業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

ケアマネ=准公務員

2007年11月30日 | 業務日誌
皆様の居住地区の自治体は、どんな職員さんがおられますでしょうか。

ハリケンのとこは某県某市ひがし区(仮名)。
対応はいまイチです。
頼りにならないというかなんというか、ちょっと小難しいことを聞けば
県に聞け
と言われるし、かと思えばミョーに厳密だし、ときにはいったん受け取った申請書の類を
「日付がヤバい」
「間違っていた」
と、何度もやりなおさなくてはならなかったり。
窓口にはのつくベテランと、ゲロにも劣るド素人が混在しており、えらい時間がかかった挙句に再提出になったり、スムーズに受領されたかと思えば叱られたりです。

しかし、まあこの区は悪くはないです。
問題は、ひがし区のとなりの区なんです。

その区を仮にジョー区としましょう。

このジョー区、最近えらい不祥事が多い。
社協のヘルパーが100万単位の窃盗でつかまったり、なんだかんだで謝罪文がまわってくること「また来たね」ってカンジでした。
実は先日、ウチの患者さん・Bさんが、この区でえらいことをしでかしてしまいまして。

ううう。
詳しく書けないのがもどかしい。

Bさんは介護サービスを使っていません。
ですが一段階の保険料を天引きされています。

3日前、ジョー区住民のBさんは、介護保険料が高いとジョー区の介護保険課に苦情の電話をしました。
なぜ、ヘルパーもタクシーも使わず頑張っている自分が、こんなに高額の保険料を取られなくてはならないのか。納得できない。
その電話に出たジョー区の職員の対応がとても悪かった。
ああだこうだ、すったもんだの挙句
介護保険料は厚生労働省が決めている。区に苦情を言われても困る
と答えたそうです。

その対応にキレたBさん、なんと

区役所に
包丁持ってって
「切腹してやる!」
と叫び
駆けつけた警官に
取り押さえられて
しまいました。


ま、区役所職員を刺そうとかしたワケじゃないんで、訓戒程度で帰してもらえたらしいですけどね。

次の日に医事課でそのことを聞いた私は、もしかしたらニュースか掲示板に出てやしないかと思ったので○○○区包丁でググってみました。

そしたらさ
このBさんの一件以外にも検索ヒットしやがった。
生保申請を打ち切られた男・区役所で包丁を振り回すとかね。
やれやれです。
このジョー区、ホントに対応悪くて評判なんですよ。
ところでこういうのって、罪状に「公務執行妨害」つかないのかな。
たとえば私たちケアマネが仕事を妨害されたときはなんか罪に問えないんでしょうか。
私たちは准公務員ですから、准公務執行妨害とかにならないんでしょうか。



税金とか、介護保険料とかに対する説明はきちんとしなきゃならないなとつくづく思いましたよ。対応が悪かったり説明が足りなかったりするとおおごとになっちゃいますからね。
皆さんも准公務員として気をつけましょうね。


…ところで冬ボ、今年は公務員並みにもらえるんでしょうか。



接近困難事例レポート4

2007年11月23日 | 業務日誌
申し訳ございません
最近ホントに更新が滞り、旧友から安否確認の電話をもらってしまったハリケンです。
ホントに忙しいんだってば。
新規も含め、予防の利用者が5人になっちゃったよ。
これ以上包括と付き合いはしたくないってのにさ。


坂田三吉さん(仮名)70歳・要介護1。
実の娘でさえ自宅に入れない、自分以外の人間は皆サギか泥棒だと思っている、被害妄想の強い認知症です。
日に日にゴミ屋敷化してゆく自分の実家を嘆いた娘は、まず安否確認で坂田さんに接近し、徐々に関係を作り、最終的には掃除をさせてもらえるようにしてほしいと思い、ひがしケアプランに助けを求めました。
「月に1回なら安否確認させてやってもいい」
と言う坂田さんを娘とふたりで説き伏せ、週に2回の訪問を承知させました。
しかしとうぶんは玄関先での安否確認となるでしょう-------自宅に入れてくれないのですから。
結局私はこの方のお宅に、自分とこの併設ヘルステ、つまりひがしヘルパーSTを組みました。

