................


なんかおかしい。
でも、鼻くそや目くそたちヘルパーだけじゃなくて、私たち(ひがしの)ケアマネもなんかおかしい。

なんとかせにゃ。


不正のパイオニア

2006年12月27日 | 重要事項説明書
コムスンまたはグッド・ウィル・グループ関係者の方はご遠慮下さい。

コムスン、介護報酬を過大請求の疑い 都が立ち入り検査
2006年12月27日12時21分/asahi.com
人材派遣業「グッドウィル・グループ(GWG)」で訪問介護事業を行う業界最大手の「コムスン」(東京都港区)が介護報酬を過大請求していた疑いが強まり、東京都が介護保険法に基づいて都内53カ所の事業所を一斉に立ち入り検査(監査)していたことが分かった。昨年の定期的な調査でも複数の事業所で過大請求が見つかり、その後も利用者から都への苦情が多いため、行政処分が可能な監査に踏み切った。
都は今後、過大請求額を精査して返還を求めるとともに、組織的な行為だった疑いもあるとみて本社からの指示の有無も調べる。

都によると、昨年の調査(実地指導)で、複数の事業所が散歩や話し相手、マッサージなど、本来は介護保険の対象にならないサービスについて、都内の各区市町村に報酬を請求していたことが分かった。
都は改善を指導したが、コムスンは「過大請求はない」と回答。都への苦情も減らなかった。今回の監査でも、同様の行為が複数の事業所で見つかったという。さらに、薬の服用の手助けなどの数分で終わるはずのサービスを「30分間の介護」としたり、2日に1度、部屋の掃除をするなど、不自然な請求も見つかった。

都は18~26日に、都内187カ所ある同社の訪問介護事業所のうち、苦情が多かった事業所を中心に監査を実施した。
都は、定期的な指導では改善が見られなかったとして、今回は監査を行った。

〈GWG広報IR部の話〉都による3年に1度の実地指導に他社と同様に協力しているところだ。介護報酬の過大請求の事実はなく、都から返還を求められてもいない。



この記事を見て「うーん、やっぱりやってたか、コムスン」と思ったケアマネさんも多いでしょう。
しかし、コムスンの不正や不整が大きく取りざたされてしまうのは大手だから。
大きなマトにはタマが当て易い、それだけのことでは?
程度の差はあれ、実際はどこの事業所もやってませんか?こんなこと。
散歩とか、話し相手とか、単なる「同行」を身体で請求したりとかね。

大手の訪問介護事業所の中にもマジメなところはあります。
最近私は、とある利用者のケアに関わることで、コムスンほどではないけどそこそこの大手であるツ○イさんと頻繁に連絡を取り合うようになりましたが、まあそこのサ責の細かいことといったら!
今年秋に監査を済ませたばかりというせいもあってか、居宅介護サービス計画書を送れば
「2表の『外出の機会を持つことで気分転換を図る』という一文があるが、気分転換というのは監査で不適切と指摘されるのですぐに書き換えてほしい」
「通院受診の介助の際、常時付き添い見守りが必要であることを、計画に明記してほしい。できれば主治医から院内介助を要すとした文書がほしい」
家族から足の怪我のガーゼ交換の依頼があれば
「主治医から『ヘルパーによる足浴後ごとのガーゼ交換は可』という指示をとってほしい」
「主治医にこの軟膏を塗布することの必要性を教えてほしい、そうすればヘルパーによる処置に説得力を持たせられるから」
「一回分の塗布量をおおまかでいいから指示してほしい」
とまで、まるで石橋を壊しかねない勢いの慎重っぷり。
もちろん、これらのケアが必然性のあるものであることや、利用者のため、依頼や希望に可能な限り対応してくれようとした結果であることはいうまでもありません。できることならやってあげたいが、裏づけがないとやらない、でもやる理由を明らかにしてくれればやりますよ、と、ケアマネを働かせる頼もしい事業所さんです。
私はそのやる気と危機管理意識に感心してしまい、その事業所がほしいというものをすべて揃えてやろうと思いました。そうすることで、業界で生き残ろうとする○クイの意気込みに習おう、この作業は必ず私の仕事にも役に立つと思ったからです。
いまもこれは続いています。2表なんぞ、このひと月でもう4回書き換えましたし、はじめて苦手なドクターに電話や文書で指示をもらいました(電話口でまたされても我慢ガマガマ)。しかも2人も。
とにかく、ケアマネが訪問介護事業所が本当の意味でチカラを発揮できる環境を作ることに協力すれば、結果的に利用者にとっていい居宅介護支援を提供することに繋がると思います。
こんな私でも、ただ「やれ」と言うだけのケアマネにはなりたくないしね。

