業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

インシデントアクシデント ちょっと寄り道

2008年08月31日 | 業務日誌
※ 神奈川県警、イカス。

カニちゃんが、ケアマネ全員が出した「インシデントアクシデントレポートを出すべき事例」レポートをまとめているところです。
たぶん来週にはマニュアルを作って、わたしたちに説明してくれると思います。
それまでの間、私は、自分がなぜ、アイリン女史とよく衝突するのかを考え直してみたいと思いました。

アイリン女史のことは別にキライじゃありません。ホントです。
努力家だと思うし、仕事も早いし、すごいなと思うことはよくある。
ただ、ごめんなさい、いいケアマネさんだと思えないんです。
(何をもってして『いいケアマネ』なのかはちょっとおいといて)

理由その1/
アイリン女史は、利用者さんにモノを配ります。
以前鼻くそ(元ひがしヘルステの主任ヘルパー兼管理者。ハリケンがいつでも殴れる!と思っている宿敵のひとり)も言ってた、現ヘルパーさんたちも知ってることですが、
「母国のおみやげ」
とか
「自家製の○○」
と言って特定の利用者さん宅に消えモノを持参していたことがありました。
今は知りませんが、以前そうしていた人が今は一切やらないということはないと思います。少なくとも、そんなことをした結果どうなるか、ということを知っているケアマネさんは最初からそんなことはしないはずだと思います。

理由その2/
アイリン女史は、よく利用者を捨てます。
『捨てる』なんていうと御幣があるかもしれませんが、
「○○さんは私と合わない」
「××さんはケアマネを交替したがっていると感じる」
などの理由で、ちょっと担当の減った後輩ケアマネ(ひがしではアイリン女史の後輩にあたるケアマネは私とオリーブしかいません)を見つけては利用者を振ります。
ちなみにこれまで私たちが振られた利用者は
・理事長や施設長の知り合い(つまりVIP)
・ものすごく話の長い(平均訪問時間2時間30分)家族のいる利用者
・しょっちゅうケアマネを呼び出す利用者
・超クレーマー
などなど、一筋縄ではいかない利用者さんばかり。
で、アイリン女史に残った利用者さんにはちょっと不思議なくらい「ショートに入りっぱなしの人」や「福祉用具のみの人」が誰よりも多いというのは私の勘違いなのかなと思ってしまう。
1番最近では、言語障害がある新規利用者さんを
「何を言っているのかまったく聞き取れず、お互いがストレスです」
と、1ヶ月めでカニちゃんに交替を要請。
(カニちゃんは「確かにとっても注意しないと何を言ってるのかよくわからないけど、会ってみたらニコニコしていて、必死で話してくれて、すごくかわいい利用者さんだった」と)
アイリン女史は在日20年ですが、日本語の微妙なニュアンスが伝わらなかったり、きつい言い方をしているようにとられてしまって利用者を怒らせたりよくしますので、場合によっては利用者さんのため交替も仕方のないことなのかもしれませんが、このときの利用者さんはこの担当交替によりアイリンさんより数倍カトレスだったでしょうし、とっても傷ついたと思います。

すごく偉そうに聞こえると思いますが言いますごめんなさい。
このふたつのことは、自分は絶対にすまい、しちゃいけないと私が常日頃思っていることです。
なぜなら、私のようなケアマネが1番やりそうなことだからです。

ヘルパー時代から「ひいき魔」でした。
好きな利用者さんにはなんでもしてあげたい、喜ぶのなら何か持ってってあげたい。後先考えず、お金のない利用者さんにモノを与えたい。
もしも自分に後輩が出来たら、真っ先にイヤな利用者を押し付けたい。
「あなたになら出来るわよ」と煽てて、まんまと『厄介払い』し、可能な限りラクな利用者だけを担当していたい。
実はいつもそう思ってます
でもそれはすまい、しちゃいけないと思っているのでやれない。
もちろん後輩ケアマネもいないし、お金もないのでそうそう利用者にお土産なんかできるかよ、というのが最大の理由ではありますが、なんでそれを彼女は平気でやれる(やれた)のかそれを思うと腹が立ちます。
フツー良心とか痛むだろ、と思うようなことを、なんのかんのと要領よくやれてしまう彼女は一体なんなんだ、と思ってしまう。

ということで

結局私は、アイリン女史が、私がやりたくてもやらずに我慢していることをやっているから気に入らないのではないか。
羨ましいのか、はたまた悔しいのか。
自分が我慢していることをやっているヒトがそれを出来ないようにしてしまおうと画策しているのではないか。
ということに気付いて愕然としている私です。
成長してないなあ、自分。そんなに小さい人間だったのか、自分。

