その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

東風(こち)

2008年01月30日 | Weblog

 

東風(こち)

 

***

女子スタッフの顔が明るい

 

理由を聞いてみると

 

早起きして公園を

 

わたくしたちのように散歩したらしい

 

その時の話

 

突然

 

変な犬にほえられて

 

若い飼い主の顔を

 

にらみつけてやったと~

 

でも・・その彼が呼んだ犬の名前が

 

自分のアダナと

 

偶然一緒だった

 

そして

 

なんとなく 立ち話が始まった

 

そのとき

 

春風が吹いたかもしれないと思った

 

早起きは良い 

 

そして 早朝の散歩は

 

良いものだと・・・

 

~~~

 

***

 

飛び梅伝説

~東風吹かば におひおこせよ 梅の花

主なしとて 春な忘れそ(春を忘れるな)~

旧暦一月二十五日

菅原道真が大宰府に左遷されました

その時 邸宅の庭の梅に

別れを惜しんで詠んだのがこの歌です

東風とは

東方から吹いてくるやや荒い風

春を告げる風とされ

年が明けて

始めて吹く東風を「初東風(はつごち)」といいます

日本海沿岸では

東風と書いて「あゆのかぜ」と読むそうです

松前船が 順風として利用したのだそうです

この梅は 道真の後を追って

一晩で 太宰府まで飛んできたといわれています

飛び梅と呼ばれ

今でも太宰府天満宮に

御神木として残っています

そして 毎年

ほかの梅に先駆け

美しい花を咲かせてくれるそうです

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ご馳走

2008年01月29日 | Weblog

 

ご馳走

 

***

 

旅に欠かせないものに

 

素敵な出会い

 

それは人に限らず

 

その土地の風景であり

 

食事もそのひとつです

 

同じような食材でも

 

作り方感じ方が

 

随分と変わっている場合がある

 

新しい発見が旅の思い出にもなる

 

今年もいくつかの旅が始まった

 

新しい思い出が積み上げられてゆく

 

すべてに感謝 感謝

 

***

 

その労が・・何よりの・・

馳走とは

かけまわるという意味です

かけまわって 世話をしたり

力を尽くしたり もてなしたりする時に

使われるようになりました

豪華な食事のことではなかったのです

今でも 歌舞伎では 端役に出て

盛り上げることを ご馳走といっています

かけずりまわって

おもてなしするからご馳走

その労に感謝する気持ちを表わした言葉が

「ごちそうさま」です

たとえ どこかで買ってきたものでも

その蔭には沢山の人々が

かけずりまわった労があるわけですから

やっぱり 「ごちそうさま!」といいたくなりますね

(山下景子著「美人の日本語」よ)

写真はキリンの親子の食事タイム

 

 

 


想紅(おもいくれない)

2008年01月24日 | Weblog

 

想紅(おもいくれない)

 

***

 

今朝の公園に

 

沢山の椿の花が落ちていた

 

そのひとつを拾って

 

走りながら

 

お互いに受け渡し

 

軽いランニングを楽しむために

 

ラクビーのパスのように

 

椿の花の受け渡し

 

丸いボールではないので

 

パスのために投げると

 

変な方向に曲がってしまう

 

それを走りながらすると

 

思わぬ体の屈伸やら

 

体の体重移動で

 

汗が出るほどの

 

運動量になった

 

気がついたら

 

朝の寒さ忘れてた

 

・・・

 

***

 

椿の深い紅

新潟県十日町の

織物工業協同組合の制定した1月の誕生色です

冬の寒さの中に

凛として咲いている深紅の花

気品の中にも

溢れるような情熱を感じさせる花ですね

椿の原産地は 日本だそうです

十六世紀

日本に来た宣教師のジョセフ・カメルさんが

持ち帰って広めたのだとか

学名 カメリア・ジャポニカ

東洋の薔薇と呼ばれ もてはやされたそうです

とはいえ

花が付け根からぽとりと落ちるので

首から落ちるといって

嫌われた時期もありました

今は

枯れて見苦しい姿を見せない

潔い花とされています

情熱と潔さ

夢をかなえるために

欠かせない要素ですね

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 


歌枕(うたまくら)

2008年01月23日 | Weblog

 

歌枕(うたまくら)

 

***

 

先日面白い遊びを体験した

 

親子で見つける

 

イメージ作戦

 

ひとつの品物から

 

イメージを膨らませて

 

関連する絵を

 

その部屋の中から探し出す遊びです

 

子供の思いもよらない

 

素晴らしい発見や

 

どうして・・そこに?など

 

奇妙で面白い

 

貴重な体験でした

 

想像することの楽しさと

 

考える楽しさを再認識しました

 

みんなもっともっと考えよう

 

もっともっと想像しよう

 

子ども柔軟な頭のように

 

・・・

 