逆に、アットホームをウリにしているこじんまりとした事業所にも、黒いところはあります。
単なる義歯洗浄だけで口腔機能向上加算を取らせろというデイや、週に1度の体重測定だけで栄養マネジメント加算を取るデイもある。
少し前にも、利用者の希望で使い始めた小さなヘルパー事業所から
「身体がついていると、臨時の派遣や時間変更に対応しやすい」
などという、なんだかよくわからない理由で、生活援助3を身体1生活2に変更してくれと言われたので、その事業所を単なる強欲な事業所にさせないためにと思い足浴と口腔清拭を計画してあげました。不潔で有名だったその利用者からは喜ばれるし、ヘルパーさんにはきっちり仕事をする機会を与えることが出来ました。
ワケのわからない「常時見守り」や「声かけ促し」なんぞで身体をつけたりなんか絶対にしませんことよ。

話が反れましたが、コムスンはこれまで、色々な不正を業界に先駆けてやってきてくれました。そのおかげで他所の事業所は
「なるほど、こういう方法があったか」
「こんなふうに突っ込まれるのか、注意しよう」
と、更に手のこんだ高等?な不正を思いつき、また隠蔽テクニックを磨くことができているように思います。
また、コムスンのいいところは、福祉でも儲かるということをなんとかして証明してやろうというムダなあがきを展開してくれていることだと私は思っています。
たとえそれが、従業者に過重労働を強いる結果しか残さなかったにしても、悪徳企業というレッテルを貼られることになったとしても、それはそれで意味のあることなのかもしれません。

※当ブログは、コムスンを応援しています。




…ところで。

ひがしヘルステの売り上げ、前年比40%ダウン
…月平均600万から、350万に減ったんです。
鼻くそ退職の効果はすごいです。


文系型人間

2006年12月24日 | 重要事項説明書
プチ愚痴です。
ネガティブなのがお好きでない方は読み飛ばして下さい。


PHP研究所という出版社から出ているPHP新書。
ベストセラーになった本も多いです。
ハリケンはたぶん、世間一般の人並みには本を読むほうです。ひとりの作者を好きになるとその全著書を読破するとか、特定のジャンルの本ばかり読み漁るとか、まあそういう人は多いと思いますが、ハリケンもそうです。
好きな作家はと聞かれると大体ひかれますが、三島由紀夫と横溝正史です。
PHP新書は、朝の『目ざましテレビ』で週間ベストセラーとして紹介されるもの程度は読みます。「ツキの法則」とか「頭の悪い人の話し方」(でしたっけ)とか、売れていると聞くと興味が湧くからです。
2年前そうしてベストセラーになったPHP新書に和田秀樹先生著『疑う力の習慣術』という本がありまして、その本の中の一文を読んで以来、ずっと心にひっかかっているというか固定観念になってしまっている事柄が。
それは
文系型人間と理系型人間の違い
という一節にあったものなんですが..........................

【抜粋】
文系型の人たちの間では、「誰が言ったか」に比較的重点が置かれるのに対して、理系型人間の間では「実験してみてそれが正しかったかどうか」に重点が置かれることが多い

極端に言えば、理系の人は「やってみなきゃわからない」、文系の人は「こうすれば絶対にうまくいく」か。
つまり、文系型といわれる人たちのほうが、偉い学者のいうことや、有名な学説の信者になる傾向があって、「誰々が何々と言ってました」「アメリカではこうですよ」「なるほど」というような会話にもなりがちだというのです。
私はその部分を読んで、確かにそうだなと感じました。
私は文系型人間だと、自分では思います。
何々説とか何々論とか大好きですし、誰かの説を信じて実践するほうがラクだし、やっていればそのうちその方法論が持論になってしまうタイプ。
言われて、やってみて、ホントにその通りになった、イコール「これしかない!」となり、そのやり方を授けてくれた人の信者になってしまいます。
逆に「これ間違ってるよ」と思ってしまうともうなかなか受け付けない。