はああああ。

自己嫌悪です。





インシデントアクシデント その4

2008年08月25日 | 業務日誌
※ 鶏頭(口)となるも牛後となる勿(なか)れ。好きなことばですが、大抵は『鶏後』の私です。

ものすごく逃げ腰でズルい発言ですが、私がこのブログに書くことが、イコール私に出来ていることではないということを前置きさせてください。
どんなケアマネだよ、てカンジでトホホですが、結局はやらにゃ!と思ってても全然やれない私の言い訳のための場であり備忘録であります。

結局のところ、インシデントレポートもアクシデントレポートも、何を書くか、どう書くかの問題よりも、なんのために書くかが問題なんですよね。
書かされていると思うのはその法人に問題があると思うし、書きたくないと思ってしまうのもやっぱり法人の雰囲気が問題だと思います。
でも、書くのなら、出すのなら、その作業に費やす時間を無駄にしないようにすればいいと思う。それくらいは自分の意識でなんとか出来るような気がします。


話は6月(だったと思う)の安全対策委員会に遡ります。

事例検討の場に、アイリンさんが書いて提出したアクシデントレポートがありました。
内容は
「要支援から介護給付になった人を、居宅の届けを未提出のまま給付管理票を出してしまい、区役所からお叱りの連絡があった&返戻になった」
というものでした(としておきます)。
フの悪いことに、その月のレセ時期、アイリン女史は事情があって帰国しておられ、事態はカニちゃんが処理。
日本に戻ったアイリン女史に対してアクシデントレポートの提出を指示しました。
アイリン女史が出したレポートには、事故の概要と経過はちゃんと書いてあったのですが、「反省と対策・改善点」の欄に
今後は気を引き締めて業務にあたる云々
とあり、その文章について委員会メンバーからチェックが入ったのです。

「対策が書かれていない」
「気を引き締めて業務にあたる、というのは漠然としていて対策とはいえない」
「書き方がわかっていないのではないか」
「というより、レポートの意味自体理解されていない」

辛口意見続出。
私なんぞは1番こんなミスをやっちまいガチですから、アイリン女史の事例とはいえ委員さんのコトバがグサグサ刺さりました。
しかしそのとおりです。
気を引き締めて業務にあたるなんてことは事故が起こる起こらないによらず普段からやっとくべきことでしょうし、気が緩んだから旨の届けを忘れたのかということになってしまいます。
「2度と同じミスを起こさないために」、保険証の入力時にもう一度居宅の届け日・事業所欄を視認するとか、そういった具体的な方法を書かなくてはならない。

で、委員会からアイリン女史にレポートが返され、再提出するように指示が出ました。居介の安全対策委員は私なので、私からいったん主任のカニちゃんに報告し、それからアイリン女史になりゆきを説明して「書き直し」をお願いしたのですが…

アイリン女史の口から
「どうしてそんなことしなきゃならないの!」
と不満噴出。
アクシデントレポートを提出すること自体何も意味はないのに、そんなことに時間をとられたくない。
旨の届けを出して翌月再請求すればいいことで、返戻とはいえ事業所にお金はきちんと入ってくる、損をさせたわけではない。
というのが女史のいいぶんでした。
書けといわれたので書いた、それでいいではないか、と。
私は
「事例がどうこういうのではなく、このミスを再び起こさないようにするためにアイリンさんがやるべきことややろうと思ったことを具体的に書かなくてはならないんです。それが『対策』ですから。」
と説明しました。

すると彼女は
「私は以前ハリケンさんが提出したアクシデントレポートを見てマネして書いた」
と言うんです。

私は顔が熱くなるのを感じました。
そんなはずはない、と思いましたし、そういう言い方をする女史に本気で腹が立ちました。
女史が「見て真似た」と言った私のレポートとは

去年8月、トシオさんという利用者が、うちのクリニックで透析を開始して間もなく、クリニックナースらとトラブルになり、「よその透析クリニックにいくから紹介状を書くんじゃい!!」とゴネてどうしようもなかったため、私が別の透析施設のコーディネーターと連絡をとったところ、今度は「ハリケンが(他所に)行けと言ったんじゃい!!」と言い出したため、頭に血が上った私がトシオさんを自主解約した

という事例のアクシデントレポートのことでした。

結果、8月も末だというのに、トシオさんが探し出してきた写経のケアマネから
「利用者からの依頼による事業所変更だから」
と、その月のぶんのレセを持っていかれ、トシオさんのために費やした数回のサ担やナマホ課との何回もの情報連絡や連絡調整に奔走した時間のすべてを無駄にしてしまい、
「ああ、この貴重な就業時間、それに対して支払われるお給料のぶんを私は法人に迷惑をかけたということか」
と、自分がキレてやってしまったことの重大性を痛感し、退職をも考えたのでした。


