業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

マイスタイル

2009年02月22日 | 業務日誌
そろそ提供票の時期ですね。
ウチではケアマネ5人全員でこの作業をやってます。
同じ事業所を使っている場合が多いので、それが合理的っちゃ合理的なんですが、ときどきウザいです。
提供票のスミにひとこと書きたいとか、微妙に調整したいとか思うことがあっても、印刷された順にガンガン送ってしまいますのでそれが出来ません。
たとえば、介護タクシーの提供票。
朝9時に病院に行く人が、復路は電話をかけてタクシーを呼ぶ。
でも提供票は融通のきかないワイズマンで作製し、時間を設定しなくてはならないので、大体2時間後くらいの時間で派遣を依頼しちゃいます。
で、そのまま送ってしまうと、たまたま早く診察が終わった人が介護タクシーを電話で呼ぶと、『11時って聞いてます』と言われることがある。
そこで提供票を送る前に復路の時間を修正ペンでピッと消して、手書きで『電話対応』と書き込むとか、そうゆーふーにしたいんですけどね。
自分の利用者のぶんだけ抜き取ってそれをやろうとするとかなり面倒なんですよね。
また、最近、要介護4・5の人の介護タクシー(身体介護として算定される場合)の2時間ルールってのでトラブルが相次ぎまして、まあそれはまたそのうち詳しく書きたいと思うんですけども。


私の担当する利用者、狩野英孝さん(仮名)73歳・要介護2。
パーキンソンで、歩行能力が低下してきました。
もとは芸能関係の会社の社長をしていた方で、学もあり、おしゃれです。
ひがしのデイケアに週2回通っています。
月曜と木曜、比較的男性利用者が多い曜日です。
つい先日、この狩野さんのことで相談がある、とデイケアの介護スタッフ、バービー(女性スタッフ・職歴10年のベテラン)に呼ばれました。
その相談というのは、狩野さんの服装のことだったのですが-------------------

狩野さんはいつもスラックスをはいてデイケアに来る。
さすがもと社長だけあって、スラックスにきりりとベルトをしめ、きちんとしておられる。
が、このスラックスとベルトのおかげで、自分たちスタッフは大変迷惑をしている。
なぜなら、狩野さんは頻尿。
10分おきにトイレに行きたいと言われる。
立ち上がり時に転倒することが多いので、トイレは必ずスタッフが連れて行くことにしているが、このとき狩野さんのスラックス、特にベルトがとても面倒である。
おしゃれで、きちんとしていたいという狩野さんや奥さんの気持ちもわかるが、なんとかゴム入りのズボンにしてもらうようケアマネから話してほしい。


バービーからそういわれたとき、私はいきなり噛み付こうかと思いました。
正直「そりゃないでしょ」と思いました。
たしかに面倒でしょうよ。
そりゃゴムなら楽でしょうよ。
でも、わざわざデイケアにきちんとしたカッコで来る狩野さんの気持ちとか、たとえふらふらでもパリッとしたカッコでよこす家族の気持ちとか、もうちょっと考えてみてもいいんじゃねーの。

が、なんとか
「ちょっと考えさせて下さい」
とだけ言い、この話をケアマネ事務所に持ち帰って主任に相談してみました。
まー大体私が思っていたことと同じではありましたが、もしかしたら服装が原因で失禁させてしまうことだってあるワケだから、スラックスはいいとしてもベルトは検討の余地があるかもねってことになりました。
それでも、それでも、私はまだ、これを次回訪問時に狩野さんに相談する気になれずにいます。

それでも、人に世話をされるということはこういうことなんです。
年だけはとりたくない
という、高齢者のキマリ文句は結局これが原因なんです。
でも、でも、デイケアに来てる利用者にそう思わせなくてはならないとしたら、介護保険って一体なんのためにあるんでしょうか。
そう思ったのは私だけでしょうか。














エア・ケアマネ その3

2009年02月11日 | 業務日誌
※ 画像はデコショップgliaashさんのシャアデコ。このフィギュアを探していますが、レア中のレアらしく入手不可能なんです。

『私がこの業者に直接交渉してデモ品を持って来てもらいますからまず試しましょう。
なんといっても高額ですから、レンタルという手もあります。でもそうなっても、レンタル業者も私が紹介してあげられますよ。』