***

 

イメージの伝承

歌を支える枕としての

働きを持つという意味で

枕詞や歌題なども含まれるようですが

特に和歌によく詠まれる名所のことを

歌枕(うたまくら)といいます

古くから詠まれた名歌を

歌人たちは受け継いでゆきました

そして

その歌に読み込まれた土地にも

憧れを抱くようになりました

実際に行った事がない土地でも

歌人たちの溢れる想像力によって

どんどんイメージが膨らんでいきました

わたしたちが書物を読んでも

そこに描かれている土地に

行きたくなりますね

その地に立ったとき

知識や情報があればあるほど

感動の幅や奥行きは広がります

短い一生の中

独りで体験できるのは

ほんのわずかです

でも 遥かな時代を受け継いできた

言葉によって

さまざまな体験を重ねることが出来るのです

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 

 

 


常初花(とこはつはな)

2008年01月22日 | Weblog

 

常初花(とこはつはな)

 

***

 

日曜の朝

 

カメラを持って公園に

 

日差しがぽかぽか

 

二人で出かける最初のお休み

 

今年はどんな花が迎えてくれるだろうか

 

美しい花でなくても

 

きれいな花でなくても

 

一生懸命咲いている花が素敵

 

花とふと目が合って

 

静かにお話が出来る

 

今日の出会いの花はなんだろう

 

少しだけわくわくしてくる

 

***

 

心に初花を

初花とは

その季節季節で一番初めに咲く花

新しい季節の到来を告げる花というわけです

特に 新年になって

一番に咲く花をさす場合もあります

やがて

若い女性の事をさすようになり

そのうち年をとっても

新鮮な相手に対しても使われるようになりました

常初花は 初花の

いつまでも変わらないという意味合いを

強調した言い方です

いつまでも初々しくありたい

それは女性にとって永遠の願いでしょう

初々しく見られるための

ちょっとした秘訣・・・

それは~

相手のことを

新鮮な気持ちで見ることです

あなたの心に

初花が咲いたとき

相手の心にも

きっと それが映るのではないでしょうか

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 


礎(いしずえ)

2008年01月20日 | Weblog

 

礎(いしずえ)

 

***

 

デートの途中で

 

昔の友人に会った

 

「さっきのどなた?」と

 

尋ねられた・・・

 

母のいとこの~・・と答えて

 

嫉妬深いあなたが

 

少し安どの表情

 

時々どうしても

 

嘘が必要なことがあるね

 

裏切るとか騙す意味ではなく

 

物事が壊れにくくするための

 

基礎石のように

 

***

 

永遠の土台石

もともと建物を建てるときの

土台となる礎石を据える事

つまり 「石礎え」という意味だそうです

昔の寺院や城郭は

自然の大きな石を礎石として埋め

その上に 直接柱を立てていました

礎石は 大きさもばらばらで

表面はでこぼこ

その上に固定もしないで

柱を置いているのですから驚きます

それだけで 何百年も 何千年も

大きな建物を支えているのかと思うと

信じられない気もしますね

史跡に立って

礎石郡を見ていると

こんな風に思えてきます

形が整っていなくてもいい

不恰好でもいい

心の中に 「こうしたい!」という石を

で~んと据えることから

すべては始まるのだと

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 

 

 


押し競饅頭(おしくらまんじゅう)

2008年01月19日 | Weblog

 

押し競饅頭(おしくらまんじゅう)

 

***

 

みんな背中丸めて

 

寒そうにしていると

 

先生が

 

全員外に出て~~~

 

今から「おしくらまんじゅう」をする

 

冬の遊びの定番だった

 

子どものころ

 

今は誰もやらない

 

我が家で・・

 

「おしくらまんじゅう」しよう

 

まったくの反応なし

 

逆に「なに・・それっ」

 

こうこうこういうもの~だよ

 

やだっ・・さむい・・

 

やれば面白いから~

 

やだ・・痛そうっ・・

 

何とか説き伏せて庭に

 

しかし やがて

 

熱を帯びてきた・・

 

もう疲れたから終わりというと

 

なんと・・まだぁ~~あっ!

 

え?あれほど嫌がってたのは君きみたちだよ

 

知らないことへの

 

積極的な挑戦

 

今の子はすべて

 

現状維持を良しとする

 

まだまだしばらくは

 

体で教える

 

体力勝負になりそうだ

 

・・・

***

 

歌うように話す

寒い日の子どもの遊びの定番でした

みんな背中合わせて

押し合いへしあいいているうちに

体がぽかぽか温まってきたものです

~おしくらまんじゅう 押されて泣くな~~

昔の遊びは大勢で遊べて

歌がついているものが多かった

かごめかごめ 花いちもんめ だるまさんがころんだ・・・

遊びの中に歌があり