これについてはすごく悩んだのですが、こういう事例でよそのヘルステを使うのはやはり難しかったんです。
まず、ヘルパーが毎日訪問のたびに利用者にいただくことになっている確認印
これがもらえません。
坂田さんにとって、ワケのわからん書類に印鑑を押すということはもうそれだけでサギの被害者です。
そこで私は娘と話し合い
ヘルパーが訪問したら都度報告をもらい、私(ケアマネ)が判子をつく
ということに決めて三文判を購入。毎月私がそれ持って娘宅へ行き、確認してもらうことにしています。
これ、よくないです。わかってます。他所のヘルステには頼めません。
また、身体1×週に2回で組んだとはいえ、実際の訪問時間はせいぜい15分なことは目に見えています。
これについてはあらかじめ区役所と話し合い、居宅サービス計画に
まず安否確認から開始し、警戒心を解き、最終的には家事支援や緊急時の対応を依頼されるまでの信頼関係を構築するための派遣であることを前提とし、それを意識して訪問する
とすることを決めました。
とはいえとても難しいサービスです。
単にヘルステを楽に儲けさせるだけにならないよう、しっかり連携をとって情報連絡していく必要があります。
坂田さんは認知症ですから、ヘルパーの訪問なんか忘れます。
ましてや「ヘルパーなんぞいらん」と思っている方なのですから、訪問時不在・安否未確認という事態が起こるだろうことは充分予想できます。
そんなときは、サービスのはざまで再度訪問してもらわなくてはなりません。
その日坂田さんが確かに生きていること、異常のないことを確かめるまで訪問してもらうワケです。
どうしてもその日の就業時間内に確認出来なければ翌日に振り替えて行ってもらわなくてはならない。そんなややこしいサービス、多少はムリの言える事業所でなければムリなんです。

で、不本意ながらもこのサービスをひがしヘルステにふったワケですが、今のところは当初の予想通りです。
初日の面接はやはり坂田さんが玄関前で仁王立ち、その前に私と目くそと野ぐそが3人で並び、自己紹介と簡単な説明をさせてもらっただけ。
契約なんか結べませんので、私が娘宅に行って訪問介護事業所の契約説明を代行してきました。これマズイだろうと思いますがそれしか手がなかった。
初回訪問は野ぐそに行ってもらいましたが、なんと玄関も開けてもらえず、ガラス戸ごしに必死で10分程度会話してきただけです。
(それからあと5分、本人の状態を確認するためにちょっとしたことをしてもらっていますが詳細は今は書けません)
この初回訪問の日、野ぐそと目くそは、もう一度きちんと本人の姿をジカに見て報告すべきかどうか悩み、その日AMだけの勤務だった私が所用で某有名質屋に行き、店員にエルメスの中古のキーケースを見せてもらっているところに電話をかけてきましたよ。
私は店員に渡されてはめていた白い手袋をはめたまま電話に出て対応しましたっけ。

その後も何度か訪問しましたが、未だに坂田さんは私たちの誰一人、玄関の中に入れてくれていません。雨が降ろうと寒かろうと、絶対に玄関先です。
果たしてこんなんでいいのか。
いいとしても、一体いつまで続ければいいのか、先の見えない状態です。
しかし、やってみて出来ないことを知るのも必要かと。
まずは1ヶ月やってみて、出来ませんでしたという結果を出すのもある意味アリかと(無理矢理)思うワケです。そこから先どうするのか、来月また考えることにします。

出来ないものは出来ない。
どうしてもというなら、坂田さんが外出しているスキに、業者を入れて片付けるしかないんです。でなきゃ、坂田さんの認知症がもっと進行するまで待つとか。
やるだけやって、また考えます。