福祉用具のレンタル事業所を、私という本職のケアマネの目の前であっせんしはじめた中澤裕子。
結局この日は、とりあえずデモで試してみてから、購入決定はそのあとで、ということになり、マットの業者には中澤から連絡してもらうことにして辞去。
事務所に戻ってからすぐ、この一件を主任や他のケアマネさんたちに報告して意見を聞いてみました。
すると、この中澤は、ケアハウス内の別の利用者んとこでも同様のことをやってて、トラブったことがあるという事実がわかりました。
そのときの経過はこうです。
数ヶ月前、カニちゃんの担当利用者・保田圭さん77歳(仮名)が、このマット事業所の実演販売?を見てその気になり、購入するほどのお金はないのでレンタルしたいと言い出したためカニちゃんに相談。
もともと保田さんには㈱ノック(仮称)という事業者が入っており、歩行器やベッドをレンタルしていました。
で、この問題のマットは㈱ノックにもあったので、レンタルするなら㈱ノックから借りればいいということでハナシはつきそうだったんですが、マットの製造メーカーさんま屋(仮称)はレンタル事業所を指定、『㈱ノックよりも200点も安く提供するから』と、わたしたちがまったく付き合いのない事業所を紹介しようとしたのです。
カニちゃんはこの話にすごく疑問を抱き、新しい事業所を紹介してもらう必要はないと断りました。
㈱ノックの現任の対応に問題はないので、別の事業所を入れるメリットがないからです。
たしかに㈱ノックで700点のマットを、500点で出す、というのは悪い話ではありませんが、保田さんは限度額にも余裕があり、毎月限度額でキリキリしなくてはならない状況でもない。
担当者会議やモニタリング訪問など、利用者の負担やケアマネの手間を考えれば、なんでわざわざ他の事業所を使わにゃならんのだと。
もっともです。私だってそう言います。
結局保田さんは、家族に反対されてマットのレンタルをやめたのですが、このときのゴタゴタのせいで今もカニちゃんは
ひがしのケアマネ主任は自分の手間のために利用者にとって利益になることをしない
と言われてるんです。

私はこの話を聞いてめちゃめちゃアタマにきてしまいました。
なんで、コトの次第を事務長に報告。
そして㈱ノックの担当者に報告。
事務長は事務長会議のときに報告する、と。
㈱ノックの担当者は上司に報告し、上司はマットのメーカーさんま屋に正式に抗議することとなりました。
※新しい事業所を使えと勧めるにあたり、さんま屋が『㈱ノックさんよりも○○○○○というところのほうが対応も人間もいい』と言ったからです。

そもそも、ケアハウス内で訪問販売もどきが行われること自体がビックリですし、入所者にとって影響力が大きいに決まっている寮母が、特定の事業所(者)をあっせんするなんてことがあっていいんでしょうか。
ましてやケアマネのシゴトにケチまでつけやがって、おまえは一体何様だと。
こちとら安い月給で我慢してやってんだ。
寮母だかなんだか知らないが、いちいち口出しすんなってんだペッペッ。



結局マリさんはマットをどうしたか。



デモ品が運び込まれて数日たったある日、私はすぐにマリさんを訪ねてみました。
まさかもう買ってしまったのではないだろうか、それかとっくにレンタル契約なんかやっちゃってたりしないだろうか、とドキドキしながらマリさんの部屋に入ると


あれ?ベッドの上には何もナッシング。
これだけはすぐにでも買う、と言っていた枕すらナッシング。

「マリさん、例のマットはどうしたんですか?」
と尋ねると、マリさんは
「あああれですか。
あんまり堅いんで敷いてもらったその夜に自分で外しましたよ」
と、しっぶ~い顔で教えてくれました。
いやいや堅いの堅くないの、どうしても眠れなくて夜中に自分でひっぺがして床にほったまま寝たけど、その重いの重くないの、おかげで腰も痛くなってしまって腹が立つの立たないのブツブツ
だそうです。
翌日中澤はマリさんに平謝り。
「あんなに堅いとは思わなかった」
ですと。
テメ、寝てみて勧めたんと違うんかい!!
と心の中で突っ込んだハリケンでした。

ま、このようにたとえ業界No.1のマットでも、万人に良いなんてこた絶対ありません。
ましてや、20万円もするマットを購入しても、あと何年その上で眠れるかわかりませんし、家族は処分に困りますよ!
ケアマネそして利用者の皆様。
オレオレ、振込みサギ、そしてエア・ケアマネには充分注意しましょうね。





エア・ケアマネ その2

2009年02月01日 | 業務日誌
※ 画像は…なんだっけ、ズコック?ザク?


