《内容》
暗闇をさまよう明日羽に、叔母のロッカさんは“リスト”を作るよう勧める。溺れる者が掴むワラのごとき、「漂流者のリスト」だという。明日羽は岸辺にたどり着けるのか?そこで、何を見つけるのか?ささやかだけれど、確かにそこでキラキラと輝いている、大切なもの。
(紹介文より)
―――依存してしまえば楽だと思った。つまり自分の人生を自分で引き受ける気概がなかった。気概なんて今もない。突然持てるようになるとも思えない。なにしろ私には何もないのだ。特技もなければ資格も、趣味も美貌も財産もこれといったものは何もなく
―――そうなのだ。得意じゃないことだらけだ。今の私は人の話を素直に受け取ることができなくなっているんだろう。それが話をややこしくする。