業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

バイステックの原則「自己決定」 その4

2011年06月22日 | 事例検討
※ ぬこグッタリ。

いつのまにか梅雨入りしてしまいました(汗)

私の地元は大雨で大変だったようです。
今日入梅した被災地も、これからさらに心配が増すことでしょう。
日本中、悲しいこととか辛いこととかで散らかっている気がしますが
みんなでひとつずつ片付けていきましょう。








ウチの職場の『虐待防止マニュアル』をまるっと転載したいと思ったんですが
これやってしまうと組織体系図みたいなのから法人バレしそうだったのでやめました。
すみませー。

なんでここでは、一般的に、どこの自治体にでもあるようなマニュアルを参照しつつ進めたいと思います。


高齢者虐待の具体的な対応方策(ざっと)

 1 虐待の発見

 2 相談・通報受理

 3 調査の実施

 4 ケース会議

 5 支援方針の検討及び支援の実施

 6 老人福祉法に基づく措置の実施

 7 成年後見制度及び日常生活自立支援事業などの活用

 8 支援の評価と支援方針の修正

 9 再発・未然防止対策


ウチの流れとしては、虐待ケースを見つけたとき、まずはうえに報告をします。
うえからうえに、そしてまたうえに報告をします。
そして区や包括に相談をします。
区や包括も、うえからうえに、そしてまたうえに報告をします。
そして区や包括が調査を実施します。
その調査の結果を持ち寄り、居宅と区と包括でケース会議をします。

まずはここまで。







忘れもしないあの日。
今年の3月11日です。

私たちの地区でも、大きな揺れを感じました。

私はそのとき、病院の敷地内にいて、訪問に出ようとするところでした。
院内から職員や利用者の叫び声が聞こえて、私はすぐ病院に戻りましたが、揺れはすぐにおさまりました。
テレビやネットで状況を確認し、訪問の予定を変更して、独居で崩れそうな家に住んでいる方のところを数件見てまわりました。
無事を確認して事業所に戻ると、もう終業時間近くになっていました。
スタッフの自宅や家族も心配ですから、定時に全員帰るように促しました。

ところが

スタッフがひとり足りない。

ヴィクトリアがまだ訪問に出たまま、戻っていないんです。

彼女の訪問先は、ニコラス宅でした。

気になったので終業後しばらく待っていました。
いつもならスタッフ全員が揃ってから自分も終わるのですが、この日は私も自分の家族が心配だったので、ヴィクトリアのことを上司(←事務課長)にお願いして帰りました。

自宅に到着すると(幸い自宅は無事でした、壁のものが2,3点落下してた程度)すぐに、事務課長から携帯に電話がかかってきまして


「ヴィクトリアさんが、訪問先で、利用者の虐待の現場に遭遇し、なんとか事態を収拾して今やっと帰社したよ」

と知らされました。


つづく





バイステックの原則「自己決定」 その3

2011年06月04日 | 事例検討
画像はどう見てもリスなぬこ

また放置してしまった・・・orz

2ヶ月もあいてしもた(汗)

仕事が行き詰ると趣味に逃げ、趣味に飽きると仕事に戻る、
そんなことを続けてもう何年です。
ダメだこりゃ。


亀ですが、3月末、担当していた利用者さんがいちどに3名も亡くなった朝がありました。
この業界に身を置いて10数年になりますが、さすがに初めてでした。

慣れたなーと思うこともありますが、それは思い過ごしのようです。
高齢者にとって今年の冬~春は本当に辛い冬だったようですね。
いまだ復興の進まない被災地の方々にとってはいかばかりでしょうか。








ニコラスの顔面の大きなキズ。
どう見ても、ヒトのツメのあとです。

デイケアスタッフがニコラス宅へ送迎に行き、ニコラスのその顔を見てギョッとし、思わず、
妻パトリシアのほうを見上げると(ニコラスの自宅はマンション3階)
平然と自分らを見下ろしている表情のない冷たい顔。

ヴィクトリアやデイケアスタッフ、透析スタッフ、誰がたずねても
「転んだ」
とあいまいに笑って答えるニコラス。

デイケアからの送りの際、勇敢なデイケアスタッフのひとりが妻に事情をたずねたそうですが
返ってきたのは
「このひとが自分で勝手に転んだんです」
という無感情なひとこと。

おかしい。
おかしい。
やっぱおかしいよ。

翌日の透析日に透析スタッフやヴィクトリアが、もうちょっとつっこんで話を聞こうと
ニコラスのベッドサイド(←透析センターの)で事情を聴取。

なんでも彼は、ほぼ毎夕、妻パトリシアに
「家の中でそうやって動かずにいると歩けなくなる、散歩してらっしゃい!」
と、家から押し出されてしまうそうです。
そして薄暗くなった公園を歩き、何かに躓いて転倒することがよくあるのだとニコラスは言うのでした。


私たちはは半信半疑。
どこで転んだらツメのあとが顔につくんだよ。
なんとか正しい訴えを引き出そうとして質問を変え、心を許してもらおうとするのですが
ニコラスは
「転んだ」
「自分が悪いんだ」
と答えるばかり。

それだけでは済みませんでした。

翌日のデイケア通所日には、また別のすり傷、打撲痕。
ガーゼや絆創膏を貼って返すと、妻から
「余計なことをしないで下さい」
と叱られるというんです。


これはもう見過ごせない、てことで
次にキズを発見したら、虐待防止マニュアルにそって行動を起こそう、ということにしました。

次回はウチの『虐待防止マニュアル』を転載しつつ書きたいと思います。



つづく