業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

実地指導レポート その2

2008年07月28日 | 業務日誌
実地指導の終了日は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』発売日でした。
もちろんその夜のうちに読んでしまいましたとも。
にしても、早く7作全部映画化しないと、ハリー役のダニエル・ラドクリフのアゴが完全にふたつに割れてしまうのでは。
ロンもハーマイオニーも、みんなオトナになっちゃうよう。


“その1”通所リハの加算系につづき、通院介助(とゆーか訪問介護ですね)と要支援から要介護になったケースへの指導について。
なにをやっとき、準備しておくか。

通院介助にヘルパーを使っている利用者、私はかなりたくさんいます。
どんなことをしても、どんな事情があっても、診察と治療、透析や手術の間は介護報酬の算定は認められません。どうしても付き添いが必要とか、希望がある場合は自費対応となります。これはもうご存知ですよね。
私が扱っているケースは、
・車椅子でほぼ全盲----------2人
・認知症で高度の難聴--------1人
・うつ病で不安神経症--------1人
などなどですが、最低限やっとかないといけないのは、居宅サービス計画の2表に院内介助の内容を記載して、それを主治医に送っとくこと。
たとえば
「車椅子での移動介助・車椅子座位の保持介助」
とか
「主治医所見や薬剤の種類・服用方法確認」
とかいろいろ、とにかく院内でひとりでほっとくことが出来ないってのがわかるようなことを書いておきます。
そして主治医へお手紙を出し、ご意見を伺っておく。
そのお手紙には
「理解力低下で自宅での服薬管理が困難で、ヘルパーが身体状況や服薬内容を把握しておく必要があります」
とか
「認知症で次回受診日を忘れてしまいます」
とか、院内までヘルパーがくっついて来なきゃならない理由がわかるようにしておきます。
そして、通院介助・院内介助を行ったヘルパーからは、その都度介助の行為を5分単位で記載した報告書をとり、診察や治療時間をどのくらい抜いてあるかわかるようにしておきます。
私が扱っているのは全部独居の方です。
同居家族がいるのに通院介助・院内介助をしなくてはならないケースがあったらその理由も記録に残しておかにゃならんでしょう。単に「就労」では弱いかもしれないです。
自治体によっては院内介助は算定しないとしているところもありますので、保険者に確認して下さい。

ヘルパーによる入浴などに2人派遣を行っているケースでは、
・代替サービス(訪問入浴やデイでの入浴)がないか
・提供時間全般を通してどうしても2人必要か
がみられました。
つまり、訪問入浴がダメ、デイがダメなのはどうしてか。
そられのサービスについて説明し、すすめたことはあるのか。
その記録はあるか(サ担もしくは支援経過記録)。
浴槽に浸けるときは2人のヘルパーが抱えなくてはならないとしても、浴槽内にいる時間や洗身している時間は1人で充分なので2人ぶんの報酬は算定してはならない。
とまあこんなカンジです。
ちなみにこの事例はカニちゃんが提出しました。
※この指導結果を聞いたうちのヘルステの強欲ヘルパーさんたちは、
「じゃあ2人でサービスに行ったとしても、どっちかは時給が減らされるの?」
「ワタシとアノヒトとどっちを減らすの?」
「不公平よ」
「アンタが減らされなさいよ!」
と醜い争いを繰り広げたとかどーとか。
まったく厚生労働省は罪つくりですね。


要支援から要介護になり、訪問介護を使っていた利用者のプランについては、ちょっと意外な指導がありました。
いや、意外なというのはハリケン的にということであり、フツーに考えればそれが正しいことなんですが-----------
要支援から要介護になった利用者の生活援助(家事支援)は身体介護で計画すべきだというのです。
つまり
「要支援の利用者に対する家事は、一緒に行うことが適切となっている」
「そのように支援してきた利用者が、要介護になったらいきなり家事を代行するようなプランになるとしたらおかしい」
「従って、今まで一緒に行ってきた部分をその後の計画に活かし、身体介護による自立支援のための見守りや共に行う家事とすべきである」
という理屈なのです。
ほほう、生活3なら291単位で済むのに、身体1生活2とかで397単位とれよ、やれよ、ということなのか。
指導員はみんなケチで、少額でも報酬を減らしにやってくるものと思っていたのに、というのが意外と思った理由です。