本当はアタマが固いのかもしれませんし、実は根が暗いのかもしれません。

リアルに正しいケアマネになるためにはどうしたらいいんでしょう。
このままだと、介護保険制度のスクラップになってしまいそうで怖いです。
どう考えても、私たちが老後を迎える頃、ケアマネという職業が残存しているとは思えないのです。少なくとも、今のようなカタチではなくなっていると思います。
それほど非現実的な仕事をやってるんだ、私って。

一体誰が考え出したんだ、ケアマネなんか。

世界で最初にワキの毛を剃ったヤツと同じくらい恨んでやる。
余計なことをしやがってまったく。

サ責さんいらっしゃい

2006年12月23日 | 担当者会議
Merry X'mas!!
せっかくの連休にこんなブログを見ている寂しい方たちのために、せめてクリスマスカラーのフォントで書き込んでみました。

私の担当している、キャンディさん(仮名・独居女性・82歳・要介護2・認知症)が、最近どんどん混乱しています。
通所やヘルパーの日を忘れて外出していたり、慌てて準備してデイの送迎に迷惑をかけたり、以前にも何度かあったのですがここ最近そんなことが多くなってきました。
先日もヘルパーが来るのを忘れて出かけたらしく、忘れられたヘルパーからは
「キャンディさんが不在のため、隣家の親戚に行く先を聞いたら、派遣日を忘れて病院に行っているということだったのでヘルパーは仕事なしで帰ってきた。でもこれは利用者の都合なのでフツーに請求させて下さい。」
と言われたので、
「は?普通に派遣があったのと同じように請求すると、身体1生活3でちゅか?何の仕事もやってないのに?それ本当に請求出来るかどうか、私ではなく保険者に電話で聞いてみて下ちゃい。受診していた時間とヘルパーが派遣されたという時間が重なっているってことでちゅよね?医療保険と介護保険が同時に使えないってことはご存知でちゅか?」
と返しました。
ヘルパーは
「…」
といったん引き下がりました。
ご本人に連絡してみると、
「昨日?ヘルパーが来るのに出かけてた?私が?いいえ家にいましたよ」
って始末ですし、ヘルステ側ではそういうときにはどうするかというマニュアルや取り決めのようなものが一切していなかったらしいので、じゃやっぱりどうちゅることも出来まちぇんね、今後は認知症の方宅にヘルパーを派遣するときは気をつけて下ちゃいねバブバブ~♪と言って放置
するとその次の週にまた同じことがあり、今度は
「キャンディさんがまた不在だったため、病院に電話をしたが来ていなかった。そこで近所や思い当たるところを探し回って約1時間かかったが、結局見つからずヘルパーは帰ってきた。1時間探したので生活2下さい。」
と言われたので、いい加減頭にきてしまい、
「認知症の方なので、こういうことは当然想定されてるはずでしょう?不在だったら1時間探せというのはお宅のマニュアルですか?それが請求とどう関係あるんですか?キャンセル料金などはどうなってるんですか?」
と言って、キャンセル料の取り決めを見たいので重要事項説明書を持って来いと言った取り寄せたら…

重要事項説明書には
当日のキャンセル利用料金の50%
と書いてあった。

身体1生活3のサービスだと480単位。
利用者負担金の50%なら240円か。
相場は交通費の実費ぶん程度のキャンセル料金だからまあ良心的だ。
ちょっと安くてヘルパーさんには申し訳ないけど妥当かな。

と思ってたら

「いいえ、利用料金といったら4800円ですから、その半分です」

と言われた。

認知症の利用者が、ヘルパーの来る日や時間を忘れたら2400円。

おまえらは鬼か。
この重要事項説明書を編集したのは一体誰だ。そいつは正気か。
こんな料金設定がそもそもまかり通るとでも思ってるのか。
悪徳事業所として名高い○○○○でも、利用者自己負担金(1割)程度だよ。
そもそもこの設定、本当に利用者や家族に説明してあるのかさえ疑わしい。
本気でこれ取る気ですか?と聞くと、実際にもらったことはないのでと言う。
じゃあ今回初めて取るんですね?
サ責から家族にちゃんと説明して下さいよ。
利用者承諾じゃ許しませんよ、キャンディさんは認知症なんですからね。