この事例のレポートで、私は確かに「反省と対策・改善点」の欄に
「利用者とのコミュニケーション不足を省みることなく、あろうことか利用者に腹を立てて自主解約し、結果法人に多大な迷惑をかけた。今後は相談援助を行う者としての認識をあらため、かかる困難事例については先輩や上司に報告・相談し、初心に戻って業務にあたりたい」
とゆーよーなことを書いてます。
しかし、だからといって、アイリン女史に
「あなたのレポートを真似たら書き直しと言われた」
なんて逆ギレされるいわれはない。

あらためて考えなくとも、私がやったことのほうがケアマネとしてあるまじきことです。でも、ヒトが自信を失って「私はこの仕事をやってく資格があるのか」と悩んで、それでももいっかいやってみようかと思い、ホントになんとかそう思い、心底反省して書いたものを「真似たらハズレひいた」とか言われたくなかったです。

事例がまるで違うじゃないですか!!
思わず大声でアイリン女史に吠えてしまいました。

「少なくとも私がやったことは、自分のこの仕事に対する意識を変えることでしか解決できないと思ったし、相談援助技術や困難事例の対処をもいちど勉強しなおすということしか考え付かなかった、だから私は自分のレポートをそう書いて出しました。
でも女史のミスは違う、確認ミスだし、心構えじゃなくて他の対処法があると思います。でも、悪かった、失敗した、迷惑かけた、と思っていないのなら、女史のおっしゃるとおりこのレポートは無意味です。だったら最初に『書いて出せ』と言われた時点で主任にそう言うべきだったのではないですか?!」

アイリン女史は(そのときは)何も言わず黙って私のいうことを聞いてました(私が興奮したのでドン引きしたようでした)が、あとでカニちゃんにお説教されたときも
「(インシデント・アクシデント)レポートには何の意味もない。それでなくとも仕事はたくさんあるのに、こんなことに時間をとられるのはホントに無駄だと思う」
と言ったそうです。
カニちゃんは
「だったらアイリンさんのかわりに区役所に行き、謝罪し、届けを再提出し、レセをやりなおして事業所に連絡した私の業務時間はどうですか?居介のミスは主任である私の責任ですから当然のことですけど、原因はアイリンさんのケアレスミスですよね?」
と言い聞かせたそうです。

それでも、今回「居介のインシデント・アクシデントのマニュアルを作る」ことになったと説明があったとき、アイリン女史は
「時間の無駄」
「ケアマネの仕事じゃない」
と聞こえよがしに言い、また私がキレるのではないかと心配したほかのケアマネさんたちが凍りつく、という事態を引き起こしましたw。

そんなこんなで、この「インシデント・アクシデントレポート」の問題は
そもそも居介に必要なのか
という疑問を投げかけつつ、27日(マニュアル「案」提出日)にもつれこもうとしているのでした。
うーん、正直、私は意地になっているのかもしれません。



インシデントアクシデント その3

2008年08月24日 | 業務日誌
※ 松山ケンイチもDMCも大好きです!

そもそも、ケアマネ業務の中で、インシデント・アクシデントレポートを出すべきと思われる事例とはどんな事例でしょうか。
まずここに、私が考えたものをUPしますので、是非みなさんの意見を聞きたいのです。

インシデント
・ 利用者及び家族に事前連絡なく訪問や面談の約束を守れない事態を招きかけた。
・ ケアマネの連絡ミスが原因で利用者に予定されていたサービスが提供されない事態を招きかけた。
・ 利用者にサービスが提供されなかったことにより家族に負担をかけるところであった。
・ 利用者にサービスが提供されなかったことにより利用者を生命の危機に陥れかけた。
・ 利用者及び家族とのコミュニケーション不足が原因で担当交替を要請された。
・ 給付管理の誤りによって利用者に損害を与えかけた。
・ 給付管理の誤りによって関連事業所に損害を与えかけた。
・ 提出書類の不備によって利用者に損害を与えかけた。
・ 提出書類の不備によって関連事業所に損害を与えかけた。
・ その他 手違いや報告ミス、リスクアセスメント不足などにより、正常な支援業務をなしえない事態を招きかけた。

