業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

自費と慈悲 その3

2006年12月16日 | 担当者会議
その日の午後、クリントン宅からヘルステに戻ってきたマリリンさんに対し、私のアドバイス通りに先制攻撃をしかけたオリーブ。

反応は予想通りでした。
「私はヘルパーとしてちゃんと仕事をしてきたのに、なんでボランティアなのさ!」
マリリン逆上。

(ハリケン:決して申し訳なさそうな顔なんてしちゃダメですよ。)
オリーブはニコニコと落ち着いて、
「だってヒラリーさんは、訪問介護の利用者ではありませんから…ましてや自費でこの受診を引き受けたわけでもないのでしょう?だったらどこからも介護報酬はいただけないじゃないですか。」
やだなあもう、マリリンさんったら、こんな当たり前のことをわざわざ今さらケアマネに言わせるなんて。マリリンさんはベテランヘルパーさんじゃないですか。

マリリン、一瞬ざめた。
彼女はやっぱり、自分が誰の担当ヘルパーなのかを忘れ、「しめしめ、今日の仕事を身体介護にしたれ」と、ヒラリーの受診に付き合ったのでした。
よくよく聞くと、ヒラリーの腰痛はオリーブが心配したほどではなく(受診するほどのこともなく)、どちらかといえばマリリンさんが熱心に『病院に行ったほうがいい、私が付き添うから』とすすめたために乗り気になったというのが真相だったようです。やっぱりね。
そーゆーヤツなんだよ、このマリリンさんは。

しかしそこで引き下がるようなマリリンではない。
「ケアマネがそう言うんなら、あたしゃボランティアでもいいけどさ、
 責任者(目くそ)がなんと言うかは知らないわよ!
このことは目くそ副主任に報告しとくからね!」
捨て台詞を残して退場しました。おーい山田くん、浪の花持って来て!
クリニックの待合室で繰り広げられたマリリンとオリーブの攻防戦を草葉の陰から見守っていた私は、思わずオリーブに拍手を送りました。
どちらかといえば気弱なオリーブがマリリンを言い負かしたのが愉快痛快でした。
なめられちゃいかん。
だだでさえ
「ケアマネはヘルパーの仕事なんて全然わからずに勝手なことばかり言う」
なんてウソを師長院長にまでチクられ、院内で誤解されっぱなしの私たちケアマネです。
ガンとしたところを、ビッとしたところを見せてやらにゃ。


そしてその日の終業間際。
やってきました、サービス提供責任者。
先代鼻くその経営方針を、そっくりまるごと受け継いだコピーヘルパー目くそ登場です。

目くそは
・今日のヒラリーの受診を、クリントンのサービスとして請求する。
・身体が無理なら生活で請求する。
・ダメならこれからすぐにヒラリーを包括と契約させてでも請求する。
・とにかくなにがなんでも請求する。
と、オリーブと徹底抗戦の構えです。
一緒に話を聞いていた私でさえ一瞬タジタジに。
目くそ、完全に目がイっちゃってました。
オリーブがどんなに説明しても、
「それでも私たちは登録ヘルパーにお給料を払わないわけにはいかないのよ、ね、お願いだからさ」
と、まるで慈悲を乞うようでありながらそのくせ目は据わってるし、とにかく一歩も引かないんです。
それどころか、今日の昼の話ではたしかにマリリンさんが
「ヒラリーの受診だけで、クリントンに対するサービスは行っていない」
ことを認めたのに、目くそは
「マリリンさんは受診のあと、クリントン家の買物をしてから戻ってきた。
だから生活援助のサービス料金だけはなんとしてももらう!」
と言い張るのです。
唖然とするオリーブに
「疑うんだったらヒラリーに確かめてみればいいわ!」
...................................

翌日クリントン宅を訪問し、謝罪し、それとなく事実を確かめてきたオリーブですが、
「ああ、マリリンさんに買物してもらったよ」
と答えたヒラリー。
ウソだ!絶対こいつら、口裏合わせやがった!
とは言えず..............................
真実は闇の中です。

恐ろしい、なんと恐ろしい。
だから私は、ひがしヘルステに仕事をふるのはイヤなんです。
いくら悪徳事業所でも、自法人の併設ヘルステと関係が悪いなんていうことを、利用者に悟られてはいけない。
しかし私にはその自信がない。ヘルパーをまったく信用していないことがバレてしまうに違いない。
...................しかもテキは利用者近衛兵のヘルパーたちです。
月に一度程度しか訪問しないケアマネがなんで太刀打ちできるでしょうか。

来年になれば、残務処理のためにしばし鼻くそが復職します。
完全復帰と思われていたのですが、どうやら鼻くそ、休職中に引き抜きにでもあったのか、またまた復帰話をひっくり返したそうです。
しかし、鼻くそやっぱり退職のニュースにわいたひがしケアプランセンターに、また新たな暗雲。

目くそ、あなどれない。