ご想像の通り、このバカヘルパーはひがしヘルパーステーションのサービス提供責任者で主任の目くそです。

申し訳ないけど、私は自分が担当する認知症の利用者に、こんなキャンセル料の設定してある事業所を組めません。
本当にこの料金でいいと思ってるなら他所に回します。
というか、キャンセル料を他の事業所と比較したことありますか?
早いうちに事務長に相談して、適正価格に直したらどうですか?
でなければ私は、利用者家族に
「キャンディさんの現在の状況では、このようなことは今後何度も起こりうるのに、こんなキャンセル料を設定している事業所を使ってもらう訳にいきません」
と説明し、事業所の変更をすすめます。
また、介護保険課に電話して、
「私の利用者が使っているヘルステが、こんなにキャンセル料を取ると言っているがどうしたらいいだろうか」
と苦情を申し立てますよ。

キッパリ言いました。
が、未だに目くそから、事務長への相談はありません。
(事務長もイライラして待っているようですが…)

ケアマネさん、ヘルパーさん、それ以外とにかくなんでもフツーのまともな職業に就いておられる方々、
間違っているのは私のほうなのでしょうか。
もう本当にわからなくなってきました。
お星様になりたい気分です。

予想外

2006年12月22日 | 業務日誌
内容をちまちま更新しています。

年末の忙しさときたらホントに殺人的です。

複数のデイを利用している利用者に対し、複数のデイからいっぺんに苦情が来たり、オーバーステイ嫁と同棲中のトシオさんの痴話喧嘩の仲裁をさせられたり、某大手訪問介護事業所には利用者に水虫軟膏を塗布するため主治医に連絡しろとせっつかれたり、絶対要支援になると思っていた利用者が介護給付になったため、派遣回数減を匂わせていたヘルステに頭を下げざるを得なかったり。

現在私の担当利用者は、介護給付36人・予防3人・入院2人。
入院している2人は来年には出て来そう。
実は来年になったら認定を受けたいと言っている利用者予備軍も抱えていて、もう新規利用者は受けられません。
新人のオリーブ以外、どのケアマネさんも似たりよったりです。
なのに、先日またまた森の神から
新規利用者をインテークせよ」
とのお告げがございました。

そもそも最初に依頼を受けたのはカニちゃん。
「カニちゃん、新規の担当をお願いできるかしら。」
しっかり者のカニちゃんは、森の神にも信頼されていますが、彼女は私以上に担当を持っていますので、新規は受けられません。
ナース河合はMAX20名で余裕なし。訪看もあるのでただでさえ超人的な仕事量。
アイリン女史は先日のバトル以来森の神から『今後一切クリニックの患者関係者の担当をしてはならない』と言い渡されています。
正直言って、アイリン女史が羨ましい…。
そのくらい、ひがしのケアマネはクリニック関係者の担当をやりたくないのがホンネなんです。
カニちゃんは
「私は担当ケースが多いので…今ケアマネの中で件数に余裕のあるのは、新人のオリーブさんだけです。」
と答えたのですが、森の神は不服そうに
「うちのクリニックの患者さんなのよ。新人ケアマネで大丈夫かしら。」
とおっしゃられたと。
で、カニちゃんは
「いったんこの新規利用者の依頼を、青田主任に持ち込みます。主任の判断を仰いでからお返事します。」
と答えました。

そもそも利用者は皆同じのはずです。
「うちのクリニックの患者だから、担当ケアマネは特別な人を」
ということ自体が間違っています。
森の神の紹介だから大事にしろとでも言うつもりか。
また、利用者ならともかく、どうして森の神がケアマネを選らばにゃならんのだ。
この話のおかしさに(ケアマネ以外は)誰も気付かないのか、この法人は。
カニちゃんが青田主任に話をしたあと、私たちケアマネはみんなで噂しました。
ここで青田主任が真にケアマネ主任でありたいのなら、きっちりと森の神に『ひがしのケアマネはベテラン・新人問わず皆責任感があり、いいケアマネです。誰が担当しても大丈夫です。』と言ってほしい。
そこであえてアイリン女史を担当に推して、アイリン女史が優秀なケアマネだということを思い知らせてくれてもいい。
「今後の青田主任の行動に注目ですよね(自分に回ってきませんように!)」
「誰が担当になっても恨みっこなしですよね(いやだ、担当したくない!)」
そう言ってドキドキしていた私たちでしたが…。

