生きのびるからだ 著者 南木佳士
《内容》
平日は淡々と勤務医としての仕事をこなし、休日の早朝から「しぶとく」小説を書きつぎ、ときに山を歩き、自然にむかってからだを開く。一歩一歩、山の奥に分け入ると、自意識で凝り固まった「わたし」が木の香や風に溶けてゆく。しょせん大地に還ってゆくこの身、生きて死ぬ者としての「わたし」をしみじみ体感する五十路もなかばを過ぎたある日、「授かりもの」を得る……。「生きのびた」著者だからこその、読む者の身の内を温かく浸す、静穏ながら強靭な言葉の数々、滋味溢れるエッセイ33篇を集めました。
(紹介文より)
☆☆☆☆☆
―――医者になって4年目に、朝、顔を洗いに行く途中でぽっくり逝った祖母の死亡診断者を書いた。書きながら涙が止まらなかったのは、存在の世話をしてくれたひとの永遠の不在をどうやって諒解すればいいのかわからない身がもだえ、内を満たす水分がおのずから氾濫をおこしたのではないか。
―――人生でなにより大事なのは、どんなにみっともなくてもとりあえず生きのびること
《内容》
平日は淡々と勤務医としての仕事をこなし、休日の早朝から「しぶとく」小説を書きつぎ、ときに山を歩き、自然にむかってからだを開く。一歩一歩、山の奥に分け入ると、自意識で凝り固まった「わたし」が木の香や風に溶けてゆく。しょせん大地に還ってゆくこの身、生きて死ぬ者としての「わたし」をしみじみ体感する五十路もなかばを過ぎたある日、「授かりもの」を得る……。「生きのびた」著者だからこその、読む者の身の内を温かく浸す、静穏ながら強靭な言葉の数々、滋味溢れるエッセイ33篇を集めました。
(紹介文より)
☆☆☆☆☆
―――医者になって4年目に、朝、顔を洗いに行く途中でぽっくり逝った祖母の死亡診断者を書いた。書きながら涙が止まらなかったのは、存在の世話をしてくれたひとの永遠の不在をどうやって諒解すればいいのかわからない身がもだえ、内を満たす水分がおのずから氾濫をおこしたのではないか。
―――人生でなにより大事なのは、どんなにみっともなくてもとりあえず生きのびること