次回は、通院等乗降介助を身体1でとっているケースなどについてご説明いたします。


実地指導レポート その1

2008年07月27日 | 業務日誌
皆様、暖かい労いのお言葉をありがとうございました。
上の画像のように、伏して伏してお礼申し上げます。

リュークや私の身に起きた悲劇はさておき、これから実地指導を迎え撃つ皆様のために、実地指導レポートをお送りしたいと思います。

今回わがひがし会でありがたい指導を受けたのは
・ひがしケアプラン
・ひがしデイケア
の2事業所。

ちなみに訪看とヘルステは平成18年の秋に『監査』を受けています。
医療法人ひがし会の居介で実地指導(監査)を受けたのは、平成17年、系列の「にしケアプラン」が最初で、ここでは3ケタ万円の返還金を出しました。
まあ、不正というよりは無知が原因で、モニタリングの未実施とかそんなことで数ヶ月ぶん返還とか、サ担の未実施で何年分返還とかそんなことだったようです。

今回重点的にチェックされるとされていたのは
居介
・加算系
・2人身体
・介護タクシーの身体
・通院介助
・要支援から要介護になった人

などなど。
デイケア
・教養娯楽費の積算根拠
・加算系
・居介からの居宅サービス計画書の交付
・用者又は家族の同意、説明

などなど。

わたしたちが今回最も神経を遣ったのが加算系です。
厚生労働省は、余分にお金をとっているものに関して徹底的に是正しようというハラのようで、まーホントに徹底的に見られましたね。
ハリケンは
口腔機能向上加算-------------3人
栄養マネジメント加算---------2人
担当しています。
加算回数や単位について利用者への説明の記録
デイケアとの担当者会議の記録
デイケアから交付されたのアセスメントやモニタリング記録
3ヶ月ごとの担当者会議の記録
をすべて取り揃えました。
もちろん、1/3は捏造であることはいうまでもありません(特にサ担)。
デイケアにはSTがおりまして、口腔機能運動や口腔清拭などのケアの提供記録をくれますので、ちゃんとその3ヶ月後にサ担の日にちを設定して、ケアマネ・専門職・介護職の多職種でサ担を行ったことにし、

検討内容
「○月○日から×月×日までの3ヶ月間、利用者Aの口腔機能向上と口腔内の清潔保持を目指し、口腔ケア指導と嚥下訓練(当然ですが赤字の部分は利用者によって違います)を実施してきたが、口臭が解消せず、また「むせ・飲みこみ」などの面において改善が見られず、口腔ケア・訓練の継続実施が必要と思われる。」

結果
「△月△日から◎月◎日まで実施」
「次回モニタリングは◎月頃」

という記録を徹底的に作りました。モレなく完璧です。
(余談ですが、指導員から『このケアマネは大変よく理解していますね』とお褒めに預かりました)

ところが、ところがです。

デイケアでは、サ担の結果を受けて、専門職・介護職など多職種が全体で、その利用者のケア計画を作成し、利用者や家族に同意を得てからの提供(算定開始)となるワケなのですが、その日にちがことごとくズレていたんです。
つまり、利用者や家族から計画に対する同意の署名をもらった日付と、加算をつけはじめた日にちが違うんだなこれが。
同意もらうまえに算定しちゃってたんですよねええ。
まあこれはケアマネの責任によることではないので、私はおとがめなしですが、デイケアでは次々に記録をチェックされ、厳重に注意されたようでした。

それから、私は、口腔にしろ栄養にしろ、状態の改善がみられなければ継続の必要ありと解釈してよいと思っていたので、開始から2年間近く算定し続けていたりしてたんですが、指導員から
「長すぎ」
と突っ込まれました。
適切なのは3ヶ月、やって半年
なんだそうですわ。
しかし私が加算やってた人は、医学的根拠がある人ばかり
(例:口腔/胃ろう・嚥下困難で水分禁忌・パーキンソンで嚥下力低下
   栄養/うつ病で認知症で摂食超不良体重37キロ・脳梗塞で肥満でBMI25以上)
で、サマリーや受診時データが揃っていたことが幸いして今回は返還なし。
なので
「そろそろ見切りつけて下さい」
とは言われましたが
「しかしここまで資料も揃え、家族やデイケア、ヘルパーと連携がとれているのは申しぶんありません」
とのこと。
※ちなみに私は、栄養マネ加算をとっていた人に対するデイケア管理栄養士の記録や指導書を、ヘルパー事業所に毎回送ってその送信記録も残していました。

指導員はファイルのスミからスミまで見ます。
加算だけに突っ込みいれてると思ったら、モニタリングやサ担、フェースシートやアセスメント、支援経過記録、全部細かく見ましたよ。
指導員おそるべし。