「クリニックからの新規利用者の担当をお願いします」
次の日、わざわざひとりで相談室に呼び出され、青田主任に深々とを下げられたケアマネは
私でした。

ナース河合は論外、アイリン女史を選べば森の神に叱られる。
オリーブは「新人だから」とケチがついた。
だとしたら、担当件数からいけばハリケンさんにお願いするしかない、と青田は言うのです。
「それはないんじゃないスか、主任!」
私は抵抗しました。
11月の請求では、確かに私の担当は少なめですが、12月には2人増えるし、来年にはまた2人増える予定なんですよ。
しかも、私とオリーブのキャリアはたった4ヶ月しかかわらないじゃないですか。
大体、オリーブさんはとても責任感があって、真面目ないいケアマネじゃないですか。どうして森師長の言いなりになるんですか。
そう言う私に、青田主任はただただ頭を下げて
「…ハリケンさんの担当利用者を、オリーブさんに何人か回してバランスを取ってもらいたい、どうか頼みます。」
と言うだけなのです。
この新規を受けるために、自分の今の担当利用者を誰か外せと言うのか。
つくづくダメ、この管理者。
恥ずかしくないのかな、この人。
私の目もまともに見ない。

結局私は引き受けました。
私が断れば、この新規はカニちゃんに回されるからです。
それは申し訳ないし(どうして私が申し訳ないと思わなくてはならないのかはわからんが)何よりも自分自身が「利用者を選ぶ」ようなケアマネだと思われたくなかったからです。
見栄とか意地とかやけくそとか、まあそういうもの。
でも、利用者さんを自分の担当から外してオリーブに回したりなんか絶対しません。1年足らずで、こんなくだらない“事業所都合”で、利用者に負担をかけるなんて出来ないよ。
…ものすごく悔しいし、納得出来ないけど、次の日に早速初回面接をしたその利用者さんが、とってもいい方のようだったことがせめてもの救い。

ケアマネさんたちも、この展開に「やっぱりね」とか「でもまさか、ここまであからさまに師長にコビるとは!」とか言いながら気の毒がってくれました。
(しかし内心ではホッとしてるだろうなチキショー)

この法人で「うまくやっていく」ということに、これほど違和感を覚えたことはありませんでした。嫌悪感はすでにあったけど、自分とこの法人との考え方の、超えようのない隔たりというか、まるで違う国の言葉を話して聞かされているような感覚とでもいうか。
理想とか信念とか、あと何を犠牲にすれば「うまく」やれるのか、青田主任、教えて下さいよ
結局ケアマネって、こうして「引き受けたからには放り出すことは出来ない」という責任感に縛られて、がんじがらめになるだけなんですね。
いや、そうか、介護保険制度そのものがそうなのか。
正直者はバカを見る、と皆が言っている、これがそうなのか。

だとしたら、中途半端な正直者の私は、やっぱりケアマネなんかムリなんではなかろうか。
少なくとも、この法人では。

義理と人情を秤にかけりゃ

2006年12月20日 | 重要事項説明書
往年のロックバンド“Rainbow”のアルバム『Difficult to cure』のジャケ裏。

ここ数日、年賀状の作成に追われていました。

毎年毎年、ある年は貼り絵、ある年は絵手紙と、手作りの年賀状を送っていて
「素敵ね」
「心がこもっているよね」
などと言われ、ズに乗って頑張っていましたが、今年はとうとうパソコンで作ってしまいました。
イラストやフォントを落として、画像作成ツールでレイアウトして、と、テンプレートは使わず凝ったけど、やはり手抜き感はいなめず良心が痛みます。
ただし、冗談の通じる友人にはゴルゴの年賀状(このブログで使用したコラ?アフレコ?バージョン包括編)が届きます。こんなもん作るヒマがあって、居サ計画の作成が遅れているというのがバレると困るので、もらった方は決して口外しないで下さいお願いします。
しかしまーもー毎年年末になると思いますが、日本人は本当に義理や人情が好きですね。
この年賀状だって、ハガキ1枚50円程度で「今年もいい人でいよう」というあざとい考えが元になっているわけで、そういうのがキライな人は出さないと決めておられるでしょう。
50円の義理、安上がりといえば安上がりですが面倒といえばホセ・メンドーサ。出さなければ出さないで便秘みたいだし、ケチと思われるのもシャクだし、出さなくてもくれる人はくれるしで申し訳ないし、と、なんかもう強迫観念ぽい。年賀状。
このような強迫観念は、居宅介護支援という仕事につきもののような気がします。
必要なものと余分なものの取捨選択というか、判断というかそういう意味です。
そもそも、過不足なく、というバランス感覚が、日本人には欠けている。
貸し借りも同じです。
だから、併設事業所のある居介はダメなのだと私は言いたい。

