業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

救いようがない

2006年12月17日 | 業務日誌
※ 画像は私と同年代の方ならご存知でしょう、ロックバンド“Rainbow”の『Difficult to cure』というアルバムのジャケ写。
少し前私が、無類のハードロック好き・ナース河合のパソコンに壁紙として落としたものなのですが、青田主任に見られて数時間後に削除されました。つくづく、シャレのわからない居介です。
…ま、ここは病院なので…シャレにならないと言われれば確かに…すみません…。


さて、まずは以下の単語をよくご覧下さい。

お寿司(注:回らない)  焼き肉  うなぎ丼  活き造り

これらはいずれも、言わずと知れた高級料理
ケアマネの薄給では、月に一度の逢瀬がせいぜい。
それでは、上の4品と関係のある単語を、下欄から選んで下さい。

ナマホ   ヘルパー  訪問介護利用者

いかがですか?

…いかがですかってあなた、そう簡単には結びつきませんよね。

オリーブの一件で(『自費と慈悲』3部作参照)私が「ヘルパーの職業倫理」という言葉を口にするのを耳にしたカニちゃんの様子が少しおかしいなと思ったのは一昨日の昼休み、たまたま一緒に風の冷たい屋上にいたときのことです。
何か私に言いたそうな................
私に話を聞いて欲しそうな................
しかし、こんな私の数十倍は強い意志を持つカニちゃんですから、まさかそんな、私に相談したいことがあるなんてこと、プルプル気のせいだろうと思いなおし、いつものように屋上で食後のタバコを吸っていました。

するとカニちゃんから意外なひとことが。

「ハリケンさん、私、ひがしに入職して以来2年間ずっと、誰にも言えずにいたことがあるんですよね…」

正直言って、人から相談されたりするのって苦手なハリケンです(真面目に聞こう、真剣に話そうと思っても、ふと面白そうなことを思いつくとそれを口に出したくて仕方なくなってしまう)から、そのときもついつい
「ええっ、実は私もひとつあるんですよ!…どうしても言えなかったんですが、医事のヤマシタさん(仮名・60歳男性)って
←絶対にヅラですよね!」
と、話をはぐらかそうとしましたが(笑)カニちゃんはへへへっと笑って話を続けたのでした。
し、仕方ない。話を聞こうか。


「実は、私の担当する利用者さん…うちのヘルパーさんと、たびたび食事に出かけてる人がいるんですよね。」

はああ、やれやれ。

しかしひがしのヘルパーなら、そんなヤツはいくらでもいそうだ。
私の利用者さん宅に派遣されてるヘルパーの中には、利用者と一緒の買物で自分のぶんも買ってくる人がいるし(証拠は掴んでいるけどまだ暴露してない)。
公私混同にもホドってもんが。

「それもサービス終了後とかだけでなく、夜、ヘルパーさんと一緒にお寿司を食べたとか、焼き肉屋に行ったとか、うなぎ食べたのよとか、活き造りとか、この2年間に何度も聞かされてきたんです。」

!!

オイオイ…マジかよ…

「私思うんですけど、それってお食事代は誰が払ってるのかなと。」

…そうだよね。そういえば私のその利用者も、ヘルパーと買物しててもしかしたらヘルパーのぶんを払ってあげてるかも知れないしなあ…うーん、なんとかしてシッポをつかまなきゃ。
しかしカニちゃんは、食事代金のデドコロまでは聞けないでいるらしい。
もし自分が想像している通りなら、怒りでどうにかなってしまいそうで怖いと。
うん、その気持ちすごくよくわかる。

「それだけならまだしも…実はその利用者さん、ナマホなんですよね…。」
!!

いいいい、一体誰だそのヘルパー!
もももしや…

「ヘルステ主任鼻くそと副主任目くそです。」

やっぱり…。


もうダメぽ。

このヘルステ、本当に救いようがない
ましてや、医術なんかじゃ治せません。

カニちゃんはずっとこの利用者から、
「主任も副主任も一緒にごはん食べに行ってくれたのに、ケアマネさんとも行きたいよ、どうして来てくれないのよ」
と誘われ続け、それでも頑張って断り続けてきたのでした。
カニちゃんはそんな人なんです。
以前鼻くそにそのことを話し、「もう行かない」と約束したので信じていたと。
なのに先日ふとした会話から、やっぱりその利用者さんとヘルパーが、こっそりお食事に出かけていた事実が再浮上し、いい加減アタマにきているというのでした。

「私、ヘルパーはどうでもいいんですけど、利用者さんがかわいそうで…。その人ナマホだけど、たいしてお金遣わないもんだから、貯金なんかまですごくある人なんですけど、今まで使い道がなかったって、でもヘルパーさんたちと知り合えて、たまの贅沢という楽しみが見つかって嬉しいって、そう言ってすごく喜んでるんですよね…。」

........................利用者がかわいそう。
カニちゃんのこの言葉にこめられた重い重い思い。

ひがしヘルステのバカども。
おまえらには決してわかるまい。


許さん!