復活

2007年11月17日 | 個人情報
※ 画像は“おっぱっぴー”だと思います。思いません。


2,3日前まで完全に意気消沈しておりました。

ハリケンはオークションが大好きでよく入札とか落札とかしています。
ごく稀に出品とかもします。
以前、つっても2年くらい前かな、1度ヤフオクのIDを剥奪されたことがありまして。
なんのことはない、ヤフオクで買ったものをヤフオクで売ろうとしたら偽物だったということで、たちまち利用停止処分になりました。
そのとき私はヤフBBユーザーだったので、メールも何もかも全て使えなくなってしまってまあ大変な目に遭いました。
しかし自分が迂闊だったので仕方ないですね。
そのときの評価は150くらいあったのですが、当然それもパーです。
しかし、裏技を使って新しいIDを再取得し、またヤフオクを再開してはや2年。

ハリケンはこう見えてとても信頼のおける落札者様です。
現在評価は200を超えたところで、当然『悪い』『非常に悪い』評価のみならず『どちらでもない』ももらったことはありません。全部『非常に良い』です。

先週、ふと思い立って、いくつかの使用しないものを出品しました。
開始価格が安かったせいか、ガンガン入札されたワリにはお安く落札されてしまい、たいしてもうけはなかったです。
でも、タンスのこやしになるよりも、使ってもらったほうがいいので、不満はありませんでした。
そしてそれらを発送する頃、また別のものを出品してみました。
出品したのはブランド品です。
その中のひとつ、ヴ○○ンの小さなバッグがオークションマスターの検閲にひっかかり、突然出品していたものがすべて取り消しになりました。
あれよあれよというまに利用停止、前回の落札者とも連絡が取れなくなってしまいました。

でも、今回ハリケンが出したのは紛れも無く本物・正規品でしたので、私はカスタマーセンターに抗議することにしたんです。

数日の間、何回かメールをやりとりして、商品画像を再度検閲されたりした(んだと思います)結果、ハリケンの出したものが正規品ということがわかってもらえたらしく、利用停止は解除され、またヤフオクに参加できるようになりました。

結局のところ、私の出したヴ○○ンの品物自体が問題だったんじゃないんです。
ハリケンが記載していた商品詳細文がいけなかったらしい。
-----------------------------------------------------------------------
LOUIS VUITTON ミニ スピーディ旧タイプストラップ付
ヴィトンのモノグラムライン、ミニスピーディーです。
サイズ:W15×H10×D7cm 手計測ですので参考程度にお考え下さい。
シリアル:TH×××× 鍵なし
2年ほど前、質屋さんのオークションで購入しました。
本物だと思いますが鑑定はしていません。
-----------------------------------------------------------------------
という本文の
本物だと思いますが鑑定はしていません。
の一文がひっかかりました。

真贋がはっきりしないものを出品してはいけませんってことですね。

まあ結局はコトなきを得たのですが、その前に出品したものを落札していた人たちは気が気じゃなかったでしょうね。
まだ品物は届いていないのに、突然連絡が取れなくなったんですからね。

もちろん落札されたものはきちんとお送りし、謝罪のお手紙もつけました。
しかし、たまたま利用停止になる寸前に私が落札していた品物は、IDの停止と同時に『落札者都合で取り消し』となり、キレイだった私の評価にはたったひとつ『悪い』がついてしまいました。

ま、いいです。自分のミスですからねえ。

そんなこんなでここんとこふさぎ込んだり(笑)復活したりしてたんですが、最近とある訪問介護事業所から回状がきまして。

コムスン事件の数ヶ月前にコムスンに吸収されてしまった、某ヘルパー事業所なんですけどね。
回状には、弊社は1度はコムスンと合併したものの、やっぱり縁を切ったとか心機一転ですとか書かれてました。
私はコムスンは使ったことなかったのですが、ここはひとり利用しているので心配していたんですが、まあよかったのかなと思います。
事業所名ももともと変えてなかったし、利用者はそこがコムスン傘下だったことは知りませんからね。

でもねえ。

1度失った信用を回復するのって、とっても大変です。
壊すのはホント簡単なんですけどね。
今度は絶対にきちんとしますから信用して下さい、というのも簡単ですが、本当に言ったとおりしなくては2度と信用してもらえないでしょうからね。