なぜ、介護支援を職業とする者が利用者と個人的なお付き合いをしてはならないのか、あるいはならないとされているのか。
このことは、利用者を『ひいき』しがちな私にとっても、大変重要な問題です。
このことについて、少し考えてみました。

まず、利用者と仲良くなりすぎるデメリットを考えてみます。
公正な判断ができなくなる。これこれ。
誰にとっても、そんじょそこらの利用者が困っているのと友達が困っているのとでは扱いが違います。なんとかしてあげたいと思うでしょう。
人気のデイやショートに余計めに行かせてやるとか、他の利用者よりも手厚くケアしてもらうように口を出すとか、そういうよろしくないことが起きます。
つまりプロとしての境界線が引けなくなる。えこひいきをする。
同じ居宅介護支援費なのに、不公平ですよね。
冷静な判断もできません。
そして、特定の利用者と付き合ってしまうと、しがらみ甘えが双方に生じます。つけとどけという悪習、根回しという裏技、ちょっとぐらい大目に見てよという甘えや、この利用者のことは自分が1番よくわかるという驕り
どれをとっても介護支援の敵です。
しかし、大抵の日本人はこれらを重んじていたりもする。
一宿一飯の恩義とか、袖摺りあうもなんとかとか、そういうのが本当は大好きな人種ですから、公正にやろうとする自分が悪人みたいに思えたりする。
これがやっかいなんです。

どの利用者にもベースでは同じように接する。画一的ってことではなく。
これを守らず、結果的に利用者を不幸にしたケース、皆さんの周りにもたくさんあるじゃないですか。
特別なことをしなくても信頼される支援者になるとか、家族のかわりにはなれないけど理解者になってくれるとか、そういう関係って本当に難しい。
でも、実践している人はちゃんといますし、出来るんです。
利用者に信頼される努力より、気に入られる努力のほうがラクです。
もので釣ったり、特別扱いしたり、利用者にはわかり易いし取り入るのは簡単です。
でも、それが結果的に利用者の自立を妨げ、自分の首を絞めることになる。
「このケアマネじゃなきゃイヤ」
「あのヘルパーが休みなら誰も来なくていい」
それは支援者の自己満足にはなりますが、利用者にとっては大きな落とし穴です。
だってケアマネやヘルパーはいつ辞めるとも知れないし(笑)。
依頼心の強い利用者は、誰にでも助けを求められるように仕向けるように。
気難しい利用者は、おだてて動かしたりもする。
困ったときには頼りになるけど、決して馴れ合わない、そんなケアマネでありたいと思っていますけど、今のところは思ってるだけです。

さて、年賀状もできたことだし、お休みまであと8日、残り利用者10人の訪問頑張ってこなします。



救いようがない

2006年12月17日 | 業務日誌
※ 画像は私と同年代の方ならご存知でしょう、ロックバンド“Rainbow”の『Difficult to cure』というアルバムのジャケ写。
少し前私が、無類のハードロック好き・ナース河合のパソコンに壁紙として落としたものなのですが、青田主任に見られて数時間後に削除されました。つくづく、シャレのわからない居介です。
…ま、ここは病院なので…シャレにならないと言われれば確かに…すみません…。


さて、まずは以下の単語をよくご覧下さい。

お寿司(注:回らない)  焼き肉  うなぎ丼  活き造り

これらはいずれも、言わずと知れた高級料理
ケアマネの薄給では、月に一度の逢瀬がせいぜい。
それでは、上の4品と関係のある単語を、下欄から選んで下さい。

ナマホ   ヘルパー  訪問介護利用者

いかがですか?