アクシデント
・ 利用者及び家族に事前連絡なく訪問や面談の約束を守れなかった。
・ ケアマネの連絡ミスが原因で利用者に予定されていたサービスが提供されなかった。
・ 利用者にサービスが提供されなかったことにより家族の負担が増した。
・ 利用者にサービスが提供されなかったことにより利用者を生命の危機に陥れた。
・ 利用者及び家族とのコミュニケーション不足が原因で事業所変更を要請された。
・ 給付管理の誤りによって利用者に損害を与えた。
・ 給付管理の誤りによって関連事業所に損害を与えた。
・ 返戻・過誤・修正。
・ 提出書類の不備によって利用者に損害を与えた。
・ 提出書類の不備によって関連事業所に損害を与えた。
・ その他 手違いや報告ミス、リスクアセスメント不足などにより、正常な支援業務をなしえなかった。

居宅介護支援の分野におけるアクシデント(重大な事故・事態)とは、
・ 利用者の生命に関わること、または利用者に損害を与えること
・ 事業所の信頼を傷つけ、それによって利用者を支援する機会を失うこと
・ 担当交替などにより利用者を失うことで支援する機会を失うこと
などが考えられると思いました。
インシデントとは「重大な事故に至る可能性がある事態が発生し、なおかつ実際には事故につながらなかった潜在的事例」ですから、まずアクシデント事例を先に列挙して、それに「なりかけたが未然に防げた」ものを考えればいいと思ったのです。
ちなみに修正や返戻はチョクで「事故」だと思いました。

注/以下に書いたことに関しては、決して書いた本人である私が実行できていることではありませんが、この後のトピックに関係してくることなのであえて長々と書かせていただいております。
何らかの理由で利用者を支援できなくなることは、利用者を失う⇒ケアプラン料を失うということではなく、利用者の手伝いを続けることが出来なくなるということです。当然ながらこれには、規定人数オーバーとかサービス提供地域外とかの理由は含みません。
そりゃ、担当を交替しても、他のケアマネさんがその人たちを、私とは違ったやり方で支援してくれるでしょうが、はじめに契約をして、これから自分に出来るお手伝いはさせてもらいますよ、一緒に考えて、一緒に頑張りましょうね、と、利用者さんと交わした約束を破ってしまうことなのですから、やっぱりアクシデントだろうと思いました。
私がそう思うようになったのは、前職場でのヘルパー時代にM主任から教わったある事柄が原因です。

ヘルパー時代、ある利用者さん宅で、何度も何度も同じ失敗を繰返していた私に、M主任が質問なさいました。
「そうやってハリケンさんが、○○さんからの信用を失っていくとしたら、どんな弊害をもたらすと思いますか」
私はそのときたぶん、こんなヘルパーにものを頼まなくては生活出来なくなってしまった自分の現実やこの先の生活に対する絶望感・精神的苦痛、とかそんなふうに答えたと思います。
M主任は次に、
「そうした精神的苦痛を与えた結果、○○さんはどうなるのでしょう」
と聞かれました。
私は、次のヘルパーさんに担当を交替して、またイチから信頼関係を作っていかなくてはならないというストレスを抱えてしまわれますとかなんとか答えたと思います。
そしてM主任は
「では、ハリケンさんの次のヘルパーさんが、ハリケンさんよりもっと『合わない』ヘルパーさんだったり、もっと良くないヘルパーさんだったりしたら、○○さんはどうなるでしょうか」
と更に訪ねられました。
私は答えられませんでしたが、心の中では
「それは私に責任はない、○○さんの不運だろう」
と思っていました。
しかしM主任は
「そんなことがあと何度か続くと、利用者さんはもう、どんなヘルパーが来ても一緒だと思い、サービスを受ける権利を放棄するでしょう。ヘルパーだけでなく、誰もどんなサービスも拒否してしまうかもしれないですよ。本当に支援が必要な人が、支援を受けることをあきらめたり拒否してしまうかもしれない、そのことの重大性を意識して下さい」
と言われ、私は後頭部を鈍器で殴られたようなショックを感じました。
自分自身がある利用者を担当することになって、その責任を担ったのなら、他の誰でもない自分自身がそれをまっとうすることを考えなくてはならないということでしょう。かわりのヘルパーさんがいるからとか、ケアマネはいくらでもいるじゃないかとか、心のどこかでそう考えていた自分に気付きました。少なくとも私は○○さんの信用を取り戻すために最大限の努力をすべきで、○○さんに「出来ないことや苦手なことがあっても自分を支援するために努力してくれるのがヘルパーさんというものだ」と示さなくてはダメなんです。ありがたがられるためではなく、認めてもらえるようになるまでは頑張る、それがサービスを提供してお金をもらっているプロの、当然の仕事だということです。当たり前のことなのですが、当時私はこの基本的なことに気付いておらず、本当に「勉強になった」と思ったものです。