人はミスをする。
完全な人間などいない。
ミスをしてしまったらそのあとどうするかってのが大切なんですね。


先月、ある利用者さんの担当者会議の開催時刻、14時4時と間違えてすっぽかしました。
先週同じ利用者さん宅の訪問リハの開始のサ担を、今度は13時3時を間違えて大幅に遅刻しました(電話かかってきて飛んで行った)。

すみませんねハリケンさん、お忙しいんでしょう?
と言われて
ええ、まあそうなんですよタハハ~
…この信用を取り戻すにはあと何年かかるだろうか。
果たしてそれまでこの利用者は生き(自粛)。


仕事が雑になってきたなあ、いかんいかん。






公正・中立 その4

2007年11月13日 | 業務日誌
業務連絡。部長、せっかく送ったのに今日当直ですってね。
エロ漫画・DVD・エロゲー多数詰め合わせて送ってます。Y主任やYくんやIくんと分けて下さい。


このトピを今日まで放置していたのには、それなりの理由があるんです。

((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル 震える足で、森師長のもとへ(アポもとらず)駆け上がって(師長は最上階におわしますので)行った私。
ヒルトン一家から、透析施設の変更の相談があったことを報告。
森師長、たちまち夜叉に変貌です。

「つまりこれは引き抜きですね。」
申し訳ございません。
「阻止出来なかったんですか?」
阻止しようにも、ご家族が直接ショートだけでなく入所の申し込みもされていたので。
「ハリケンさんは知らなかったというわけ?」
いえ、透析可能な老健があると情報提供したのは私です。
ですが、その日のうちに見学・申し込み・来年までの予約をしておられましたので阻止しようにも。
「そうですか。」
申し訳ございません。
「よりによって、ゴールド透析クリニックの併設老健などに。」
申し訳ございません。
「私たちクリニックスタッフが透析患者さんひとり獲得するのに、どれほど頭を下げているのか、どれほど努力しているのかを、ハリケンさんはご存知ですか?」
申し訳ございません。

その後事務所に戻った私に森師長から電話がありました。
ひがしクリニックの患者さんを今後一切、シルバー老健に紹介してはならないとおっしゃるのです。

私の担当する利用者は現在37人+予防3人。
介護給付の37人中、透析患者はなんと10人もいます。
そのうちひがしクリニックの患者は7人です。
そんな私のようなケアマネにとって、透析患者さんばかりか、胃ろうもストマも受けてくれて、きちんと対応してくれるシルバー老健はとてもありがたい施設なんですよ。
この件でカニちゃんや他のケアマネさんたちとも話し合いをしました。
そりゃ法人のいいぶんはよくわかります。
クリニックの収益なくしては、居介だのデイケアだのヘルステだの弱小部署は成り立たないし、無視できないこともわかります。
でも、やっぱり納得できません。

私の気持ちは皆さんにも伝わると思いますので、愚痴はもうやめときます。
愚痴はもう昨日まで、さんざんカニちゃんに聞いてもらいました。
言い足りない気もするけど、もうやめます。

結局、それからカニちゃんと師長と事務長が話し合って、
「系列法人である特養もみじに透析患者のショートを受けさせればいいんだ」
ということになりました。
そして今日、特養もみじの相談員・ケアマネ・事務長・看護主任と、こちらからはカニちゃん・事務長・森師長とでなぐりこみ話し合いが行われ、結果
「状態の安定している人なら受ける」
というところまで譲歩させたそうです。
今後透析患者さんのショートを組むときは、まずこの特養もみじに依頼し、それがダメなら森師長にお伺いを立て、他に打つ手なしということに納得いただければ他所の老健を使ってもよいということになりました。
しかしそれであっても、もう2度と、シルバー老健を利用することは事実上不可でしょうね。

これまで何度かシルバー老健を利用させてもらい、マメに情報提供したり、初回面談には必ず立ち会ったり、初日には面会に行ったりしました。
1日も早く判定会をやってもらえるように、診療情報提供書とかは私自身がドクターに依頼し、直接持って行きました。
そうしてやっと、ハリケンさんは熱心ないいケアマネさんだと勘違い思ってもらえて、急なSS依頼でも
「なんとかしてみましょう」
と検討してもらえるようになった、いわば関係のとれ始めていた老健でした。
そういう事業所や相談員がどんなに貴重か、ケアマネさんにならわかってもらえると思います。
ものすごく残念です。