では次回は通院介助と要支援⇒要介護編をお送りしますね。





DTN!!! その7

2008年07月16日 | 事例検討
実地指導までもーあと日にちがありません。
ファイル整理のおかげで、通常業務がさっぱりです。
なのに認定調査は3件手付かずだし、入退院はあるし、マジでアタマが煮えそうです。
私は、自分が新規で担当した利用者に関しては、きっちり長期1年・短期6ヶ月のスパンで計画を作ります。
つまり長期に短期を合わせるワケです。
次回更新まであと2ヶ月だとしたら長期も短期も2ヶ月で揃えています。
短期の終りは絶対にその月の末日にします。
なのに、18年以前からケアマネをやってる(やってた)先輩ケアマネさんたちの中には、ご丁寧にきっちりきっちり6ヶ月ごとの計画を作っている方がよーけおられ、そのため更新前の最後の計画の短期が1ヶ月という極端なケースもあります。
日付も○月19日とか月の途中になっていてとっても面倒です。
また、楽しいことに、特に意味もなく短期も長期も1年というイミフな計画を作成されていた先輩もおられたりして、殴りたい気持ちを抑えるのにひと苦労します。
ヒトのケースを引き継ぐということがこんなにも大変なことだとはねえ。
トホホ。




6月18日のこと。
リュークの区のナマホ課から電話があったんで、急いで出かけまして、未払いの介護保険料のことで相談しました。
コメントでご指摘いただきましたように、この未払いはリュークがナマホになってからの滞納です。期間は4ヶ月でした。
ナマホで保険料を滞納するのは略取です。
と、区のナマホ課のおツボネ様が、まるで私が滞納者であるかのよーに睨む。
で、どうしたかというと、リュークを説得したおして、すぐに支払わせましたさ。
しまいにはオドシましたよ、
明日からもうヘルパーさんは寄越しません。
それでもいいんですね!!

って。
で、とりあえず2ヶ月ぶん、次に保護費が入ったらまた2ヶ月ぶんすぐに支払いさせますからとナマホ課にお願いもしました。
ココロの中では
こんなヤツ、もうどうなろうと知ったことか!!
と思ってましたので、なんでこいつのために私がこんなに惨めな思いをせなならんのじゃと情けなくなりました。どー思われようと、それが正直な気持ちです。

しかしまあ、払ってくれてよかった。
一時はどうなることかと思いましたよ。
だってリュークは、気に入らないことがあるとカネを払わないヤツなので。

今回入院する前に頼んでいた配食弁当の代金も踏み倒しています。
また、退院直後に私が「とりあえず何か食べるものが必要だから」と拝んでリュークにとらせた配食弁当の代金も、まずかったから食べなかったからと、いまだに支払いが済んでいないんです。
家賃も滞納しています。
催促の電話がかかると、本人であることはバレバレなのに平気で留守番のヒトになりすましたり、キレて受話器をポータブルの中にほりこんだりします。
ホントに始末におえない、そんなヤツなんです!!!!!
あんたが毎月もらっているそのカネは、あんたのカネであってあんたのカネではないんだよと、ついそう言いたくなる。
ひどいケアマネだ、人権無視だと言いたければ言え。
彼に会って、実際に担当してみりゃわかるから。
リュークはそんな利用者なんです。


そんなこんなで月日が流れ、7月になり、リュークもヘルパーさんもお互いに慣れ、最初のレセが無事済んだある日のこと。
つくしヘルステのサ責から電話があり、リュークから、
下痢が止まらないから入院する
と連絡があったという報告が。
慌ててリューク宅に電話したら
いま救急隊員が来てるから
と電話を切られてしまい、そこで私も軽くブチ切れてしまいました。
私は、リュークがここ数日お腹の調子が悪くて、クリニックから処方されていた整腸剤を自己判断で怠薬しており、全然飲んでいなかったのを知ってました。
そもそもリュークがお腹を壊したのは、このムシ暑い夏のさなかに、ヘルパーさんが大大大反対するのも聞かず
(冷蔵庫まで)行くのも面倒くさい
と言って、朝ごはん用のおにぎりを枕元にずらりと並べており、それを食べたからなんです。
リュークには本当に申し訳ないけれど、もう知ったことかと思いました。
救急搬送でもなんでもされてしまえ、と。
搬送先は中央病院に決まってる。
行けばわかるさ。
少なくともこの市内には
リュークを入院させてくれる病院なんか一軒もないってことが。


で、夕方の6時に搬送されたにも関わらず、やっぱりリュークは返されました。
この界隈の主だった病院のほとんどで入院費を未払いのまま放置しているリュークが、入院なんかできるはずがないんです。
病院がオニなんじゃない。世間が冷たいんじゃない。
自業自得だよ。
いい加減気づけよ。

しかし、もっとアタマにきたのは、つくしヘルステが、ケアマネにひとこともことわりなく、リュークに請われるまま介護タクシーを出して迎えに行ったことです。
22時だよ。
深夜料金だよ、50%加算だよ!!!
タダでさえ限度額がキツキツなのにどうして勝手にそんなことすんの!!
いくら月はじめとはいえ、
いくらたった150単位とはいえ、
いい加減にもホドってもんがあるだろ!!