このときの経験から、私は、利用者サイドに問題のある場合であっても、支援契約の解約はケアマネにとってのアクシデントだと思うようになりました。
交替や解約がいけないといっているのではありません。ケアマネ側が学んでいくしかないことだという意味で、アクシデントとしてカテゴライズしてみました。

この文書の提出期日は28日。
どうかみなさん、ハリケンの考えがおかしいと思うところや、ハリケンがわかっていない、気付いていないというところがあったら是非教えて下さい。批判でも非難でもご遠慮なくお願いします。

次回、私とアイリン女史の衝突っぷりをUPします。

インシデントアクシデント その2

2008年08月21日 | 業務日誌
※ 上の画像を見つけたとき、自分が高校生の頃まで『カメ(亀)は頭を強く引っ張ると、甲羅から本体のみがずるりんと出て来る』と信じていたことを思い出した。ナハハ。

医療法人、それはミスを許さない場所ではなく、ミスの漏洩を許さない場所。
リスクマネジメントをリスクマネジメントする体制。
保守義務イコール緘口令、な体質。
みんなで知恵をふりしぼって考えたインシデント・アクシデントレポートの回覧システムは、まずひがしクリニックの女帝、森の神に阻まれました。

「インシデント・アクシデントレポートを回覧するなんてとんでもない!」
当法人に不満を抱いて退職した、または退職しようとしているスタッフに対してこちらに不利なカードを渡すようなものだ。
どこから患者・利用者に漏れるとも限らない。
それに、医療現場のインシデント・アクシデントは高度で、介護現場のリスクマネジメントの参考になるとは思えない。
介護部署だけでやってくれ、クリニックはレポートを出さない。

回覧を阻んだのは森の神だけではありませんでした。
この法人で私が唯一尊敬する、人格者の事務長も、
「回覧はリスクが高すぎる」
として反対したんです。
ただし、事務長の反対の理由は、森の神が唱えた異論とは少々違っていました。

「そもそもインシデントレポートが少ないことが問題。」
「アクシデントレポートも、『出せばいい』『出して終り』となっているものが目立つ。」
「これらを回覧して、危機管理や危険予知に有用とは思えない。」

ここで事務長が取り上げたのが、ひがしデイケアのアクシデントレポートの束だったんです。

例その1:フランドルテープの貼り忘れ
例その2:昼薬の飲ませ忘れ
例その3:送迎忘れ(利用日を忘れた)

例その1やその2なんかは、医療現場であれば重大な医療ミス。
レポートの提出でサラッと済ませられるのも困るし、2度と起こさないような対策を部署全体で打ち出してほしい。
例その3なんかはサービス事業所として言語道断。
特定の職員がレポートを出して「反省」するようなことではない。
事例そのものや、事例報告の意味をもっと各部署で考えることが先。

うーん。
事務長の発言で、この法人の抱える問題がわかったような気がしました。
出すとか出さないとか、情報を共有するとか以前に、解決しなくてはならないことがあるということなのかな、と。

インシデント・アクシデントレポート回覧システム中止。つか撃墜された。
でも、これを機会に、各部署で、もう一度リスクマネジメントについて考え直してみようってことになったことはいいことです。

そこで、ひがしケアプラン主任・カニちゃんの提案で、私たち居宅介護支援事業所も、リスクマネジメントについて話し合うことに。
カニちゃんはまず、ケアマネのわたしたち全員にケアマネ業務の中で、インシデント・アクシデントレポートを出すべきと思われる事例について、文書で提出するよう求めました。
それをもとにマニュアルを作り、意識を平均化し、提出を徹底しようという狙いです。

日々のケアマネ業務の中でのインシデント、そしてアクシデント事例とは何か。
それはわたしたちケアマネひとりひとりの危機管理意識の(よくも悪くも)差を浮き彫りにする結果となり、ひいては私とアイリン女史が戦いのゴングを打ち鳴らすきっかけとなってしまったのでした。


インシデントアクシデント その1

2008年08月20日 | 業務日誌
※ 赤塚不二夫先生。夢見る少女だった頃、憧れだった『ひみつのアッコちゃん』の作者が先生だと知ったとき、その小汚さに夢を壊され、宝物だった“アッコちゃんへんしんセット”を壁に投げつけたりしてごめんなさい。安らかにお眠り下さい。


この無能ケアマネはいつになったら前トピックの続きを書くんだよ、とゆー声が聞こえてきそーですが、いまこのトキどうしても皆様に教えていただきたいことがありまして、一時は閉鎖かと心配されたとゆーのにうってかわって怒涛の連続投稿です。