これまで透析患者のみならず、インシュリンの方も受けてくれなかった特養もみじに期待なんてできません
それでも、このひがし会に在籍する限り、利用者を犠牲にして法人の利益を守っていかなくてはならないのかと思うと----------


冬ボまであと1ヶ月足らずですね。
そろそろ求人の時期かな。






公正・中立 その3

2007年11月08日 | 業務日誌
業務連絡。部長、エロDVDはもうしばらく待って下さい。

数日後再びヒルトン一家から
「やっぱり透析の受けられるショートを探して下さい。」
という電話があり、
「お宅から車で20分くらいのところですが、老健シルバーという透析可能な老健があります。私がそこの相談員に情報連絡すれば、近日中に電話があり、面談ということになるでしょう。もしも時間があれば、施設を見学に行かれてはどうですか?」
と言いました。
するとヒルトン一家は(本人は別として)嫁や孫嫁がその2時間後に早速見学すると言い出したので慌ててシルバー相談員に連絡。
新しくキレイで清潔な老健シルバー、たちまちヒルトン一家は気に入ってしまいました。
あとでわかったことですが、ヒルトン一家はその日見学だけでなく利用申し込みも済ませてしまい、さらに来年までのショートステイを予約してきていたんです。
切羽つまってたんですね。急いで使いたかったんですね。
そして、その予約した日程をみてみたら、毎週月曜から木曜までのショートステイ。ヒルトンさんは月水金の透析ですから、ほぼ月の2/3、ゴールド透析クリニックで透析を受けるというスケジュール。
やばいです。これではもう、メイン透析施設はひがしクリニックではなく、ゴールド透析クリニックです。減収もいいトコです。
私はすぐさま、そのスケジュールをもって森師長のもとへ。
「まだ入所判定会もまだですし、実際にこの日程で利用されるかどうかも不明ですが」
ともお伝えしました。
もしかしたら初回の利用で「2度と行きたくない」と拒否られるかもしれませんし、ご家族の気持ちもかわるかもしれません、と。
森師長の眉間に深いタテ皺。
こめかみには怒りマーク。
「わかりました、また何かわかったら報告して下さい」
と不気味な調子でお答えが。

それから1週間後に面談があり、そこに私も同席しました。
認知症といっても暴れたり歩き回ったりする人ではありませんし、高額な報酬をもたらす透析患者です。
ヒルトンさんが老健シルバーから利用を断られるとは思えません。
話し合いはすすみ、家族から
「ショートステイ中にシャントのオペが入ったらどうするすればいいのか」
との質問が出ました。
ひがしクリニックの本院は遠いので、患者さんは大抵透析を導入した病院に行ってシャントを点検・再建してきます。大体2,3ヶ月に1度です。
ヒルトンさんはどこでシャントオペを?
ああそうですか、中部病院ですか。基本的にはショート中の受診はご家族対応になりますが、とそこまで説明し、シルバーの相談員は当然のごとく
「併設のプラチナ病院でもシャントのオペが出来ますよ」
と答える。

これでキマリです。

そして翌日、ヒルトン一家から
ハリケンさんには本当に申し訳ないのですが、あそこまで透析患者のフォローが出来る施設なら、ショートだけでなく入所の申し込みもしておきたい。
と電話が。
--------実は私どもの身内にプラチナ病院の関係者と親しいものがおりまして、今度うちの母をこのような形でシルバーさんにお願いすることになったというお話をしましたところ、だったらいっそ透析も全部ウチ(ゴールド・プラチナ)でやらせてもらったほうがいいとアドバイスいただきました。私たちもそうだな、と思いまして、であれば、毎週末だけ自宅に戻ってもらうプランで母をみていきたいので、透析をすべてショート中にシルバーさんでやってもらうことにしたいのですが。
ときました。