稀に見るオレ様利用者リューク。
有り得ないダメダメヘルステつくし。
木の葉のように彼らに翻弄されていく私が、本当の地獄を見るのはそれから数日後のことです。



                           つづく







DTN!!! その6

2008年07月03日 | 事例検討
実地指導のおかげで、ひがしケアプランのケアマネ全員が
ギスギスしています。
トゲトゲしています。
平成18年の改正のときだって残業なんかほとんどしたことのないユルい職場だったのに、
今は朝から夕方遅くまでもくもくと仕事をし、
あーでもないこーでもないとか
そんなふうには教えてもらわなかったとか
いつそう決まったのか知らなかったとか
口を開けばグチばかりです。
こんな職場に誰がした!
と叫びたい。
ちなみにハリケンは残業はしません。
したくても出来ないんです。医者にとめられてますからね。
なのでたったひとりで日曜出勤してます。休みナシです。
厚生労働省の方々に申し上げたい。
来期から、実地指導は1年前に通達して来て下さいと。
え?
それじゃ指導にならないって?
そんなの当然じゃん。
現任のケアマネがあんたたちに指導される筋合いなんか最初っからないんです。すみませんけどね。








さて、リュークです。

ぜってー要介護4にはなる!とふんでサービスをギッシリ詰め込んだ挙句、要介護3を出してしまったハリケン。
要介護4なら通院等乗降介助ではなく身体でイケると思い、
「身体(介護1)をいただく場合はタクシー代はロハ(タダ)です」
をやっちゃってくれちゃっていたヘルステつくし。
3850点の不足ぶんをどうしましょう。

で、思いつくのはトーゼン不正な操作でございます。

幸いなことに、リュークは区変中でしたので、先月分つまり5月ぶんは月遅れ請求となっておりますので、6月に不足してしまった3850点をそこに乗っけ盛りです。

身体1生活2⇒身体2生活1に。
身体2生活1⇒身体3に。

ハリケンの良心の許容範囲をハミ出して、乗っけて乗っけて盛りました。
念のため情報連絡票も書き直して出し直し。
5月のたった10日間のサービスに、3850点も盛るのですからそれはそれは大変な捏造でございました。
実際にヘルパーさんの派遣されていない時間帯に嘘サービスを差し込むワケにはいきませんので、何度も何度も提供表を作り直し、やっとこさ点数がうまったところであらためてヘルステつくしにFAXを流し、実績1入れさせて送り返させたんですが、どーゆーわけなのかつくしさん、あとからあとから
「すみません、○日の○時、サービスに入ったのを忘れていました」
と、すでに実績を確認している時間帯にさらにサービスを手書きで差し込んでくるんです。
別に悪どく取ったろと思ってやっているのではなく、混乱してるんですね。
こういう盛りだくさんのサービスをかつて供したことがない、未熟なヘルステなんです。

最終的には
「お願いですから冷静になってもう一度提供票を見て下さい、そして黙ってこの通りに請求して下さい!」
とキレ気味に言って落ち着かせましたが、今月請求ぶんが返戻で戻ってくるかどうかとっても見ものです。




しかし、リュークの、いや、ハリケンの悲劇はこれだけでは済みませんでした。




6月16日。
保護費も年金もはいってやっとリュークの生活が落ち着き始めたかなと思った頃のことです。

保護課から、リュークがもといた区の保護の中止通知がやっと出たという連絡がありました。
住所がかわったのですから、保護変更手続きが終わらなければ、介護券や医療券が出ませんからね。
おおやっと出たか、だったら自宅にも通知が来てるはずだよな。
あ、そう言えば、リュークんちのポストってまだ誰も確認してないかも知れない。
そう思った私は、リューク宅に行って、リュークに許可を得て、郵便ポストを覗いてみたんです。

団地の集合ポストの中にピザ屋の割引券や出張ヘルスのチラシにまじって届いていた一通の封書が、私を恐怖のどん底に陥れました。



さあ一体それはなんだったでしょうか。










カンのいいケアマネさんならもうお気付きでしょう。





そうです。




それは



介護保険料未払い・催促通知
でした。


あっはっはっはっは。
ホントに終わったなこりゃ。





                         つづく