実は今、わが医療法人ひがし会では、ある問題でもめまくっています。
その問題とは介護サービス現場におけるインシデント&アクシデントレポートの取り扱いなのですが…

むーん、いささか時代に取り残された感のあるこのトピック。


コトの発端は、法人に設置されている安全対策委員会でのひとまく。

ウチの法人には、
・安全対策委員会(感染症対策委員会を兼ねる)
・教育委員会
・業務委員会
がありまして、私・ハリケンは安全対策委員会に属しています。
法人のリスクマネジメント意識を高めるべく、各部署から提出されたインシデント・アクシデントレポートについて検討したり、講習を開催したりするのが主な仕事です。

賢明な皆様は、もうトーゼンインシデントレポートのこともアクシデントレポートのこともご存知でしょう。ハインリッヒの法則についてだってとっくの昔に知ってるよってカンジでしょう。
指導監査でだって情報公開でだって、これらが提出されているか、苦情に対する取り組みがあるかなどをチェックされますよね。
いくらなんでも、いまドキ苦情のない事業所(施設)が良い事業所(施設)であるとか、インシデント・アクシデントレポートを出す職員はダメ職員なんてことを言ったり思ったり責めたりラジバンダリする雰囲気はないはずですよね。
このご時勢にまだ、そんな意識の低いことを言ったり思ったり責めたりラジバンダリしているような法人こそがもう駄目。私はそう思ってましたし今もそう思ってます。

話を戻して。

今年の4月に行われた安全対策委員会で、いつものよーに、各部署から出たインシデント・アクシデントレポートについての事例検討が行われました。
※ひがし会の部署はクリニック・デイケア・ヘルステ・訪看・居介・医事・栄養・グルホの8部署
事例検討と言ってもすべてを検閲するワケではなく、あらかじめ分類した事例の件数を発表するだけなことが多いです。転倒何件、連絡ミス何件、遅刻によるクレーム何件とかね。
毎回興味深いのはデイケア。
いずれ一部をupしますが、笑える事例も笑えない事例もとりまぜ、2ヶ月ぶんで10件弱くらい出ます。
他の部署はひとつふたつ出るか出ないかなのですが
クリニック部門のレポート数は、なんと2ヶ月ぶんで200件以上
病棟のないクリニックとしては、かなりの件数です。
とはいえ、所謂医療ミスの類とはちょっと違います。
ほとんどがインシデントなんですが、一体どこがインシデントなのかシロート目にはわからないものばかりなりなんです。
下着1枚分の体重の計測ミス。
患者さんのお好みの飲み物を間違ってお出ししたという接遇ミス。
ゴミの分別ミス。
このような軽微なミスでさえ、クリニックでは必ずレポートを書き、チームリーダーがチェックする。
ひがしクリニック師長・森の神の指導方針のもと、全スタッフに危機管理意識が浸透しているらしい。
そんな厳しいクリニックのスタッフが、
「ウチに比べてよその部署の報告は甘い!!キーッ!!」
と言い出すのは当然のことだったんです。

「医事課は処方箋や保険証のチェック漏れが多くて、クリニックは困っている。なのにレポートが出ないのはどういうこと?」
「ヘルステからのレポートが毎年ひとケタ枚数しかないのはなぜなの?」
「グルホは閉鎖的な部署だから、ミスや事故があっても隠蔽していられると思っているのでは?」
「クリニックの患者さんから、担当ケアマネに対する苦情を聞くことがありますけど、居介ではそれらに対してどう対処しているのかしら?」

クリニックの安全委員、ナースのN様(ケアマネ資格所持)のお言葉。
クリニックを見習ってもっと意識を高めなさいということです。
そもそも報告のないことがおかしいではないか。
どうしたら危機管理意識を持ち、高めることが出来るのか。
そこで安全対策委員全員で、4月の会議以来4ヶ月を費やしさんざん話し合った結果、情報の共有意識の向上報告のしかたを習うなどなどの目的で、
各部署のレポートを全部署が閲覧できるシステムを作ろうではないか!
ということになったのですが-------------------------------------------


この決定がどんな事態を招いてしまうのか。
医療法人にお勤めの方やその経験がおありの方にならおわかりでしょう。
リスクマネジメントをリスクマネジメントする体制。
保守義務イコール緘口令、な体質。
みんなで知恵をふりしぼって考えたインシデント・アクシデントレポートの回覧システムに、強力な待ったがかかったのは今から数日前のことでした。


つづく


5表廃止に寄せるコメント

2008年08月18日 | 業務日誌
皆様はもうご存知ですね。

介護サービス事業の事務負担の見直しについて
平成20年8月1日より、第5表「サービス担当者に対する照会(依頼)内容」は廃止となりました。そのため、第6表「居宅介護支援経過」は第5表「居宅介護支援経過」に、第7表「利用票」は第6表「利用票」に、第8表「利用票別表」は第7表「利用票別表」にと、それぞれ数字が繰り上がります。