…いかがですかってあなた、そう簡単には結びつきませんよね。

オリーブの一件で(『自費と慈悲』3部作参照)私が「ヘルパーの職業倫理」という言葉を口にするのを耳にしたカニちゃんの様子が少しおかしいなと思ったのは一昨日の昼休み、たまたま一緒に風の冷たい屋上にいたときのことです。
何か私に言いたそうな................
私に話を聞いて欲しそうな................
しかし、こんな私の数十倍は強い意志を持つカニちゃんですから、まさかそんな、私に相談したいことがあるなんてこと、プルプル気のせいだろうと思いなおし、いつものように屋上で食後のタバコを吸っていました。

するとカニちゃんから意外なひとことが。

「ハリケンさん、私、ひがしに入職して以来2年間ずっと、誰にも言えずにいたことがあるんですよね…」

正直言って、人から相談されたりするのって苦手なハリケンです(真面目に聞こう、真剣に話そうと思っても、ふと面白そうなことを思いつくとそれを口に出したくて仕方なくなってしまう)から、そのときもついつい
「ええっ、実は私もひとつあるんですよ!…どうしても言えなかったんですが、医事のヤマシタさん(仮名・60歳男性)って
←絶対にヅラですよね!」
と、話をはぐらかそうとしましたが(笑)カニちゃんはへへへっと笑って話を続けたのでした。
し、仕方ない。話を聞こうか。


「実は、私の担当する利用者さん…うちのヘルパーさんと、たびたび食事に出かけてる人がいるんですよね。」

はああ、やれやれ。

しかしひがしのヘルパーなら、そんなヤツはいくらでもいそうだ。
私の利用者さん宅に派遣されてるヘルパーの中には、利用者と一緒の買物で自分のぶんも買ってくる人がいるし(証拠は掴んでいるけどまだ暴露してない)。
公私混同にもホドってもんが。

「それもサービス終了後とかだけでなく、夜、ヘルパーさんと一緒にお寿司を食べたとか、焼き肉屋に行ったとか、うなぎ食べたのよとか、活き造りとか、この2年間に何度も聞かされてきたんです。」

!!

オイオイ…マジかよ…

「私思うんですけど、それってお食事代は誰が払ってるのかなと。」

…そうだよね。そういえば私のその利用者も、ヘルパーと買物しててもしかしたらヘルパーのぶんを払ってあげてるかも知れないしなあ…うーん、なんとかしてシッポをつかまなきゃ。
しかしカニちゃんは、食事代金のデドコロまでは聞けないでいるらしい。
もし自分が想像している通りなら、怒りでどうにかなってしまいそうで怖いと。
うん、その気持ちすごくよくわかる。

「それだけならまだしも…実はその利用者さん、ナマホなんですよね…。」
!!

いいいい、一体誰だそのヘルパー!
もももしや…

「ヘルステ主任鼻くそと副主任目くそです。」

やっぱり…。


もうダメぽ。

このヘルステ、本当に救いようがない
ましてや、医術なんかじゃ治せません。

カニちゃんはずっとこの利用者から、
「主任も副主任も一緒にごはん食べに行ってくれたのに、ケアマネさんとも行きたいよ、どうして来てくれないのよ」
と誘われ続け、それでも頑張って断り続けてきたのでした。
カニちゃんはそんな人なんです。
以前鼻くそにそのことを話し、「もう行かない」と約束したので信じていたと。
なのに先日ふとした会話から、やっぱりその利用者さんとヘルパーが、こっそりお食事に出かけていた事実が再浮上し、いい加減アタマにきているというのでした。

「私、ヘルパーはどうでもいいんですけど、利用者さんがかわいそうで…。その人ナマホだけど、たいしてお金遣わないもんだから、貯金なんかまですごくある人なんですけど、今まで使い道がなかったって、でもヘルパーさんたちと知り合えて、たまの贅沢という楽しみが見つかって嬉しいって、そう言ってすごく喜んでるんですよね…。」

........................利用者がかわいそう。
カニちゃんのこの言葉にこめられた重い重い思い。

ひがしヘルステのバカども。
おまえらには決してわかるまい。


許さん!