当然のことです。
もし私の父親がこのような立場になったとしたら、私だってそうお願いするでしょう。

わかりました。
私はひがしクリニック併設の居介のケアマネですが、ヒルトンさんやご家族の便宜、のみならず今後の介護生活を考えて、私もそのほうがいいように思います。
しかし医療機関のことは私が調整すべきことではないので、ヒルトンさんの入所判定会の結果がOKと出た時点で、ご家族からひがしクリニックにご相談下さいますか。
とはいえ、いきなりではご家族もお話しにくいでしょうから、私のほうから事前に、ひがしクリニック師長の森の耳に入れておきますので。



で、私は、震えるその足で、森師長のもとへ(アポもとらず)駆け上がって(師長は最上階におわしますので)行ったのでした。


                       つづく






公正・中立 その2

2007年11月07日 | 業務日誌
ヒルトンさん(仮名・85歳/要介護2・認知症)は、週に3回ひがしクリニックに通う透析患者さん。
私が担当することになったのは1年前
「デイに通いたいという高齢者がいる」
と、透析センターからの紹介で、認定を受けてもらったのがきっかけでした。
要介護1が出て、デイサービスに通所してもらいはしたもののお気に召さず1ヶ月で拒否。以来使いたいサービスもなく、ケースが眠ってしまっていました。
ケースが眠ったとはいえ、クリニックの患者さんですから、ときどき透析センターでお見かけしては挨拶し、ご様子だけは伺ってきたのですが…。

「助けてハリケンさん!母の認知症が進行し、家族がヘトヘトです!」
ヒルトンさんの同居ヨメから電話があったのが先月。
聞けばヒルトンさん、ここ数ヶ月
「今日は透析かしら」
「明日は透析かしら」
と、透析の日だろうとなかろうと、朝も早よからベッドを脱け出し、自宅玄関で徘徊、転倒したりしはじめたとか。
いっときもひとりでいられず、突然泣いたり怒ったりし、介護者である嫁や孫嫁は疲れきっているのだとか。

透析にお見えの際のヒルトンさんはとっても上品で大人しいため、居宅での変化に気付かなかった、もっと連絡をとっておけばよかった、トホホ、と恥じ入りながら、
・定期的にショートに預けて家族が休養できるようにしたい。
という家族の希望を聞きました。
しかし、特養などのショートでは、そこから透析に通うことがちょっと難しい。
中には受け入れてくれる特養もありますがそう簡単に取れない。ましてや定期的にとなると…。
透析に“通う”ことが苦になっているので、透析が出来る老健にSSできれば問題はないワケです。
そこで私は
「今すぐ利用できるかどうかはわかりませんが、透析を受けられる施設にショートステイする方法もあります。どの程度定期で利用されるのか、ご家族で相談してみて下さい。そしたらその日程を取れるかどうか調整してみましょう」
とお答えしました。
それからすぐに透析センターに行き、森の神に、ヒルトンさんがショートステイを探していること、特養がダメなら老健、透析の受けられる老健を検討すること、最も可能性の高いのは老健シルパーであることを報告したんです。

老健シルバーは、ひがしクリニックから数キロ離れたところにプラチナ病院・ゴールド透析クリニックを併設する老健です。
いうなればライバルですから、当然森の神のお顔は暗くなりました。
が、利用者が希望する施設がウチにない以上はそこを薦めるしかない。

ひがし会にも大きな病院がありますが、とっても遠いんです。
そこでは透析もやりますし、老健だってありますが、遠くてお話になりません。

老健シルバーはともかく、ゴールド透析クリニックはあんまり評判がよろしくない。透析クリニックとして評判が良くないというのがどういうことなのか、私にはいまイチわかりません。ナースが少ないとかそういう話は聞きます。
でも、問題の多い患者さんや利用者さんの受け入れ状況がとてもいいんです。
私はここに、よそで断られた胃ろうの方やストマの方、もちろん以前透析の方も受けてもらったことがありますし、そういう意味ではとっても頼りになる老健なんです。


私たちの居介が、自法人のクリニックのおかげで潤っているということを考えれば、よそで透析を受けることになるかもしれないようなケースを出すのはタブーでしょう。
それはわかります。
結局居介のケアマネは営業中心。
自分の法人に仕事をひっぱってくるのが仕事だろうと、そう思われていても仕方ありません。