子どもたちは

日常会話にも節をつけて

何かと声を合わせて歌っていたような気がする

「○○するもの この指とまれ」

「カラスが鳴くから か~えろ」

声に出して日本語を読む効果が

話題になっていますが

歌うように日本語を話す効果も

大きいのではないでしょうか

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 


当たり前

2008年01月18日 | Weblog

 

当たり前

 

***

 

毎日を仕事や予定に追われる日々

 

気がつくと当たり前に

 

食事をして 電話して

 

車の運転をして

 

いつものように

 

おはようっ!の挨拶

 

何もかも当たり前に

 

昼食の折に

 

あなたと一緒だった

 

席があくまで待つ間

 

約束をした

 

もしきみの横に

 

女性が座ったら

 

きみのおごり

 

もちろん逆ならわたくしのおごり

 

さて・・さて~~

 

結果は・・ふぅふ~~う

 

誰も座らなかった

 

仕方がないから

 

言いだしっぺのわたくしが

 

会計をして

 

ちょっとだけ楽しい食事

 

ずっとずっとこれからも

 

きみと素敵な時間をもとう

 

・・・・

***

 

当たり前の中の奇跡

共同で収穫したり 漁や狩をした時の

一人当たりの取り分を

当たり前といったそうです

それぞれの働きに応じて

分け前は決められました

「当たり前」が当たり前ではなかった

時代があったのですね

私たちが何もしないで受け取っているものは

何らかの恩恵だと考えたほうがよさそうです

人は慣れると

すぐ当たり前と思ってしまいます

私たちが生まれたことも

そして水や空気があることも

奇跡です

この奇跡の積み重ねを

当たり前としか思えなくなるほど

心が麻痺してしまうのは

悲しいことだと思いませんか

当たり前の中の奇跡・・・

そのことに気づいたとき

感謝の言葉一杯に溢れてきます

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 


楪(ゆずりは)

2008年01月17日 | Weblog

 

楪(ゆずりは)

 

***

 

この葉っぱの名前は

 

ユズリハ

 

きみは

 

グズリハ

 

ぽかぁあ~~ん

 

親父ギャグ通じず

 

そろそろ

 

あちこちに袋の数が増えて

 

正月飾りや

 

正月用品がしまわれます

 

うっかり捨てるには気が引けるものや

 

捨てるにしても気軽に捨てると

 

罰が当たりそうな物が

 

キッチンの隅に溜まってきた

 

まとめて燃やさねば

 

どんど焼き

 

庭の隅で行おう

 

・・・

***

 

一本の木の中のドラマ

お正月の飾りに用いられる常緑樹

この木は

初夏 新しい葉が生え終わってから

古い葉が「あとは頼んだよ」というように

散っていくことから「譲る葉」

つまり「ゆずりは」と呼ばれるようになったそうです

別名「親子草」です

親から子へ世代交代

昔は 家系が絶えることなく

続くということを重んじたので

大変縁起のよい木とされてきました

家系にとどまらず

人類も 多くのものを譲り受けて

この世に生まれ

また次の世代に譲ってゆくという

営みを繰り返してきました

譲る心と譲られる心

その受け渡しが

果てしない人類のドラマを支えてきたと

言えるのではないでしょうか

(山下景子著「美人の日本語」より)

 

 

 

 

 

 


伊呂波歌(いろはうた)

2008年01月16日 | Weblog

 

伊呂波歌(いろはうた)

 

***

毎年カルタ大会の

 

優勝者だったきみが

 

はじめて

 

百人一首カルタに

 

挑戦

 

みごと惨敗

 

どれ見ても同じに見えるらしい~

 

泣きっ面解消は

 

坊主めくりに勝ったころ

 

きみは正直で熱心だ

 

すぐに態度でわかる

 

暇さえあれば・・

 

わからない文字を見つめて

 

ひたすら記憶のノートに書き込んでいる

 

来年のカルタ大会は

 

きっと泣かずにすむだろう

 

・・・・・・

***

 

究極のパズル

~色は匂へと 散りぬるを

我かよ誰そ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて

あさき夢見し 酔ひもせす~

仮名四十七文字(「ん」を入れた場合四十八文字)

全部を一回ずつ使って歌にした

「いろはうた」見事ですね

ちゃんと意味も通じます

他にも あめつちの歌 とりな歌など

名作が残っています

ちなみに・・あめつち歌は

~天(あめ) 地(つち) 星 空 山 川 峰 谷

雲 霧 室 苔 人 犬 上(うえ) 末(すえ) 硫黄(ゆわ) 

猿 生(お)ふせよ 榎(え)の 枝(え)を 馴れ居て~

とりな歌は

~鳥鳴く声す 夢覚ませ 見よ明けわたる 東(ひんがし)を

空色映えて 沖つ辺(へ)に 

帆舟(ほふね)群れゐぬ 靄(もや)の内~

昔の人は

いろいろな言葉遊びをしてきましたが

伊呂波歌(いろはうた)は

究極のパズルといえますね

(山下景子著「美人の日本語」より)