自費と慈悲 その3

2006年12月16日 | 担当者会議
その日の午後、クリントン宅からヘルステに戻ってきたマリリンさんに対し、私のアドバイス通りに先制攻撃をしかけたオリーブ。

反応は予想通りでした。
「私はヘルパーとしてちゃんと仕事をしてきたのに、なんでボランティアなのさ!」
マリリン逆上。

(ハリケン:決して申し訳なさそうな顔なんてしちゃダメですよ。)
オリーブはニコニコと落ち着いて、
「だってヒラリーさんは、訪問介護の利用者ではありませんから…ましてや自費でこの受診を引き受けたわけでもないのでしょう?だったらどこからも介護報酬はいただけないじゃないですか。」
やだなあもう、マリリンさんったら、こんな当たり前のことをわざわざ今さらケアマネに言わせるなんて。マリリンさんはベテランヘルパーさんじゃないですか。

マリリン、一瞬ざめた。
彼女はやっぱり、自分が誰の担当ヘルパーなのかを忘れ、「しめしめ、今日の仕事を身体介護にしたれ」と、ヒラリーの受診に付き合ったのでした。
よくよく聞くと、ヒラリーの腰痛はオリーブが心配したほどではなく(受診するほどのこともなく)、どちらかといえばマリリンさんが熱心に『病院に行ったほうがいい、私が付き添うから』とすすめたために乗り気になったというのが真相だったようです。やっぱりね。
そーゆーヤツなんだよ、このマリリンさんは。

しかしそこで引き下がるようなマリリンではない。
「ケアマネがそう言うんなら、あたしゃボランティアでもいいけどさ、
 責任者(目くそ)がなんと言うかは知らないわよ!
このことは目くそ副主任に報告しとくからね!」
捨て台詞を残して退場しました。おーい山田くん、浪の花持って来て!
クリニックの待合室で繰り広げられたマリリンとオリーブの攻防戦を草葉の陰から見守っていた私は、思わずオリーブに拍手を送りました。
どちらかといえば気弱なオリーブがマリリンを言い負かしたのが愉快痛快でした。
なめられちゃいかん。
だだでさえ
「ケアマネはヘルパーの仕事なんて全然わからずに勝手なことばかり言う」
なんてウソを師長院長にまでチクられ、院内で誤解されっぱなしの私たちケアマネです。
ガンとしたところを、ビッとしたところを見せてやらにゃ。


そしてその日の終業間際。
やってきました、サービス提供責任者。
先代鼻くその経営方針を、そっくりまるごと受け継いだコピーヘルパー目くそ登場です。

目くそは
・今日のヒラリーの受診を、クリントンのサービスとして請求する。
・身体が無理なら生活で請求する。
・ダメならこれからすぐにヒラリーを包括と契約させてでも請求する。
・とにかくなにがなんでも請求する。
と、オリーブと徹底抗戦の構えです。
一緒に話を聞いていた私でさえ一瞬タジタジに。
目くそ、完全に目がイっちゃってました。
オリーブがどんなに説明しても、
「それでも私たちは登録ヘルパーにお給料を払わないわけにはいかないのよ、ね、お願いだからさ」
と、まるで慈悲を乞うようでありながらそのくせ目は据わってるし、とにかく一歩も引かないんです。
それどころか、今日の昼の話ではたしかにマリリンさんが
「ヒラリーの受診だけで、クリントンに対するサービスは行っていない」
ことを認めたのに、目くそは
「マリリンさんは受診のあと、クリントン家の買物をしてから戻ってきた。
だから生活援助のサービス料金だけはなんとしてももらう!」
と言い張るのです。
唖然とするオリーブに
「疑うんだったらヒラリーに確かめてみればいいわ!」
...................................

翌日クリントン宅を訪問し、謝罪し、それとなく事実を確かめてきたオリーブですが、
「ああ、マリリンさんに買物してもらったよ」
と答えたヒラリー。
ウソだ!絶対こいつら、口裏合わせやがった!
とは言えず..............................
真実は闇の中です。

恐ろしい、なんと恐ろしい。
だから私は、ひがしヘルステに仕事をふるのはイヤなんです。
いくら悪徳事業所でも、自法人の併設ヘルステと関係が悪いなんていうことを、利用者に悟られてはいけない。
しかし私にはその自信がない。ヘルパーをまったく信用していないことがバレてしまうに違いない。
...................しかもテキは利用者近衛兵のヘルパーたちです。
月に一度程度しか訪問しないケアマネがなんで太刀打ちできるでしょうか。

来年になれば、残務処理のためにしばし鼻くそが復職します。
完全復帰と思われていたのですが、どうやら鼻くそ、休職中に引き抜きにでもあったのか、またまた復帰話をひっくり返したそうです。
しかし、鼻くそやっぱり退職のニュースにわいたひがしケアプランセンターに、また新たな暗雲。

目くそ、あなどれない。