でも、でも。

厄介な病気があっても受け入れがよく、利用者のニーズをすべて満たせる施設がそこにあるというのに、数少ない、透析に通える特養を探しまわり、送迎車を手配し、もしかしたら利用者や家族に余計な負担をかけてしまいかねないようなことを、わざわざやるケアマネってそんなにいないはずです。
ましてや、自法人のもつ特養もみじは
決して透析患者をショートに取らない
というのに。
(ひがし会の別法人・特養もみじは、呆れるほどに介護力がなく、透析ばかりか胃ろうもストマもほとんどまったく受けません。あるときなど、結婚式で他県に行くためSSを利用したいという、ほとんど問題のない利用者を『緊急時の連絡がとれないから』と断られたときにゃ、私たちケアマネはドリフのオチの状態で腰砕けになりました)


そんなワケで私は、数日後再びヒルトン一家から
「決めました、ハリケンさん。やっぱり透析の受けられるショートを探して下さい。」
という電話があったとき、意を決して老健シルバーを紹介したというワケです。


                  つづく






公正・中立 その1

2007年11月06日 | 業務日誌
介護保険制度において総合的な連絡調整の任を果たすべき介護支援専門員は、併設組織の意向に左右されることなく、真に公正中立の立場に立ち、利用者や介護者の代弁者としての役割を担っていなくてはなりません。
つまりそれは、要介護者等の身体の状況等に応じた総合的な援助目標の設定と適切な介護サービスの調整を行うということで、公正・中立の立場から業務を行う必要があるということなのです。


ケアマネを目指し、必死で勉強をし、退屈な研修を受ける中、私たちは何度この
中立・公正
という言葉を耳にしたことでしょうか。
そして私たちは日々の業務の中で、いつ、いったいどうやって、この大切な基本理念を忘れ、捨て去ってしまうのでしょうか。



私ことハリケンの所属するのは、医療法人ひがし会がもつ7箇所の居介のうちのひとつであるひがしケアプランセンター
実はここ、ひがし会の居介のうち1番ケアマネが多いんです(4.5人)。
どこの居介でも包括の来襲で利用者が減り、ひとりアタマ担当人数が30人を割り、やれ兼務、それ異動とケアマネお荷物ケアマネ粗大ゴミの風潮が蔓延する中にあって、ひがしケアプランは平和です。
ひとり平均担当利用者35人(予防もいるけどね)なので、縮小しろとか撤退しろとか言われたことはありません。
それもこれも、併設のひがしクリニックのおかげだってことは重々承知しています。



前置きが長いですかそうですか。



では、早送り。

実は今日、ハリケンの担当利用者のひとり・ヒルトンさん(仮名・85歳/要介護2・認知症)が、ひがしクリニック透析センターから、他所の透析施設に移ることになったんです。
ヒルトンさんの家族の希望で、透析の出来る老健を探すことになって、いつもお世話になっている透析可能老健シルバーさんにお願いしたところ、あれよあれよというまに併設透析クリニックのゴールドさんに取り込まれてしまった、ということです。

これが原因で私、今日、クリニックの師長森の神にすごく叱られましてね。
当クリニックの患者に、今後一切、透析施設のある老健を利用させてはならないという御触れが来たんですわ。



ちょっとね、今、マジでハローワークのケアマネ求人欄見てるんで、詳しいことは明日また書きますけどね。
そりゃね、併設にデイがあるとことか、ヘルステがあるとことか、そういう居介はたくさんありますでしょうしね、そういう法人で
「ウチのヘルパー使ってね」
とか
「ウチのデイに引っ張れよ」
とかゆーことがあるのは知ってますよ。
でもさ。
ただでさえ透析OKの老健が少ない中、なのに透析患者は全国的に増加傾向である昨今、その患者や患者を抱える家族が困り果ててしまう現状のある中でですよ。
そんな透析患者である要介護高齢者をセンター内で1番多く担当するケアマネの私が、
ハリケンさんのやったことは、よその施設にエサを与えたようなもの
とまで言われるのって
納得出来ない。


どう思います?
これ。