ウチの法人の系列ケアハウスもみじの、知る人ぞ知るエア・ケアマネ寮母、中澤裕子52歳(仮名)。
彼女のどんな行動が私を怒らせたのかについてご説明いたしましょう。

このケアハウスに入所している私の担当の利用者、矢口マリさん(仮名)76歳。
10月頃に認定更新し、要支援2から要介護2になった方です。
調査の時期たまたま、白内障オペの直後ということもあって大変調子が悪かった。
身体の負担をおしていっぺんに両眼手術したのに、視力は全然回復しないし、大好きだった司馬遼太郎も新聞も読めず、行く末を悲観して落ち込んでたし、物忘れもひどかったし、というのが2段階アップ(ダウン?)の原因です。
もともと骨粗しょう症で圧迫骨折を繰返しており、腰痛もひどい。
本人と話し合い、訪問リハビリを入れて少しずつ気分的&身体的に良くなりつつあった去年の暮のこと。

私がマリさんの居室で話をしていると、中澤裕子がやってきました。
歩行器レンタルのことで寮母さんのご意見を聞きたいと言ってあったからですが、まーどーせケアマネが帰ってから
『何の話だったの?』
『何か変わったことでもするの?』
とご本人に探りを入れるヤツですから、どうせなら同席させたろと思ってのこと。
私がヤツに相談なく訪問リハビリを入れたことをココロよく思ってなかったのは知ってたしね。

で、3人で、今使っている歩行器を変えたほうがいいのかどうかとか話していたんですが…

中澤が、突然(ええホントに突然)褥瘡防止マットについて語り始めたんです。

それがねえ、ちょっと前に介護用品の業者が来て、このケアハウスでマットの説明会をやったというんですわ。

私、ちょっと驚いてしまいました。
そりゃケアハウスは個人の住居であって施設ではないし、厳しい管理などがあるワケではありませんが、それにしても、まさか高齢者を集めて介護用品を売ったりするようなことが、ハウス内で行われるなんて考えられなかったんです。
このケアハウスは特養の上の階にあり、一応出入りする人のチェックもしてますしね。

で、中澤は、その業者の持って来た介護マットがいかによいものか、どんなに寝心地がよく、どんなに吸湿性がよく、どんなに保温性がよく、どんなに痛みを和らげてくれるかについてまさに業者のようにとうとうと語るんですわ。

実は私もそのマットの素材で作ったまくらを購入した。
メガネをかけたまま寝ても熟睡したほど低反発で素晴らしいものだ。
まくらでこれほどならマットはどのように素晴らしいか。
私はすぐさま他の入所者にもすすめて、現在10数名の人がこれを使っている。

信じられます?
これホントに中澤が言ったんですよ。
わかります?
自分の入所している施設の親玉格からこんな話を聞かされたときの年寄りの気持ち。

中澤の説明がひとしきり済んだあと、マリさんは何て言ったとお思いか。
そんなにいいなら
すぐに買います。


私はあっけにとられてしまいました。

まくら2万円。
マット20万円弱。
その両方を買うと言うんです。

おいおい。

「マママママママリさん、とりあえず実物を見てから決めてはどうですか?介護マットですから、って、マリさんのベッドはそもそも一般用のベッドですし、介護マットとはサイズが合わないかもしれませんし、それだとベッドから変えなくてはならなくなりますよ」
私は慌てて突っ込みました。

すると中澤、何と言ったとお思いか。

『そうですよマリさん。興味を持っていただけたのなら、私がこの業者に直接交渉してデモ品を持って来てもらいますからまず試しましょう。
なんといっても高額ですから、レンタルという手もあります。でもそうなっても、レンタル業者も私が紹介してあげられますよ。』

!!!!!

このエア・ケアマネは、福祉用具のレンタル事業所を
本職のケアマネの目の前で
あっせんしはじめたんですわ!!


                        その3につづく