業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

義理と人情を秤にかけりゃ

2006年12月20日 | 重要事項説明書
往年のロックバンド“Rainbow”のアルバム『Difficult to cure』のジャケ裏。

ここ数日、年賀状の作成に追われていました。

毎年毎年、ある年は貼り絵、ある年は絵手紙と、手作りの年賀状を送っていて
「素敵ね」
「心がこもっているよね」
などと言われ、ズに乗って頑張っていましたが、今年はとうとうパソコンで作ってしまいました。
イラストやフォントを落として、画像作成ツールでレイアウトして、と、テンプレートは使わず凝ったけど、やはり手抜き感はいなめず良心が痛みます。
ただし、冗談の通じる友人にはゴルゴの年賀状(このブログで使用したコラ?アフレコ?バージョン包括編)が届きます。こんなもん作るヒマがあって、居サ計画の作成が遅れているというのがバレると困るので、もらった方は決して口外しないで下さいお願いします。
しかしまーもー毎年年末になると思いますが、日本人は本当に義理や人情が好きですね。
この年賀状だって、ハガキ1枚50円程度で「今年もいい人でいよう」というあざとい考えが元になっているわけで、そういうのがキライな人は出さないと決めておられるでしょう。
50円の義理、安上がりといえば安上がりですが面倒といえばホセ・メンドーサ。出さなければ出さないで便秘みたいだし、ケチと思われるのもシャクだし、出さなくてもくれる人はくれるしで申し訳ないし、と、なんかもう強迫観念ぽい。年賀状。
このような強迫観念は、居宅介護支援という仕事につきもののような気がします。
必要なものと余分なものの取捨選択というか、判断というかそういう意味です。
そもそも、過不足なく、というバランス感覚が、日本人には欠けている。
貸し借りも同じです。
だから、併設事業所のある居介はダメなのだと私は言いたい。

なぜ、介護支援を職業とする者が利用者と個人的なお付き合いをしてはならないのか、あるいはならないとされているのか。
このことは、利用者を『ひいき』しがちな私にとっても、大変重要な問題です。
このことについて、少し考えてみました。

まず、利用者と仲良くなりすぎるデメリットを考えてみます。
公正な判断ができなくなる。これこれ。
誰にとっても、そんじょそこらの利用者が困っているのと友達が困っているのとでは扱いが違います。なんとかしてあげたいと思うでしょう。
人気のデイやショートに余計めに行かせてやるとか、他の利用者よりも手厚くケアしてもらうように口を出すとか、そういうよろしくないことが起きます。
つまりプロとしての境界線が引けなくなる。えこひいきをする。
同じ居宅介護支援費なのに、不公平ですよね。
冷静な判断もできません。
そして、特定の利用者と付き合ってしまうと、しがらみ甘えが双方に生じます。つけとどけという悪習、根回しという裏技、ちょっとぐらい大目に見てよという甘えや、この利用者のことは自分が1番よくわかるという驕り
どれをとっても介護支援の敵です。
しかし、大抵の日本人はこれらを重んじていたりもする。
一宿一飯の恩義とか、袖摺りあうもなんとかとか、そういうのが本当は大好きな人種ですから、公正にやろうとする自分が悪人みたいに思えたりする。
これがやっかいなんです。

どの利用者にもベースでは同じように接する。画一的ってことではなく。
これを守らず、結果的に利用者を不幸にしたケース、皆さんの周りにもたくさんあるじゃないですか。
特別なことをしなくても信頼される支援者になるとか、家族のかわりにはなれないけど理解者になってくれるとか、そういう関係って本当に難しい。
でも、実践している人はちゃんといますし、出来るんです。
利用者に信頼される努力より、気に入られる努力のほうがラクです。
もので釣ったり、特別扱いしたり、利用者にはわかり易いし取り入るのは簡単です。
でも、それが結果的に利用者の自立を妨げ、自分の首を絞めることになる。
「このケアマネじゃなきゃイヤ」
「あのヘルパーが休みなら誰も来なくていい」
それは支援者の自己満足にはなりますが、利用者にとっては大きな落とし穴です。
だってケアマネやヘルパーはいつ辞めるとも知れないし(笑)。
依頼心の強い利用者は、誰にでも助けを求められるように仕向けるように。
気難しい利用者は、おだてて動かしたりもする。
困ったときには頼りになるけど、決して馴れ合わない、そんなケアマネでありたいと思っていますけど、今のところは思ってるだけです。

さて、年賀状もできたことだし、お休みまであと8日、残り利用者10人の訪問頑張ってこなします。



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5 コメント

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Unknown (ゆき)
2006-12-21 07:03:52
お休みまであと少し、がんばりましょう!

利用者と仲良くなりすぎても「メリット」なんかないですよね~。
特にヘルパーさんは、自分の首絞めることになるのに首が絞まるまで気付かない・・・。

年末の訪問って菓子折り用意して待ってる家族いませんか?
断るのにすごいエネルギーを消費して倍疲れます。





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菓子折り困ります (ハリケン)
2006-12-21 07:58:07
利用者さんの菓子折りには、
「今年一年お世話になりました」
というお気持ち以外に
「今後ともウチはよそさまより、もっとよろしく」
という期待が混じっているはず。
それがヒトというものです。
ヒトである前にプロでなければ、という強い意志が揺らがないように頑張ります。
でもねえ。
実は「ヒトくさいプロ」も好きなんですよねえ。
理想は「ヒトばなれしたプロ」なんですけどねえ。
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お心遣いお断り! (ちゃかぽん)
2006-12-21 19:33:14
ちゃかぽんもお歳暮攻撃はキライです。

ホント、体力使いますよね。

ちゃかぽんはいちどアンパンマンのポチ袋に入れたお年玉を押し付けられそうになりました。

ちゃかぽん、もう大人ですから~!
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よいお年を…まだ早いか。。 (きんちゃん)
2006-12-21 21:37:12
年賀状、もうできたんですか、お疲れさま!
私はまだこれからです。
私も毎年版画でしてたのですが、200枚以上になるともうタイヘン!
ついに去年は写真にしてしまいました。うちのワンちゃんの。
「今年も楽しみにしてるよ」なんて言われると、ついつい、
忙しくてもやっぱり彫ろうと続けてきたのですが、
今年もやっぱりムリそうです。
どんなのにしようか、思案中。。。
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年の瀬ですねえ (ハリケン)
2006-12-21 22:55:46
ちゃかぽんさん♪
今日も利用者家族から、モノをもらいそうになったハリケンです。
ま、みかん1個くらいなら…この場で食べていいスか?いただきます、とね。

きんぎょさん、200枚とはすごいですね。
ウチは毎年70枚くらいです。
私も写真のやつ考えたんですが、私が作るとなるとウケ狙いに走ってしまうので…
正月早々、もらった人にとっては不幸の手紙かもw
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