改正前の居宅サービス計画書記載要領

5.第5表「サービス担当者に対する照会(依頼)内容」

サービス担当者会議を開催しない場合ないし会議に出席できない場合などに、サービス担当者に対する照会やサービス担当者からの依頼について記載する。

改正後の居宅サービス計画書記載要領(1~3(表)略)

4.第4表「サービス担当者会議の要点」
サービス担当者会議を開催した場合に、当該会議の要点について記載する。また、サービス担当者会議を開催しない場合や会議に出席できない場合に、サービス担当者に対して行った照会の内容等についても、記載する。
①~⑧略

⑨会議出席者

当該会議の出席者の「所属(職種)」及び「氏名」を記載する。本人又はその家族が出席した場合には、その旨についても記入する。また、当該会議に出席できないサービス担当者がいる場合には、その者の「所属(職種)」及び「氏名」を記載するとともに、当該会議に出席できない理由についても記入する。なお、当該会議に出席できないサービス担当者の「所属(職種)」、「氏名」又は当該会議に出席できない理由について他の書類等により確認することができる場合は、本表への記載を省略して差し支えない。

⑩検討した項目

当該会議において検討した項目について記載する。当該会議に出席できないサービス担当者がいる場合には、その者に照会(依頼)した年月日、内容及び回答を記載する。また、サービス担当者会議を開催しない場合には、その理由を記載するとともに、サービス担当者の氏名、照会(依頼)年月日、照会(依頼)した内容及び回答を記載する。なお、サービス担当者会議を開催しない理由又はサービス担当者の氏名、照会(依頼)年月日若しくは照会(依頼)した内容及び回答について他の書類等により確認することができる場合は、本表への記載を省略して差し支えない。


この措置について
たとえひとつでも帳票が減ったことはよいことだ
と、微妙に喜んだケアマネさん。
あなたは騙されています!
※実際ハリケンは、介護保険関係の掲示板や個人ブログで、このような「よかったよかった」チックなコメントをよく見かけました。

よーく、よーく考えてみてください。

そもそも5表は、担当者会議を開催出来ない事情のあるときにケアマネがサービス担当者に対して発信するもの。
つまり、各サービス事業所の担当者が記入して、ケアマネに送り返すものでした。

その5表がなくなるとすれば、ケアマネはサービス担当者に電話したり、事業所訪問をして聞き取った意見などを自分で4表にちーまちーまとまとめて記録していかなくてはならないんです。

これまでハリケンは、担当者会議が開催出来ないとき
1.各担当者に向けて5表を発信(FAX送信)
2.返ってきた5表を各事業所にまとめて送信
 その際、新しく作成した居宅サービス計画原案をそえる。
 ※もちろんその居サ計画には、各サービス担当者の意見が反映されたものとなっています。先に原案を5表とセットで送信することもあります。
3.よければ利用者や家族にハンコをもらって全サービス事業所に送る。
これで終了でした。
更新結果が出て、要介護度に変化のなかったときのサ担や、サービス内容にほとんど変化の必要ない場合のサ担は、だいたいこの5表を活用してやっていました。ええ、フルに活用していたといえます。

しかし、これからは
・サ担を開催しないことになったときは各事業所の担当者に意見を聞く
・会議に参加できない理由なども書く
・それらをいちいち記録に残す
他の書類で確認できれば4表への記載は不要とされています。たとえば、会議開催のための日程調整の依頼をまずやって、不参加であればその理由やあらかじめ検討内容について意見をつのっておけばいいワケですが…参加・不参加の確認に用いた連絡表をそのまま他の事業所に送るワケにはいきませんので、やっぱりそこでいったんまとめる作業が出てくると思います。
・記録した各担当者からの意見を4表としてとりまとめる
・それら意見と利用者や家族との折り合いをつける
・居サ計画を作ってハンコをもらってサービス事業所に送りつける

となり、5表が廃止になったことは私にとって、これまではサービス担当者が書いてよこしてくれていたものをケアマネが書くことになった、ということになります。
「今までだって大変だったし、たいして違いはないんじゃ?」
とお思いの方もおられるでしょうが、私にとっては大違いなんです。
書いてもらっていた書式がなくなるんです。
これまで以上になんでもかんでも記録に残せ、電話で話した内容だろうがなんだろうがケアマネが記録に残せ、という、ケアマネがやらにゃならんことが増えたってことに他ならないのです。

どうせ廃止にするなら4表を廃止すればいいのに。
5表を廃止するよりも、担当者会議はよっぽどのことがないかぎり開催しなくてもよい、ということにしてくれたほうがラクでいい。

いいえ、決してサ担に意義なしと言っているのではありません。
ただ------------------------

通所だけでも3事業所以上利用しているような利用者を何人も担当している、そんなハリケンが全事業所と本人と家族を一堂に集めてサ担なんて不可能です!
5表廃止絶対反対!!!!
毎回5箇所も6箇所もの事業所に聞き取りしにゃならなくなる、そんな私の身になってくれ!!




余談ですが、私の担当するモモさん(既出)は、ヘルパー1つ・デイ4つ・ショート2つを毎月組み合わせて利用するという殺人的な自己作成プランを私に提示しました。
利用票3枚・別表3枚の計6枚です。
福祉用具を合わせて7事業所。
介護タクシーなんか使われた日にゃ、8事業所になっちまう。
ヒトというものは大勢集まれば集まるほど、意見がまとまらなくなるものだということに、厚生労働省はそろそろ気付くべきです。


実地指導レポート その3

2008年08月17日 | 業務日誌
む~ん(画像のネコ弁)。

お盆休み終了。明日からまたシゴトです。
ちなみにハリケンは、今年の夏のボーナスはブランドもののローン返済にあて、レジャーには全然行きませんでした…。スーパー銭湯のマッサージにちょこっと行っただけ。


通院等乗降介助を身体1でとっているケースについて。

私が担当している利用者のアンソニー/仮名・64歳(2号)独居。
脳梗塞後の片麻痺で透析患者、要介護4です。
利用中のサービスは福祉用具・訪問介護・訪問看護。
今年初頭に区変した結果要介護4となりました。
アンソニーは透析が開始したときから介護タクシー(通院等乗降介助)で通院をやってました。
居室内を、ヘルパードライバーが患側から介助して歩行移動、段差の多い一般住宅の玄関で体幹を支えて車椅子に移乗、車椅子ごとリフトタクシーに乗せます。
拘縮が強く、右半身は完全に固まっています。4点杖でなんとか4,5m歩行は出来ますが、半身を置き去りにしてひきずって歩いている、というかんじの状態です。車椅子上での座位保持も困難です。

区変して要3⇒要4になったのがそもそも、
・午前中のヘルパーが帰ったあと自宅で入浴した
・浴槽から出ることが出来なくなり完全にゆだっていたところを午後のヘルパーが発見した
という浴槽内4時間閉じ込め事件があってのこと。
2号で若く、認知症もないアンソニーですが、自己管理出来ず身体状況は悪化の一途。
透析患者なので血圧やシャントなどの管理が重要ですから、ヘルパーより訪看で入浴介助を実施したほうがよい、となり、限度額範囲を拡張するために区変したのです。(実はアンソニー自身が「ヘルパーよりナースがいいったらいいったらいいんだい!!」とダダをこねたんですけどね…)
当然歩行移動能力も低下していましたので、要4になったときに介護タクシー事業所の責任者と話し合い、当時の乗降時の状況を聞いた上で実際やってることが単なる乗降介助ではなく身体介護に相当すると判断し、乗降⇒身体1での算定にスイッチ。


実地指導指導員の指導によれば
・それまで一般的な乗降介助で算定していたサービスを、要介護区分が変更になったからといっていきなり身体介護に切り替えることは不自然である。
ということで根拠なき切り替えに対する物言いがあったワケですが、アンソニーのケースでは、要介護3の利用者に対し、要介護4から5の利用者に対して行う身体介護と同等のサービスを提供していた事実を記録しており、かつ実施事業所責任者との話し合いの記録をサービス担当者会議記録として提示できる状態だったので
問題なし
でした。
区変した事実があったのでラッキーだったのかもしれません。
フツーの更新で中度⇒重度になっていたとしても、「ほぼ寝たきりの状態となった」「歩行が出来なくなった」などの記録があって、状態の変化に伴う乗降介助実施方法に変更が必要だった、などと書いてあれば問題ないと思います。



3回にわたり実地指導レポートをお送りしてきました。
幸い、ひがしケアプランは自主点検報告の徴収もなく、たいへんよくできましたの評価をいただきました。
これであと5年は大丈夫よね、とはしゃいでいたら、カニちゃんに
「それはわかんないですよ」
と一喝されちゃいましたがw。
ご存知のように厚生労働省は、2011年の次回改正までに「1度も指導監査の実績がない」事業所を無くす方針を打ち立てています。
県や市の職員も大変だなと思いますが、ウチの指導に来た3人の指導員の中におひとり、居眠りしていた指導員がいたことを書き添えてレポートを終了といたします。

これから指導や監査を受ける事業所の方々、どうか頑張って乗り切って下さいね!